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はなばな

通勤の途中、花が目につくようになった。これまで、どうして気づかなかったのだろう。春になったから?それはそうだ。でもそれだけじゃない。

目が花を探しているのだ。通勤ルートだけでも、あそこにもここにも、大きな花、小さな花が何種類も見つかる。花だけじゃない。雑草の草むらも、緑が本当に青々しくて、目が潤う。心が癒される。植物、グッジョブ。

これまで、植物を見てキレイだなと思うことはあっても、癒されるという感覚ではなかった。でも、今年は違う。

正直、花より団子で生きてきたので、プレゼントにお花をいただいても、枯らさないようにお世話するのが大変だ、ということの方が先に立って、心から喜べないこともあった。

しかし気づいたのだ。自分が育てていなくても、花はあちこちに咲いている。木々が風にそよいでいる。よそ様のお庭に、公園に、町の並木に、空き地の草むらに。

花屋の店先に並んだいろんな花もいいけど、その角を曲がったところに不意に現れる、塀の足元に咲いているちっちゃくて黄色い花にハッとする。

疲れすぎて見えていなかった景色が、ようやく見え始めた気がする。

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