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【離活】7.共有財産と特有財産の注意事項

離婚では結婚した以降で取得した財産は共有財産になりますので、半分ずつに分けることになります。
例えば、お給料。配偶者が専業主婦でお給料がなくても、夫の給料は全額共有財産になります。共有財産とされる期間は、結婚以降で離婚時(いずれかがが家を出た場合はその時点)までです。この間に取得した財産の半分は相手のものです。特有財産は、実質的に自分のものであることが立証できることが必須で、立証できなければ共有財産とされます。(民762条2項)

特有財産となるものは、結婚前の財産や親からの遺産くらいなものです。
プレゼントとして相手にあげたものは、相手の私有財産です。
たとえば、婚約時にあげたダイヤの婚約指輪も、結婚後に妻にプレゼントしたカルチェの時計もエルメスのバッグも売れば結構な金額になりますが、一般的に共有財産になりません。プレゼントとしてあげた限りは妻の特有財産とされます。

自分の名義で購入した住宅はどうでしょう。結婚後に購入した不動産であれば、名義があなただけだったとしても、ローンの対象が貴方だけだったとしても、不動産は共有財産になります。
ここで、結婚前の貴方の貯金を住宅ローンの頭金に入れていた場合はどうでしょう。
理論上は頭金は貴方の特有財産です。
問題はその証跡が残っているかです。
若かりし頃の銀行通帳が残っていて、不動産会社なり、建築会社への振込額の記録があれば問題はありません。
ところが、通帳を持っていない場合は、振込を証明できない場合があります。
そんな馬鹿な?
それがあり得るのです。
現実に私がそうでした。
気持ちが追い詰められて衝動的に実家に避難した家出だったものですから、昔の通帳など、家に置いてきてしまいました。相手の弁護士に返すように言っても見当たらないとのこと。

銀行に行って当時の記録を取れば済むと思いましたら、なんと、相次ぐ大手銀行の合併で20年前の通帳記録は廃棄しており、復元できないとのこと。

建築会社に問い合わせましたが、当初の資金計画書は残してあっても、実際の支払いの記録はないとのことでした。

相手の親も家の頭金を私が出していることを知っていましたので、証言をお願いしましたが、離婚する二人の問題で私たちは当事者ではないからということで証明もしてくれませんでした。

そうした訳で、結局、私の頭金は共有財産になってしまったのでした。

少なくとも、特有財産については、自分のものである証跡があるかを確認しておいたほうがよいと思います。

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