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こ、この太宰のポーズはアリ戦のアントニオ猪木としか思えない!! わし流ショボ鉄旅2024㉝初夏に、発刊89年太宰の最高傑作「津軽」をゆく②
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2日目、津軽中里駅からバスでいよいよ「津軽」のクライマックス、たけさんの待つ? 小泊へ。
バスの乗客はワシと同年代、もしくはやや上の、もちろん「大人の休日倶楽部パス」利用に違いないおっちゃんがいるだけ。宿にいた太宰ファンらしき50代ぐらいの一人旅女性がいるかと思ったけど、いなかったな…。いえ、別にがっかりはしていません。
途中、十三湖を通りますが、降りると帰るのが厳しくなってしまうので、車窓から眺めるだけ。
風力発電の風車や田んぼや古めの街並みや、とこおろ港に寄ると以下釣り船が見えたりしました。
そしてようやく小泊へ。
例のおっちゃんはさっそくどこかへ歩いて行きました。おそらく帰りのバスも呉越同舟となることでしょう。
ワシはバス停を撮影したりしながら小説「津軽」記念館へ向う坂で見えてきたのが画像の銅像。子守であったたけさんと小学校の運動会を県靴している姿ですが、どう見てもアリ戦のアントニオ猪木ですよね?
記念館ではそのたけさんの映像が見られます。太宰の作品を読むと太宰のことを「修ちゃ」と呼んでいたはずですが、晩年のたけさんは驚いたことに「ダザイ」と呼んでいました。おそらく度重なる取材を受けているうちに、このようなときはそう呼ぶようになっちゃったんじゃないでしょうか?
記念館では荷物がちょっと重くなるけど3000円ぐらいの「津軽」のレリーフを購入。もちろん「猪木VSアリ」…いや、「津軽」の銅像とともに「1・2・3・ダー」も撮影。
なお例のおっちゃんも真っ先にここに行き、一足早くきたので一足早く出て行きました。「ダー」はしなかったようです(あたりまえだ)。
そのあとはいくつかある「津軽」のゆかりの記念碑を全部…まわるのはちょっと無理とみて、途中であきらめたりしながら運動会の現場、そこまでの道をたずねた店などをまわり、「昼めしはやっぱり魚がいいな」と思って見せを物色。が、寿司屋ならあるのですがどうも敷居が高く、手ごろな店を捜したものの見つからず、港のそばの雑貨屋のよゆな店に突入。
「弁当かおにぎりでもないかな」との思惑は無残にハズレ、しかたなく缶ビールだけを購入。こんなこともあろうかと前日のスーパーで買っておいたどら焼きとともに港の片隅でわびしい昼食としたのでした。
そのとき、ボイスレコーダーも持っていたので即興で一曲、「吹き込み」。どんな曲だったかはいますぐには思い出せません。
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やがて帰りのバスの時間となり、乗り込んだものの、例のおっちゃんの姿は見えず。このバスに乗らなきゃ帰れないはず…もしかしてこのあたりに宿泊の予定なのか? 言っちゃなんだけど、2日はいなくてもいいような気がするが…?
帰りのバスからは海越しに岩木山がよく見え、頭の中に三山ひろしの「岩木山」が鳴り出しました。
その日はふたたび前日と同じ宿に戻りましたが、おかみさんには今日はじめての宿泊とおもわれたのでした。
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つづく
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