【離活】4.夫のお小遣い制に潜むリスクとは
今回のテーマは現在夫がお小遣い制の方が対象のお話です。
夫婦共働きでそれぞれが担当する家計を管理されている場合は、スルーしてください。
もっとも、結婚当初はダブルインカムのパワー夫婦でも、出産を機に夫が働いて、妻は専業主婦になることもありますから、読んでおいて損はないと思います。
さて、専業主婦の間では家計管理は主婦が主導権を持たないとストレス極まりないので、
『夫から給与振込口座のキャッシュカードを預かるべし』というのが鉄則とされているようです。
夫から毎月生活費をもらう形ですと
お化粧品や服などに使うお金が足りなくなった時に、いちいち夫に話してお金をもらうのが面倒ですし、足りなくなった説明を求められるのが嫌で、お金が使いにくいからです。
それに夫をお小遣い制にすることで、夫に怪しげなお金の使い方をしにくくさせる効果もあります。派手なヨアソビや浮気の抑止効果です。
妻から「学費とか親戚の冠婚礼祭、ママ友とのお付き合いとか色々急な出費もあるから生活費の管理を自分にさせて欲しい」と真剣に言われると、夫も生活費の管理は面倒なので、言われるままに、夫のお小遣い制へと流れる方が多いです。特に新婚生活間もなく、妻からお願いされると断りきれない夫は多いのではないでしょうか。
このお小遣い制は子供がまだ小さいうちはよいのですが、塾や習い事の学費や奥様のお友達とのお付き合いで出費が膨らんでくる世代になると、夫にそれなりにの収入があっても、妻は家計の出費を抑えるために夫のお小遣いを抑えに行きます。塾の夏期講習やら学家族旅行の積立のためとか色々理屈を付けて、夫の飲み会やゴルフなどの趣味をやんわり非難して抑制してくるのです。
長年のお小遣い制は妻に「夫のお給料は自分のもの」という意識を作り出すようです。愛情のウエイトが夫から子供に移っていくと、妻は子供や自分にはお財布の紐が緩くなっても、夫にはなるべく使わせないようになるものです。
夫の方も、おかしなもので、限られたお小遣いで生活しているとそれが普通になるものです。夫のランチが立ち食いそばで、妻はママ友と高級ホテルで昼ランチ定例会なんてことが、普通にあります。
ただ、こんな些末なことを書きたくてこのテーマを書いているのではありません。
本当のお小遣い制の怖さは、
『妻のヘソクリを把握できない』ことと、『夫の家計管理に戻すことが極めて難しい』ことなのです。
妻は、万が一のために、それが将来の離婚を想定したものでなくとも、自分名義の口座に給与の一部をしっかり毎月貯金しているのは当たりと思った方がよいです。
私が知る本当にあった話ですが、妻が毎月定額を妻の母親名義の口座に振り込んでいた事例もあります。
こうなると、万一の離婚となったときには、この口座を見つけることはまず不可能です。
では、いま、お小遣い制の方はどうしたらよいでしょう。
答えは、ナルハヤで家計簿を妻に付けるようにしてもらって、お金の流れと将来の支出を共有することです。いきなり、妻からキャッシュカードを取り上げて、夫が生活費を定額支給する方式にする必要はありません。
妻は家計簿をつけていますか?
社会人経験が少ない奥さまの場合、家計簿をつけていない方が多いです。夫の給与口座があればどうにかなってしまうので、家計簿をつけて上手にやりくりするニーズは無いからです。
まずは、家計簿をつける習慣を身に着けてもらい、夫は家計管理に参加して実情を知りましょう。
どんなに高給取りであっても、支出が多ければ将来が不安です。
夫婦で家計を共有して、将来に備えましょう。
家計簿が、どうしてもつけられない妻の場合は、それを生活費の定額制に移行させるきっかけにします。実際に、家計簿をまともにつけられない人の方が多いです。
家計簿をしっかりつけられる妻の場合は、余った額の貯金の在りかや資産運用について共有しましょう。
過去の分は使ってしまって無い(笑)と言われたら、将来への備えとして、生活費の定額制の導入と、共有財産用に口座を新設して共有しましょう。
夫のお小遣い制は、共有財産の所在や将来への備えをズブズブにする懸念のある欠陥制度です。
転ばぬ先の杖のお話でした。