商業出版する方法#31〜類書が少ないジャンルやテーマで出版企画を考えるのは「リスクが高い」。
ビジネス・実用書出版プロデューサーの渡邉です。
先だって、知り合いの経営者の人と話をしていたんですが、
「◯◯というテーマで本の企画を考えている。あんまりそういう本が出ていないので、いいんじゃないかって思うんですけど・・・」
この発言で、私は「ピン」ときました。というのは、「あんまり本が出ていない」という言葉。これいわゆる「類書が出ていない」「類書が少ない」ということです。
類書というのは、いろんな定義がありますが、私個人的には「競合書」であり「メンター書」と定義づけています。
本も商品なので、「競合」的な本がたくさん出ています。”マーケティング”、というジャンルやテーマ一つとっても、いーーーっぱい!本がありますよね。あなたが”マーケティング”で何か本を書きたい・出したいなあ、と思うのであれば、たくさん本屋で並んでいる本はほぼ全て「類書」であり、それらは「競合書」です。
「メンター」という言い方をしたのは、ビジネス・実用書は非常にユニークなビジネス形態でして、売れた本をメンター的にみて、参考にしながら次の商品を作る・ということをよくやります。
これって、よくいえば「メンター」ですが、悪くいえば「二番煎じ」「コバンザメ」商法といってもいいかもしれませんね。
でも、これまた面白いことに、ビジネス・実用書の市場(読者)は、そういった本でも、切り口が違うこともあってか「購入して」いきます。要は、二番煎じだろうが、コバンザメだろうが、結果として本が売れていってしまうので、よく売れた本の作り方や編集方針を参考にして本作りしていくのです。
本題に入りますが、ビジネス・実用書の出版の世界では「類書」を極めて重視します。
類書調査こそが、出版マーケの基本です。
で、この類書が多いジャンルほどいわゆる「レッドオーシャン」市場です。
類書が5冊もない!ジャンルは「ブルーオーシャン」市場です。
本の場合も他のビジネスと同様、基本「レッドオーシャン」狙いでいくのが大事です。ブルーオーシャンを狙うのは・・・ぶっちゃけ得策ではありません。
近代において、出版業界は100年続いてきて、1日300冊の本が出ている中で、なぜ「5冊も本が出ていないのか」を考えていただきたいです。
要は「思っている割に市場性がない」という現れなのです。
だからあなたが考えている出版企画のジャンルやテーマで、似たような本が5冊も出ていない、、というのは、ちょっとその企画を考えるのは果たしていいのかどうなのか。
疑問を持っていただくといいでしょう。
意外に「いーっぱい本が出てるじゃないですか!」ってジャンルやテーマの方が新刊が出しやすかったりします(^^
切り口変えればいいだけなので。
なお、ブルーオーシャンで勝負したい!というのであれば、大事なのがあなたの「実績」です。
実績の高さを客観的に証明いただける情報を企画書に盛り込んでもらえたら、出版社側も納得してもらいやすいでしょう。
何か参考になれば幸いです。
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