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ACT:SWEET MIRAGE、解釈と感想

こんにちは!先日、TXTのコンサート、ACT:SWEET MIRAGEの日本公演に参加してきました~。
すっごく面白かったです!なぜなら、構成とセトリ、VCRをTXTの描いている物語に照らし合わせていくことができるようになっていた(と感じた)から。
いきなりお気持ちですみませんなんですけど、いわゆるTXTの考察案件(+Uと呼ばれるもの)、ちょっと色々思うところがあって距離を置いていたんです、最近。だけれど、今回のコンサートで示してくれたメッセージから、私は彼らが伝えようとしているメッセージには大筋Agreeだな、と思うことができたので、こうしてnoteを書き始めたと…。

きょうは、わたしなりのSWEET MIRAGEの解釈をまとめて行きたいと思いますが、いくつか注釈(?)があります。
まず、マンガ・ノベルで展開している星を追う少年たち(The Star Seekers、以下星追い)のネタバレめっちゃします。見たくない人は読まないでくださいw
ちなみに、しばらく非公開にしていた()ちょうど1年前くらいに星を追う少年たちの紹介をした記事も再公開していますので、参考まで…。(ただし、特に1年前時点から改定はしていないので、すでに矛盾していることとかもあります。悪しからず)

また、これはあくまで私の「解釈・感想」です。それぞれの楽曲の歌詞とかもざっくりとしか把握してないし、正直まったく内容知らない歌もあります。さらに、VCRと星追いの突合せとかも特にしていないので笑、間違い・矛盾いっぱいあると思いますので、いわゆる考察やもっと正解に近いものを知りたい人は他の方のものを読まれた方が良いと思います。

さて、いい加減前置きが長いですね。本題に入りたいと思います。

0.+Uの世界線の前提のおさらい

TXTはデビュー時からいわゆる+U(TXT Universe)と呼ばれる世界を描いています。対象コンテンツにはきちんと+Uクレジットもついていますね。(The Nap of Star、Magic Island、Eternally、Frost、The Doom's Night、そして星追い関連)
+ Uに限らずですが、TXTの描く物語のテーマは「異なる他人と出会うこと」「そしてそれを通じた少年の成長」というのも同時に示されているかと思います。
タイトル曲等も含めたこれまでの流れをめちゃくちゃ雑にまとめると
個性の芽生えと成長痛(ツノが生える)→ツノを受け入れられず逃げる→一緒に逃げる仲間がいてよかった(個性は違うが同じ悩み)→現実に引き戻される(コロナ)→初めての恋と挫折→再度逃げる(現実逃避の誘惑)
って感じと思いますね、はい。
因みに(?)このあたりに関連しては以下の記事も以前書いてますので、気が向いたら読んでください。どっちも気に入っているので読んでもらえると喜びます。

1.SWEET MIRAGEにおける星追い

TXTが描いている世界の一つに星を追う少年たちの世界があります。これはそれぞれ本名とは違う役名もついていて完全に別世界線ですが、描きたいことは同じかなっていうか、モチーフの重なりも多くて、+U関連のMVたちやコンサートVCRの解説の意味も果たしている感じです。

今回のSWEET MIRAGEも、初日(ソウルコン)前に公開されたコンサートPreviewに「ブラックウォーター」「ドラゴンピーク」等の文言があり、コンサートでは星追いの物語を展開するよ!と宣言されています

なので、コンサートの構成の解釈に入る前に、知っていてほしい事項を先に書いておきます。ザクっと書くので気になった人は頑張って星追い読んでください。マンガもノベルも毎日1話ずつならLINEマンガで無料で読めます。最初はおもんないけど(小声)だんだん面白くなってきますんで…。

①あらすじ

星追いの世界は、10年前の地震的なもので魔法が発生した世界です。でも全員が魔法を使えるわけではなく、一部の「選ばれし人間」だけが魔法を使っています。また、魔法には対価=因果律が伴います。
で、主人公のStar Oneという5人組アイドルグループはもともと魔法が使えなくて人気もなかったですが、とある事件をきっかけに魔法が使えるようになり、一躍人気者に祭り上げられます。
それによって彼らが「運命の少年たち」であると一部の人たちが気が付き、かれらに近寄ってきます。彼らに友好的な「竜の一族」と彼らを攻撃する「滅竜道家」です。
滅竜道家の攻撃を受けるうちに、もっと強くなって自分たちやファンを守らなければ!と感じたStar Oneは、竜の一族の拠点であるドラゴンピークで魔法の訓練を受けていますが…。

