嘘
恋人にnoteを読まれていた。noteを書いていることは隠していなかったがどのアカウントが自分だとか教えたことはなかったはずなのに、昨日の夜に彼と通話をしていたら突然私が以前noteに書いていた一部を口にされ自分の耳を疑った。
(…え?…私の聞き間違い?)
一瞬言葉に詰まった後に今なんて言ったのかと恐る恐る聞いてみると彼は当たり前のように『そうnoteに書いてあったよ』と答えたのだ。通話だから実際の表情がバレることはないけれども赤面していたと思う。彼はクスッと笑いながら『黒歴史…』と呟いた。歴史どころかナウなんだから黒歴史なんて甘いものではない。一応、万が一、のことは考えて投稿する内容はそれなりに気をつけてはいたものの本当に彼に読まれていたことを知るとこんなにも恥ずかしいものなのか。いやほんとに…恥ずかしい。
勢い余ってもう消そう、もう投稿するのやめよう…と呟いた私に対して『それならもう見るのを辞める、あくまで自分は本心が見たいだけだから自分に見られていることを知ったら思うように書けないでしょ』『それに消したところでまた新しいのを作るんだ、そうやってまた一つ言えないことが増えるんでしょう?』と彼は寂しそうに言った。痛いところを突かれ何も言い返せなくなる。つい数日前に彼のことをちゃんと見なくては、向き合わなくてはダメだと言い聞かせたばかりなのにまた私は逃げるのか…?
彼はもう見ないと言っていたけれども果たしてそれは本当なのだろうか。見ないフリをしているだけでこっそり読んでいるかもしれない。正直それならそれで構わないと今は思う。私は口下手なのでどうしても会話だと相手の顔色を伺ってしまうし、言いたいことが言えなくなってしまう。だから本当に彼がこのnoteに目を通さなくなったとしても私はどこかに本心を吐き出す場が必要だし、自分の気持ちを整理する意味でも投稿は続けようと思う。
良いことも、悪いことも、私目線で受け取ったことだから実際に相手が考えていたこととは多少ズレが生じるかもしれないけれど…これからもノンフィクションでお届けしますね。
それにしても、この頃彼が可愛くて仕方ないです。私がnoteに書いたことをこっそり読んではそれについて彼なりに考えて行動を改めているところだとか、嫌われない・捨てられないことを大前提に私のことを試したりだとか、それってそれだけ私のことを考えてくれているってことでしょう?そう思うとより一層彼が愛おしくて仕方ないです。どんな形であれ彼が私に夢中になってくれているのなら私のとった行動は正しかったということですよね。どちらが手のひらの上で転がされているんでしょう。
遠距離恋愛なんて初めは辛いことばかりだと思っていました。会いたい時に会えないし、どんなに辛くても寂しくても寄り添うことができない。でもだからこそ毎日の通話がとても大切な時間であり幸せ。顔が見えないからこそ声色や話し方ひとつ違えば相手の心の動きが視えるし、顔を合わせて話すよりも本心に近いことが話せる気もする。すぐに会える距離にいたら感じられない一緒にいる時間のありがたみとか、離れているからこそ独りになって相手のことをより深く考える時間が増えたりだとか。今どこで何をして何を考えているのかわからない不安もマンネリに刺激を与えてくれるスパイスだと思えば可愛いものだし、そんな不安も嫉妬も好きだからこそのものであり、恋愛においての醍醐味ではないだろうか。
だから大丈夫、あなたが思っているよりも私は彼のことが大好きだし、それと同じように私が思っている以上に彼が私を大好きでいてくれたならばそれはとても幸せなことだと思います。