老後はロボットと暮らしたい
通院日。待合室のイスに座っていると、なにやら動いてスススーっと近くにやってきた。
ロボットだった。
ファミレスでよくみるようなロボットの半分いや、もっと小さい。座っているベンチの高さくらい。動物の顔がついている。目が表示されていてなんともかわいらしい。
器用にベンチの間をすり抜けて患者の近くに行き、止まって、ついてる目をぱちくりさせて、また移動していく。
きゃ、きゃわーーーーー!(かわいい)
頭の上にカメラがついていて、「え…これ院長が誰が来てるか見てるんじゃ…」と邪推したけれど、どうやら癒しで置かれているらしい(患者さんと看護士さんの会話を盗み聴き)。
新しく来た患者さんも、驚きながらロボットの動きを目で追って、思わず笑っている。高齢の方なんて孫を見る目だった笑 しまいには撫でられていた。
自動的に充電装置に向かって行き充電モードになると、表示されている目が閉じる。おばあさんが「あら〜寝た〜」って言っていた。
ほんとに、待合室全体がほんわかと癒されていた。ぶっちゃけ、いつもは待ち時間が長すぎて空気はトゲトゲしている。
歩いている人も自然とよけながら、最初は驚きつつもやさしい眼差しをむける。
よく施設とかでそういうワンちゃんがいると聞くけれど、やっぱ動物苦手な人や衛生的なことや、いろいろとありそうだ。
もしかしてこれが未来の癒しケア的なものの姿なのかもしれない、と1人で考えていた。
老後、ああいうロボットが普及して相手してほしいと思った。一家に一ロボット。
歳をとって、いやな思いはごめんだから究極に甘やかす優しい言葉を毎日ロボットにかけてほしい。(なぜか夫より長生きしてわたしが1人でいる設定。)
家で倒れたときにロボットが助けてくれたり、「全財産はこのロボットに…」とか言い残し、人間とロボットの争い勃発とか。裁判をしたらおそらくロボットはわたしの言葉を録音しているから勝つな…とか。
考えているうちに、診察に呼ばれた。
おわり
うる覚えのひどいイラスト↓
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