②竜の一族と滅竜道家

竜の一族と滅竜道家は、前者は「終末の竜」を復活させるという、後者は滅亡させるという相反する目的を持っています。なので、竜の一族はStar Oneを利用しようとしているし、滅竜道家は殺そうとする。
終末の竜を復活させるとどうなるのか?については、真実は今は明らかにされていません。誰もStar Oneに本当のことを話していない、というのがポイントかと思います。
ただし、目の前の状況としては、利用だろうとなんだろうと大事にしてくれる竜の一族の方がStar Oneの味方ではあるので、Star Oneくんは今竜の一族側にいる(だんだん疑ってきてはいるけど)という感じ。

③黒い水とポーション

黒い水とは、魔法と同時にこの世界に生まれたエネルギー源のようなもの。ただし、いいことばかりではなく魔法を使えない人間にはひどい副作用があったり、使いすぎると感情が薄れていったりする。のでこの世界には戦争も多いらしい。
魔法による因果律を薄めたり疲労回復の効果があるポーションと呼ばれる飲み物も黒い水が元(ただし癒しの力を持つビケン=ボムギュが作ったものはそうではない)。飲みすぎるとポーション中毒になったり性格が攻撃的になったりするっぽい。
魔法の力を強める作用があるので、終末の竜をめぐる戦いを控えた竜の一族、滅竜道家はともに黒い水を狙っていて、それで起きた戦い(Star Oneの活躍で竜の一族が勝利した)がたぶんVCRで言及されているロンドンのブラックウォーターの戦い。

④憑依魔法(とネコ)

強くなりたいと願うStar One、ドラゴンピークでの訓練の中で、「憑依魔法」というものに手を出します。それぞれの前世?属性?みたいなものを憑依させる魔法で、姿が変わってしまう(ヨンジュンツノ、ボムギュ肩のトゲトゲ…みたいないつものアレ)。
さらにめちゃくちゃ苦痛を伴うっぽいし、使った後攻撃的になる。
以前オッドアイのネコ(いつものアイツ)と契約しているユジン=ヨンジュンは特にその傾向がひどくて、最近公開された話では何かを攻撃したい欲が収まらず木をなぎ倒しまくったり、完全に「ツノの生えた怪物」化しています。メンバーも止められなくて困っているという。

⑤サイコロと少女

星追いの中では、ソル=スビンの持つサイコロ(色んなMVに出てくるアレ)に導かれて色々な世界を旅していく場面があります。そしてその旅を通じて前提を疑い、色んな気づきを得ていくStar One。また、サイコロはよくでてくる練習室の幽霊ちゃん(≒ゼロバイの少女)の分身であるっぽいですが、ピンチの時にサイコロだったり少女だったりがStar Oneにヒントをくれたりもします。
さらにさらに、サイコロが放っているのは「ミント色の光」です。このことから、サイコロ≒少女≒MOAと言って良いのだと思います。そして、皆さん覚えているでしょうか?EternallyやThe Doom's Nightの中で少女は幾度も「わたしの名前を覚えていて」と言っているんですね……。

2.SWEET MIRAGEの解釈

さて、前提の説明が長すぎですが、これらを踏まえて、SWEET MIRAGEを振り返っていこうと思います

<Section 1.英雄の旅路(The Hero's Journey)>

コンサート冒頭のVCRですね。ブラックウォーターの戦いで勝利し、「英雄」となったStar Oneが、竜の一族から勲章を授かりにドラゴンピークにやってきます。
この時点でのStar Oneは、まだ竜の一族を疑っていないというか、「物事の片面しか知らず、そちら側で祭り上げられている」という状況を示しているかと思います。

このセクションの最初に歌われる、コンサートの始まりを告げるのは553ですが、553で始まるコンサートとてもすてきだな、と思いました。これは物語云々っていうより、SWEET MIRAGE全体のテーマ(ひと時の楽しみ)だったり、会場のファンにとってのコンサートの位置づけを示しているような気がします。異世界への誘いというか。

