看護師になったきっかけ
わたしは、高校を卒業後は,介護福祉士を養成する専門学校に行っていました。成績や出席日数が危うかったため、専門学校の卒業もギリギリで決まりました。ですので、3月になってから就職活動を始めました。他のクラスメイトは、前年末には高齢者施設か身体(または知的)障がい者施設に就職が決まっていました。まだ募集をしていた何施設かに面接に行ったのですが、3月になって就職活動をはじめた者を採用する施設はありませんでした。
唯一、採用されたのが、現在 勤務している精神科病院でした。20数年前に、介護福祉士が精神科病院に就職することは、めずらしかったと思います。わたしの卒業した専門学校で精神科病院に就職した卒業生は、わたしが第一号でした。とはいえ病院なので、看護補助者としての勤務です。環境整備(掃除)や食事・排泄・入浴の介助が、主な仕事内容でした。
ですが、わたしはレクリエーションばかりに力を入れていたので、当時の看護師に「いらないことをしなくていい」と、よく叱られていました。ですが、患者さんたちが「まあまあ、そんなに怒らなくても」「楽しいから、してくれた方がいいよ」と、わたしをかばってくれていました。
精神科の患者さんと出会ったのも、わたしが働き出してからですが、みなさん優しい方ばかりです。そして、生きづらさを抱えている方ばかりです。
「わたしに何ができるのだろう?」と、よく考えていました。
あるとき、先輩から「(わたしは)優しさだけで仕事しているよね」と言われました。まさしく、その通りでした。精神科の疾患や治療内容のことをまったく勉強しないで、レクリエーションしかできなかったわたしには、その先輩の言葉は痛いほど、よくわかっていました。
その頃から、患者さんたちに何かをするには、精神科治療の知識と技術が必要だと思い始め、独学は自信がなかったので、看護師の学校に入学しました。
・・と、わたしが看護師になった理由を思い起こして書いてみましたが、初心を思い出すこともできました。初心を活力として、明日も頑張ります。