私のお母さん
私のお母さんは変わらない
生まれてきたとき
いや、生まれてくる前のお腹の中にいるときから私のお母さんはこの人って決まってた
それは変えることのできない運命
そんなお母さんのことを私は嫌い
どうしてこんな親の子どもに生まれたんだろう
どうしてこんな家庭に生まれ育ったんだろう
苦しくて苦しくて毎日が憂鬱だった
それはもう小さい頃から
近所の友だちと遊んでいても帰りが遅い、そんなことはするな
遊びに行こうとしただけでまた遊んで、勉強しなさい
テストで100点以外のものを持ち帰ればどうしてできないの?なんで100点が取れないの?
何をしても怒られる
一方で何かして褒められることもない
小学生のあたしでも学んだ
怒られないために
自分を守るためにできること
嘘をつくこと
私の人生は嘘で固められていった
友だちと喧嘩しても
先生に怒られても
絶対に家では話さなかった
嘘に続いて隠し事も増えた
こうして私と親の関係はどんどん悪化
表面上は仲の良い親子かもしれないがほんとは違う
本当のことは話せない、悩みを聞いてもらえない、辛いときに頼れない存在
お母さんがお母さんでよかったと思うことももちろんある
私を育てるために学校が終わるのが早い日には仕事は休んでくれた
お父さんとうまくいかないときも私たちを一人前に育てるために離婚はしなかった
私が大学受験のときお金は惜しまず出してくれた
でも結局のところそれが過保護に繋がったのかもしれない
大学生になるとき私は迷わず一人暮らしをした
お母さんに監視される日々はもうごめんだった
お母さんがこんなに過保護で厳しくなければ私は過ちを犯さなかったはず
厳しいからこそ私は悪いことをするようになった
そのことに気づいてくれることは一生ないと思う
22歳になった今でもこの関係は変わらない
社会人になってなぜ実家に帰ったのか
内定をくれた会社がここだけだったから
だからもう戻るしかなかった
社会人だし少しは自由になれると思った
そのために1ヶ月くらいおとなしくしよう
そう思ってた矢先に事故
こうして私の自由はなくなった
大嫌いな実家に籠る毎日に変わった
どうしてお母さんがお母さんなんだろう
一生わからないと思う