その続くのが、ただ怪物をいかしておいたらダメなのかな?、DRAMA、No Rulesですが、きっと「英雄」であることへの疑いの芽生えを表しているんでは、と思いました。平凡な脇役である選択肢もあるよね、という与えられた運命・前提への疑い

その後、ヒュニンカイのソロダンスに導かれ、TXTは「No.17」と書かれた列車に乗り込みます。No.17はそうですね、EternallyのMVに出てきた部屋の番号です。星追いの中でもかなり鍵を握る数字です。ここでちゃんと説明しだすとややこしいので気になる人は読んでください(オイ)。
この後に続くのが、943、We Lost The Summer、CYSM?です。ここは、与えられた運命による戦いから逃げ出そうとするも、行っても行っても世界の方が揺らいでしまうみたいなことを表したいのかなあ、とか思いました。

<Section 2.甘い蜃気楼(Sweet Mirage)>

ここで入るVCRで描かれるのは、戦いに疲れ切って誘惑にあうStar One。誘惑として示された緑と青の砂糖の入ったコーヒーを、ヨンジュンは飲んだのか?どうなのか!?みたいな。
そして、現れたシンクホールの先の例の少女の手を取って、シンクホールの中に入っていくStar One。

このVCR終わりにイントロ省略して間髪入れず0X1の「I Know I Love You」というテヒョンのシャウトがくるの超痺れました。甘い蜃気楼、誘惑って休息という意味では決して悪いことではないと思っているんですけど、それをStar Oneに与えるのはやっぱり少女=MOAなんですよ。そこでI Know I Love You。クゥ、0X1のこと絶望の歌として解釈するのが好きでしたが、これは希望の歌なんですね、了解となりました…。
その後、L=L、Dear Sputonik、Magicと続いて、君という希望に導かれて心が安らいでいく様子が描かれているように思います。幸せな蜃気楼。

この後もう一回VCRが入ります。ドラゴンの襲来みたいな。
その後、マンネズ、スギュのユニットダンス、ヨンジュンのソロダンスが続きますが、ユニットダンス2組については鏡のイメージだろうなと思いました。TXTには鏡合わせ、反転みたいなモチーフが多いので…(たぶん後述します)。星追いの中で力を求めるあまり孤立して行っているヨンジュンがソロダンスなのも納得ですね。
その後に来るのはOpening Sequenceです。「君と僕が終わった瞬間から映画が始まる」みたいな歌詞の通りだと思います。君との別れをきっかけに、甘い蜃気楼は消え去り、再度現実へ。

<Section 3.終末の影(The Doom's Shadow)>

Temptationででてきた曲がりくねった道の絵の前に青と緑のポーション、ヨンジュンの手に黒い水って感じ?。全体の流れはうろ覚えなんですけど(オイ)、一番印象に残ったのは、5人それぞれの顔がアップになるところ。光の当たり加減で表情が変わって見えるシーンですね。
先ほどチラリと書きましたが、TXTのコンテンツはとても反転・鏡合わせの概念が多いです。あとは怪物~なんてドンピシャですけど、世の中の前提をまずは疑おう、みたいな歌も多いように感じます。これはTXTの示すメッセージが「どんな人も複数の面をもつ」「善悪は割り切れない」「悪いことも見方を変えてプラスにとらえよう」みたいなことだからだと思います。なので、このシーンもドンピシャなんですよね。星追いの文脈であえて読むなら、竜の一族と滅竜道家どちらにつくのか?(どっちにつかなくても、あるいは両方の味方を使い分けてもいいよね)みたいなことだと思います。(ちなみにですが、星追いはマンガとノベルの関係性も鏡合わせみたいになっていて面白いです)

実際に、このセクションで歌われる歌は、Good Boy Gone Badだったり、Angel or Devilだったり、一人の中の相反する面を歌っている曲なのはとてもわかりやすい!と膝を打ちました。Tinnitusも、与えられた運命だけじゃないよね?という歌で、いい子、天使みたいな与えられた役割を果たさなきゃ!みたいな気持ちからの脱却を示してくれて、TXT
って現代っぽいんだよな!と改めて思ったセクション。
さらにさらに、Ice Cream(小悪行)とHappy Foolsがセットで歌われているのが大好きでした。誰もがもつ小さな悪意と後悔、怠けの心を糾弾するんではなく、選択の問題だよね?と許容してくれるの、本当~にやさしいよ~~。完璧な善人も完璧な悪人もいないのです。
そして本編最後にSugar Rush Rideが歌われ、TXTはMOAに名前を呼ばれる(たぶんどの曲よりも大きい掛け声)ことにより「あの星」を見ます。

