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立志式とブラックホール

ムスメの2分の1成人式がついこの前のようだったけれど、もう立志式だ。そしてすぐに成人式が来るんだろう。

立志式なんて行事は、わたしが中学生の頃にはなかった。ムスメの学校も今年で9回目らしいので、そんなに前からやってなかったわけだ。

さて、PTA会長の祝辞。完コピではないが、こんな内容だった。

「去年、世界で初めてブラックホールが観測されたが、若い頃、その観測の仕組みを作る仕事をしたことがある。自分は、世界中のパラボラアンテナの通信を繋ぐ、ネットワークを担当した。しかし、自分は天文学の専門家ではないので、その仕事をしたことを忘れていた。そして去年、ブラックホールを発見した装置は自分が関わったプロジェクトのものだと知って、嬉しかった。こんな風に、若い頃、何もわからなくても一生懸命仕事をしていれば、年を取ってからその成果が実を結び、夢が叶う…というようなことを言いたいわけではない。話したいのは、ブラックホールのことだ。わたしたちが気づかないずっと昔から、ブラックホールからの信号は、地球上に届いていた。でもそれに気づいてないから、誰も存在を知らなかった。大人になるということは、それに似ていると思う。まだ目に見えないものが自分の周りにはたくさんあって、今はそのことに気づいていない。いろいろな経験を積んで、大人になっていくと、その見えなかったものが一つずつ見えてくる。どうか、それを見過ごさないでほしい。一つでも多く見えるようになってほしい。その中で、自分の進路を考えたり、生き方を考えていってほしい。」

そう。そうなんだ。わたしがそのことに気づいたのは、30を過ぎてからだ。もう遅い、と思っていた。でもそうじゃない。40になっても50になっても、まだまだ見えていなかったものが見えるようになる。その時に考えることができる人でありたい。考え続ける人でありたい。

思わぬところで、自分のこれからを考えさせられた。



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