【観劇】 青春五月党『ある晴れた日に』
2019.11.1
青春五月党
『ある晴れた日に』
作・柳美里
演出・前田司郎(五反田団)
LaMaMa ODAKA(福島県 小高)
『静物画』や『町の形見』とは少し趣が違い、より普遍性のある作品のように思えた。
だからこそ、身近に感じた。
感じすぎるくらい、近いものだった。
舞台上での男女の何気ない会話、ベットでのやりとり。
心当たりのある行為は、私を苦しめた。
もし突然、大切な人を失ったら、彼女のように「過去の時間」に置き去りにされてしまうのは、目に見えている。
だからこそ、とても恐ろしく、不安を感じ、胸がとても痛くなった。
そして、今大切だと思っている人に、すぐにでも逢いたいと思った。
いつでも止まる可能性のある時間。
過去に置き去りにされてしまうのであれば、自分自身の時間が止まればいいとも思った。
プッチーニのオペラ『蝶々夫人』の中の曲、「ある晴れた日に」。
ファニー・アルダンが主演の映画『永遠のマリア・カラス』を観てから聴くようになった歌。
こんなに哀しい歌だと思ったことは、今までなかった。
「あなたに再会できた喜びで息が止まらないように」という歌詞、今なら分かるような気がする。
柳美里の作品にはいつも「痛み」を感じる。
作品の中だけではなく、作者が物語を生み出す「痛み」も感じられる。
命を削って作っていると感じられるからこそ、いつも心が騒ぎ、色々な意味でとても心地よいと思える。
以前行った柳さんとのトークショー以来、気になっていた五反田団の前田司郎さん。
遅ればせながら、初めて彼の演技を見ることができた。
作・演出を生業とする方の演技は、心惹かれる事が多く、今回もそう思えた。
今後の活動に期待・注目したい。
次の日、双葉屋旅館の方が急遽車を出してくださり、2時間ほど、小高周辺を案内してくださった。
そのあたりの話はもう少し整理してから話したいと思っているが、その方は「話を聞いてくれるだけでも嬉しい」と仰っていた。
「話すことは聴くことから始まる」という柳美里の言葉を思い出した。
ラジオを始め、福島の方々に寄り添い話を聞き、「一歩踏み込む」を実行している柳美里を、改めて支援していきたいと思った。
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