「勝ち組」になるために頑張りすぎて重度うつ病になった話
「りきこってなんかいつも生き急いでない?」
今から約15年前、私が中2のとき親友から言われた言葉だ。
当時はゆとり教育のど真ん中で、学力ではなく「一人ひとりの個性」を伸ばす教育を受けていた。
しかし同時にメディアでは「勝ち組/負け組」という言葉も盛んに飛び交っており、今考えるとカオスな時代だと思う。
そんななか、ゆとり教育に疑問を持っていた私は、「勝ち組」になれるよう努力した。
いい高校に入っていい大学に入って一流企業に入ることを人生の目標にした。
また、あまり好きでもないのに運動系の部活に入部して体力作りはもちろん、社会で迎合される「体育会系の気質」を身に着けられるように、部活に勤しんだ。
そして、「勝ち組」になるためには必要ない、娯楽は生活から排除した。
休日は家でテレビや漫画を見てごろごろするのが一番の楽しみであったが、そんなことでは勝ち組になれない。そう考え、大好きだった漫画は全て古本屋で売り塾や部活で休日を過ごした。
ただ、そうこうしている間に私の心は徐々に蝕まれ、高校受験を終えたあとに心はポキっと折れた。
高校受験では地元の進学校に受かったが、喜ぶどころか、なにも感情が動かなかった。むしろ、心に鉛がついたように感情も身体も動かなくなってしまった。
親のすすめで精神科に行ったところ「重度のうつ病」と診断された。
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約15年経ったいま、まだ私はうつ病の治療を継続している。ただ、波はあるもののフルタイムで勤務できるまでは回復した。
ある程度回復したいま、中2のときの私に言言葉を贈りたい。
未来のための自分に無理して頑張りすぎないで。「今」の自分の心を観察して、楽しいと思えることをやろう。
頑張りすぎないでも、意外となんとかなるもんだよ。さあ、今から勉強も部活もやめて、漫画やテレビを見てごろごろしよう。