【読書おすすめ】野心のすすめ(林真理子)
今月、エンジン01@有田で林真理子氏の講座をとりました。林氏ファンのお友だちからおすすめされて読んだ一冊。
野心というとギラギラとして、ともすれば品性のない、ネガティブな印象を持ちかねない言葉です。でもここで林氏が言及しているのは、目標を掲げて、自分の力で人生を前に進めていくための、健全な野心。
身のほどを知ることも大切、でもちょっとでもいいから、身の程よりも上を目指してみる。そうして初めて選択肢が増え、人生が上に広がっていく。
そうして動けば無理をする、ぼろが露呈する、実力不足に唇を噛む。矢面に立って叩かれる。しかし屈辱感こそ野心の入り口。二流三流同士でつるまない、傷をなめあっても先がない。
特に私がなるほどと唸ったのは「止まっている 不幸よりも走っている不幸」という表現でした。
出口がなくて暗く沈んでいるだけで、モヤモヤしながら愚痴ってるよりも、たとえ失敗したとしても挑戦して、欲しいもののために必死でもがいている不幸をとる。同じ阿呆なら踊らにゃソンソン、行動して笑われる方をとる。
辛い 試練だって待っているかもしれないけれど 、野心という山を登ろうとする心の持ちようで、人生は必ず大きく変わってくる。
そうだった。ひとつ山をのぼり、ひとつ岩のてっぺんに立つと、違う光景が見える。私はずっと、努力して、そこに立たないと見えない風景が好きでした。その、前しか向いていない頃の心持を忘れていました。
こんなふうになれたらいいなという野心・野望があるのだから、人生きっとこんなもんだろうと「足るを知る」ような、分かったような言い訳をしないで前を向こう。きっとその先に、そこに達したからこその風景が見えてくる。今抱いている「野心」を、若いころの林氏に後押ししてもらえた気持ちになれました。