一人称単数
久しぶりに村上春樹を読んだ。初めて読んだ村上作品は、高校生の頃に読んだ「海辺のカフカ」だ。現実と非現実が交わる不思議な物語にハマって一気に他の作品も読み漁った。大学生になってからも村上春樹は読み続け、結局初めて買った車も海辺のカフカの影響で選んだ。車はロードスター。図書館の人(名前忘れた)が安全運転するオプションはないみたいなかっこいいこと言って乗っていたのに憧れた。
そうやってずっと読み続けていたんだけど、やっぱり飽きはくるもので、あの主人公のやれやれ感、やれやれのくせに女にモテる、すぐセックスする、みたいなのに嫌気がさして、新作が出ても読まなくなっていた。
そんなんだったけど、タイトルに惹かれて一人称単数を買った。買ってからしばらく放置していたんだけど、最近読書熱が復活してきて、やれやれと本を開いてみた。
一人称単数は短編集で、物語だけじゃなくて、エッセイも収録されていた。そのエッセイが面白かった。神宮球場の話。人のモラルを守るため、ジャイアンツファンにはなれないという話。スポーツを好きだというのを知らなかったから、なんかちょっと親近感が湧いた。他のエッセイも読んでみたくなった。