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【命の選択…トリアージがはじまった日常の医療】

【不急の入院・手術の延期を要請】

誰かのために…頑張るあなたのサポーター🍀
医療コミュニケーターの
藤咲里花です 🌸


新型コロナウイルスの新規感染者が増え続け
医療現場の、ひっ迫の度合いが増している地域もありますが

私が最近、とっても気になったことは…


大阪府 吉村知事の発言と
その表現の意味することについてです。


とても大切なことなので
是非、最後までご覧になっていただきたいと思い綴ります。


「命に別状のない、急ぎではない入院・手術については
一時的に延期をお願いして

緊急対応的に重症病床を増やしていただきたい」


私は、このメッセージに
2つの理由で愕然としました


ひとつは
「命に別状のない…」

おそらく、吉村知事としては
「死…につながらない」
「生死にかかわらない」
という意味でおっしゃったのかもしれませんし

そんなに深く考えての発言ではないのかもしれませんが
(直接、伺っていないので勝手な解釈です…)


私としては、そもそも
医療の現場において

「命に別状はない」という表現は
適切ではない

あらゆる意味からそう考えているので
とても不快に感じました


そして
行政の立場からの発言とはいえ

入院・手術を控えている患者さんに対し
あまりに配慮のなさを感じて悲しかったです…


今を必死に耐えて
入院・手術の順番を待っている患者さんもいらっしゃれば

その状況を、不安と共に見守っているご家族もいらっしゃいます


入院・手術に対する不安
体調そのものの不安

生活の不安
術後の不安
退院後の不安

良くなるだろうか…
大丈夫なのか…


入院できるまで、何とかがんばろう!
手術したら楽になれる…それまでは何とか耐えよう…


もちろん、患者さんそれぞれですが
いろいろと複雑な想いと共に
入院・手術の順番を待っているのではないでしょうか


そもそも、当事者である患者さんにとっては
急ぎではない入院・手術なんてありません…

1日も早く快復できることを願っていますし
順番・予定を待つこと自体
患者にとっては負担となることです


吉村知事もお疲れから
お気持ちにゆとりがない状況かもしれませんね…
知事のおっしゃった意図は理解できますが

もっと深く考えて言葉を選んでいただけたなら…
私はそう思いました


そして、患者さんへ予定延期のお願いをするときは
入院・手術までの間
その患者さん一人ひとりのケアを
医療機関に対し、お願いしていただけるとありがたいですね

救急車


愕然としたもう一つの理由は…

命の優先順位
トリアージについてです


もしも…あなたの命の選択を
自分では決めることができない…
としたら、あなたはどう想いますか?


「あなたの命より、隣の人の命が優先です」

「あなたのご家族より、こちらの方が優先です」

そんな状況に、あなたは納得できますか?


納得ができる、できないは関係なく
一部の地域では、そのような事態がおきています
(あえて、上記のような表現をしています…私は言われたことがありますが💦)


今をどのように過ごすのか…
その過ごし方によっては
あなたの身近で、同じようなことが起きるかもしれません


そのような事態だということをふまえて
今一度、毎日の過ごし方について向き合って考えることが
大切ではないでしょうか

トリアージタッグ


実は、入院・手術延期の検討については
すでに1年前から、厚労省より都道府県に通知され
医療機関でもアナウンスされています

《厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部》



特に今年に入ってからは

医療提供体制がひっ迫する極めて厳しい状況
医療提供体制が機能不全に陥るおそれのある状況


表現は様々ですが


医師が延期できると判断した
入院・手術の延期のお願い…
として

該当する医療機関では
提示されています


新型コロナウイルスに感染した患者さん
重症の患者さんが急激に増え続け

ベッドの確保が必要ということで

その他の疾患の患者さんに影響が及んでいるということは
すでに命のトリアージは行われているわけです


患者自身の苦痛・辛さの基準ではなく
決められた基準で、医師の判断により
自分の命が選別される…という意味合いでは

日常の医療も同じですが


新型コロナウイルスの患者さんといっても
基準があり
軽症なのか、中等症なのか、重症なのかによって
治療の環境の違い、優先順位がある現実を
あなたは、どのように捉えていらっしゃいますか?

軽症で入院できたから安心…とは限らず
軽症・中等症の患者さんを受け入れている病院に入院中
症状が重症化することもあれば

重症の患者さんを受け入れている病院に転院したくても
新たな重症患者を受け入れることができない現状があり
転院できない…ということが実際に起きています

その場合、どうなると思いますか?


「うちでは対応できないから…」と
放置されることはないとしても


その軽症・中等症対応の病院で
出来る限りの体制を整える必要が生じます

そう…出来る限りの対応です


軽症・中等症を受け入れている病院もあれば
重症の患者さんも受け入れている病院があるのは
それぞれの医療機関の体制をはじめとする
事情があるわけです


ですから
軽症・中等症の受け入れ医療機関において
重症の患者さんを引き続き診る為には
スタッフの増員が必要ですし

体制を整えるといっても
限界があるのではないでしょうか…

重症の患者さんはもちろん
新型コロナウイルスの患者さんが増え続けると
その治療にあたる医療機関では

さらにベッド数を増やす必要があり
ますます一般の患者さんは
入院・手術の延期…ということが懸念されます


何より現状で、ひっ迫している地域だけではなく
それ以外の地域の医療にも影響が及ぶことになるかもしれません

ひっ迫が深刻化している地域では
近隣の県への応援も依頼しているようですが

このまま患者さんが増え続けると
広域での対応も検討されるのではないでしょうか


「うちの地域は、新型コロナウイルスの患者数は少ないから大丈夫…」

もうそんなことは言っていられないかもしれません

患者さんの入院・転院の応援ばかりではなく
ひっ迫した医療機関へ、医療従事者の派遣…
そんなことになったら
今は大丈夫な地域の医療も、十分な体制ではなくなるわけです


医療者が疲弊した状態では
集中力が下がったり、ミスにつながることもあるでしょうから
医療従事者の方のケアも大事ですね🍀


すでに…
救命困難と判断された命は、あきらめなくてはならない…
そのような現実もあり


助かる命が助けられない…

そのような悲しいことは
おきてほしくはないですし


ご自分の命はもちろん
あなたの大切な方々の命の順番が後回しになったり
積極的治療を諦めなくてはならない…
そんなことは嫌じゃないですか?


新型コロナウイルス感染についての向き合い方は
個人差もあれば、地域差もあるようですが

現状ひっ迫している地域、それ以外の地域にかかわらず
わたしたち一人ひとりが今一度
もっと真剣に向き合う必要があるのではないでしょうか


自分の身におきてから気づいても遅い…
それが命です

わたしたち一人ひとりが
今一度、新型コロナウイルス感染の課題に向き合い

感染対策を十分に行いながら
自分の命、誰かの命を想い
毎日を過ごすことが大切なのではないでしょうか

その肝心な感染対策…
自分では気づかないうちに
危険な行動が習慣となっている方も、チラホラ見うけられます…
そこで次回は、感染対策について綴りたいと思います


今回は、とても長くなりましたが
最後までご覧になっていただき
ありがとうございます♪

寒暖差のある時期です…
どうぞご自愛くださいね🍀


いまだ新しいUPには至っていませんが
是非お聴きいただけると嬉しいです♪

『誰かのために…頑張るあなたの処方箋』



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藤咲 里花*医療コミュニケーター
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