ミスiD2022が終わった
自分の大学のミスコンが誰になったかということでさえ、4年間興味がなかった。
そんな人間が、ミスiDというオーディションを受けた。
高校生の時から、気がつけばミスiDを知っていた。
好きだな、と思う人やその近辺の人からよくその名前を聞いていたからだろう。
YouTubeでオーディションの動画を見たり、毎年どの子がグランプリになったのかな、とチェックしていた。
長年私にとってミスiDは、テレビの向こう側に近いような、好きだけど遠い存在だった。
SNSに顔も出せなかったような卑屈な私が、その向こう側に行くとは微塵も思わなかった。
ただの歌が好きな卑屈な少女が、死にぞこなって、全部吹っ切れてアイドルを始めて、
その勢いで書類を応募した
2次に通ったらラッキー、ファイナルなんて行けちゃったら万々歳!とか言いながら少しずつミスiDが身近になって、少しずつ自分の中に欲が湧いてくるのを感じた。
半年間は長いはずなのに、ファイナルに来るまでは夢の中をかっ飛ばしているような、時間軸を超えた不思議な感覚だった。
2月21日、講談社
大事な日はツインテールと決めていた。
自分を鼓舞してくれる、大好きなヴィヴィアン・ウエストウッドを全身に纏って、ファイナリストが集まる卒業式に足を運んだ。
向かう途中、心が高ぶりすぎたのか、駅の階段で躓いて転んでしまい、結構な怪我をしたが、持ち前の気高いマインドで気にせず歩いた。
Twitterで見てた子が沢山いる、、と
絵本の中に迷い込んでしまったような、どこか他人事な感覚でいた。
1人ずつ、1人ずつ、
賞と、名前が呼ばれる
あ、この子知ってる!
あー、わかる!この頃取ると思ってた〜
わー、話した子だ、おめでとう嬉しいな〜
こんな第三者的な目線で壇の上を見つめていた。
私の名前が呼ばれることはなかった。
正直、グランプリなんかは鼻から狙っていなかったが、
ひとつだけ、これは私が欲しい、と思っていた賞があった
音楽に関する賞もあった
いずれの発表の時も少しのドキドキを感じてしまった自分が恥ずかしくなった。
Twitterにも書いたが、それはさながらはないちもんめのようであり、
一言も否定されていないのに、勝手に否定されたように感じてしまう、理不尽な思いだ。
正直、私は今までの生き方や危険な経験やバイセクシャルであることもろもろ、話したら見てもらえるかも、みたいなことはいくつもあったし、多分話すのが正解だったのだが、
変な意地なのか何なのか、自分のやりたいことが歌と音楽であるという想いから、敢えてそこを強調はしてなかった。
のに、その歌が、箸にも棒にも触れなかった。
卒業式中、
あ、もうやめよう、私の歌って実は大したことないのに勘違いしてたんだな
あんなかわいい子が歌上手いって褒められてるのに、ここにいることが恥ずかしい
早く帰ろ、会社員に戻ろう、明日から就活だ、
それしか思っていなかった。
式を終えてまっすぐ帰ろうとした頃には、行きにひねった足首が腫れ上がって、階段がつらかった。
もー、やんなっちゃあなあ〜
なんて強がっていたけど、少しずつ情けなさと悔しさで涙が込み上げてきた。
家についた途端、心と体両方への1日の疲れで、すぐに寝てしまった。
深夜に起き、ケータイを見た。
珍しいぐらい通知が来ていた。
インスタ、Twitter、LINE
どこからもたくさんのメッセージが届いていた。
後輩、先輩、友達、ファンの方
メッセージは様々だったが、
私が何にでも挑戦する姿を見て自分も頑張ろうと感じてくれていたということ、
生きづらい世の中だけど、こんな人がいるなら捨てたもんじゃないと思ってくれたということ、
ひとつひとつ、書ききれないほど素敵な言葉であった。
そうだ、私は、人を救うために歌っていたのだ。
自分が認められるとかどうとか、そんなとこじゃなかったのだ。
1人でも救えるなら、歌うしかない。
俄然やる気が出てきた。
数時間前の落ち込みは何だったのかというほどの感情のジェットコースター。いつも立ち直りが早くて呆れられる。
私が救うべき人たちに、私が救われてしまった。
貸しができてしまったから、もうやるだけやるしかない。
やれること全部やって美味しいもの全部食べてから死んでやろう。
私が選ばれなかったことは、決して無駄ではなく、(ファイナルに選んでもらっただけでもう最強ラッキー!なのだが)
選ばれなかった側の気持ちを知ることで、また1つ、報われない女の子たちの気持ちを自身の中に見つけ出すことができた。
コネも後ろ盾もない女の子をファイナルに選んでくれるほどしっかり見てくれる温かい大人がいるとを知れた
そして何の賞ももらえなかったけど、またその経験が私を強く気高くしてくれた
そして、挑戦し続ける素敵な女の子をたくさんこの目で見ることができた
この世界にきっと無駄なことなどない、それをしっかり歌っていこうと思う
だからその目で見ていて欲しい
報われない気持ちも全部抱きしめていきたい
ps わたしはどっちかというとリチウム賞だったのかもね!(これはわかる人だけ分かってくれればいい)
そして、これ以上は詮索をやめろとやばい大人に注意されるまで危ない橋を渡った話、やっぱりちょっと吉田豪さんに話したかったな、笑
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