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【読書おすすめ】「お迎え」されて人は逝く(奥野滋子)

著者は麻酔医の専門から、今は臨床と教育の両面で緩和ケアに関わっているそうです。飾らない誠実な文章に惹かれて2冊目読んでみました。
筆者は終末期の患者さんの、体と心両面と、がっぷり4つで向かい合います。こういう、現場で奮闘される方にしか書けない文章を読めるのは貴重です。
この本は2015年の発行ですが、つい先頃まで「死は医療の敗北」「緩和ケアは医療ではない」「宗教学は非科学的」等の考え方が優勢だったのでしょう(おそらくは、今でも)。でもこれから日本全体が高齢化して、自宅介護が推奨されていく以上、自分なりの死生観を育てていきたいと私は感じます。
運命思考上位だからかもしれませんが(笑)
自分も、父が亡くなるときに夢枕は経験したし
先日も80代のお友達が、三途の川のほとりから帰ってきてくれて、おかえりと手を握ったばかりです(^^)その時のお話もなかなかに臨場感がありました。

筆者はあとがきで、いろんな死生観があっていいしいろんな最期があっていいことを、包み込むような筆致で締めくくっています。これまで私はこういう本に手を伸ばすことができなかったですが、50代半ばになっての心境の変化を、面白くメタ認知しているところです。


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