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今にもこぼれそうな隣のテーブルのグラスを取りに行ってはいけない

フリーランスになって2年目に突入した。当たり前だけれど、組織や誰かが守ってくれるわけではない。自分の身は自分で守らなければならない。

しかし、まだ会社員時代の感覚が抜けきらず、「業務範囲外だけど、自分が気づいたし、できるからやっておこう。自分も助けてもらうことがあるかもしれないし。」と気を回して仕事をしてしまうことがある。

だが、そうした気遣いが単価アップにつながるわけではなく、むしろそれが当たり前になり、結果的に何のメリットも生まれないことに気づいた。

ジェーン・スーと堀井美香さんがやっているポッドキャスト番組"Over the Sun"でスーさんも言っていたけれど、まさに「今にもこぼれそうな隣のテーブルのグラスを取りに行っては行けない」のだ。

自分のテーブルのグラス(自分の業務範囲内)が落ちないように注意するのはもちろんだけれど、隣のテーブルのグラス(自分の業務範囲外)が落ちそうなら、親切心で「落ちそうですよ!」って声かけてあげるくらいはしても良いかもしれないけれど、先回りして、率先して落ちる前に隣のグラスを取ってあげても「ありがとうございます!」で終わるのがオチで、評価が上がる(受注単価が上がる)ということは、まぁないだろう。

ちょっと意地悪かもしれないけれど「そのままだとグラス落ちますよ!」って心のなかで思っていても、それを静観する胆力が必要だってスーさんが言っていたことが本当に腑に落ちるような出来事がフリーランスになってから幾度となく起きた。

自分は会社員時代に、隣のテーブルだろうが、遠くのテーブルだろうが、落ちそうなグラスがあれば、死にものぐるいで拾いに行って、誰にも気付かれずに、走り回っていたような会社員人生だった。そのおかげで疲弊して適応障害になり、心身ともにボロボロになった。
あとから振り返れば、もっと自己主張したり、見てみないふりをしたり、ずる賢く立ち回れれば良かったのかもしれないけれど、その当時の自分にはそれができなかったし、許されないと思っていた。

適応障害というものになり、それまでの生き方が強制終了され、ある意味良かったのかもしれない(そう思いたい)。
フリーランスになった今でも、会社員時代の「今にもこぼれそうな隣のテーブルのグラスを取りに行く」という染み付いた習慣を手放していくことが必要だと痛感する日々である。

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