<Section 4.夢を思い出す(Recollecting A Dream)>

本編終わりのVCR。水の中でもがくスビン、何かが間違っていると気が付く。
ここでいう夢という言葉、色んな読み方ができますね。星追いの文脈で言えば、ソル=スビンは予知夢を見る設定なので、その夢を思い出したから、現在の過ち(竜の一族につき英雄とされてしまっていること等)に気が付いたということでしょう。
さらに、星追いの中では、戦いに疲れたStar Oneは、当初の魔法の訓練の目的(ファンを危ない目に遭わせない、アイドル活動を続ける)を忘れつつあります。訓練の邪魔になるアイドル活動が面倒になっている。
そんな中、ファンに名前を呼ばれたことにより、「あの星」を見たStar One=TXTは、アイドルとしてやっていきたいという当初の夢を思い出したのだ、と私は解釈しました。

その後、アンコールに向けて再度MOAがTXTの名前を呼びます。

アンコールで出てきたTXTが最初に歌うのがFarewell Neverlandです。ついに幻想に別れを告げ、現実に戻る。
この曲の中でも、その後のVCRでも幾度となく、「下に落ちる」「Free Falling」という言葉が強調されます。Free Fallingと言えば、星追いのOSTとして公開された楽曲のタイトルでもあります

この曲の中で、Falling=墜落という言葉は羽ばたきと同義で使われています。そう、MOAに名前を呼ばれることで、TXTは墜落を恐れない、羽ばたきと変換させる勇気を持つことができたわけですね。ちょっとこの先の展開を先取りますが、デビュー曲Crownでも、僕のツノをCrownに変えたのは、僕とは違う=君の存在なわけです。他人に受け入れてもらうことで、ポジティブな読み替えができるようになる、という…。その読み替えによって、TXT≒Star Oneは英雄という与えられてしまった重荷から、普通の少年に降りてくることができるんじゃないか、と思います。戦わなくてもよくなるっていうか。

VCRの中で、「約束は薄れてもなくなることはない」みたいな文言もありますが、この約束はTXTのコンテンツにでてくる「星の約束」でしょう。星の約束ってなんだよ!ってのはあんまり明らかになっていないけど笑、昨年のACT:LOVESICKで毎回「僕たち互いの星になりましょう」と言っていたことを思い出すとMOAとの約束って言っていいんじゃないかな~。スローガンにも多い「ずっと一緒にいよう」みたいな約束のことだと思う。
で、これをどう守っていくか?というと、「守れるよ、星の歌を歌えれば」なわけです。星の歌とは?というと、星=MOAの読み替えと、VCR上の文字の色使いからしても、Blue Springと言って良いと思うんです。で、実際に観客はBlue Springを歌う。
Blue Springの歌詞の中にも「ツノをCrownに変えてくれた君」的な歌詞があります。再度星追いのストーリーに照らすと、怪物になってしまったユジン=ヨンジュンをファンが受け入れることによって、丸く収まるんだろうな、と思っています。Star Oneは大切なことは何かを変える=対価を払って魔法を使えるようになることではないと気が付き、「具体的にはなにも変えてくれないけど、対価の要らない愛情=ファンとの絆」みたいなものを礎に魔法の使えないアイドルに戻っていくんだと思うんですよね~~。

3.まとめ

ガーっと書いて読みづらくってすみませんが、以上が私のSWEET MIRAGEの解釈でした。
全体の流れをまとめなおすと
対価を欲しないファンからの愛情を受けたStar One=TXTは、英雄であることを諦め、普通の少年に戻る
だと思っています。
普通の少年に戻っていい、と思えたのは、ツノを個性に、墜落を羽ばたきに読み替えたように、今持っているものをポジティブにとらえなおすことを学んだから。

こうやってファンの存在をストーリーに組み込んでる(しかも結構イイ役で!笑)TXTの物語、やっぱり優しくって素敵だな~と思います。
蓋を開けたら全然間違っているかもだけど、それはそれでイイ思い出になりそうです(?)
長くってすみませんが、読んでくださった方いたらありがとうございました~~

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