誰も傷つけず、かつ読んでもらえるライティングをしたい
こんにちは、現在シンガポール在住でゆるっとライターをしている平理沙子(@riiiii_moo)です。
もともと広報畑におり、2年前にシンガポールに引っ越してからは主にライター(フェムテック、ヘルスケア等)として活動しつつ、プレスリリースやウェブサイトのコンテンツ周りのディレクションなど、「書く」を主軸としつつ広報〜マーケに片足をつっこみつつ、みたいなことをやってます。
……と言えば聞こえは良いですが(いいのか?)、現在は体調第一でかなりスローペースな稼働なため、今年は圧倒的に「情報の受け手」として時間を過ごすことが多かったです(※つまりぼーっとしてた)
そうした中でいろいろなアウトプットに触れて気になったこと、そして過去の自分を振り返って「やっちまってたな……」と反省することを踏まえながら、最近ぼんやりと考えている表題「誰も傷つけず、かつ読んでもらえるライティングをしたい」について、書いてみたいと思います。
白黒つけられない世の中で、二者択一が迫られる風潮
コロナ禍を通して、世の中がより一層分断し、二者択一が迫られる風潮が加速しているように感じる昨今。
「命」に関わることだから、「コロナウイルス」それ自体はわかりやすいみんなの共通敵だから、より一層真剣に選択しなければならないし、自分が選んだ考えと違う人に対して攻撃的になってしまうことも、あるのかもしれない。
一方で、当たり前ではあるが世の中というものは白か黒かではない。特に、最近は多様性・ダイバーシティといった考えが広がって、白黒分けないグラデーションの世界の基盤は以前より整っているはず。
だからこその、ひずみかもしれない。今年もまた引き続き炎上案件を多く目にする一年だったように感じます。
そうした炎上案件は、文筆を通してアウトプットを生み出す者の端くれとして、切っても切り離せないもの。
話題になったそれぞれの炎上の案件の外野としては「なんでそんな配慮のないことを軽々しく言えるかな〜😠」と、それこそ軽々しく思ってしまうものの、
「炎上」とはいかないまでも、ライターとして何かを発信するなかで、自分のコンテンツで人を傷つけてしまうことや、心をザワつかせてしまうことに、全く無関係であることは難しいのではないか、そしてそれもある種「炎上」の一つなのではないか、と炎上案件に出会うたびに思ってしまうのです。
例えば
「自分の担当製品/サービスを推したいがゆえの、先行の製品やサービスを否定するような宣伝文」
「枕詞につい入れてしまう、決めつけの固定観念」
などなど。
少数派かもしれないけれど(これも決めつけかもしれないけれど)、否定された側や決めつけられた側はたとえ作り手に攻撃の意図がなかったとしても嫌な気持ちになるもの。
他にも、自分がまだ気づいていないところで、無知が故に他者を傷つけたり、不快にしてしまう言葉や表現を発信してしまっているかもしれない。
そうしたことを考えれば考えるほど、そして年を重ねていろんなことを経験すればするほど(というほどまだ人生経験も豊富ではないですが……あくまで当社比)何かを言い切ったり、簡潔に主張することのハードルがどんどん高くなって、表現が回りくどくなっているな〜というのが最近の悩みです。(このnote然り)
誰も傷つけず、かつ読んでもらえるライティングの理想形は
しかし、悩みもがきながらも私自身「発信したい」という欲求は元来強い方だし、仕事として「伝えなければいけない」ものもある。
そして、お仕事としてライター活動を行う以上、「誰も傷つけない」ばかりを気にして何もフックがなく記憶に残らないコンテンツを生み出しても仕方なく、読者の行動変容を目的としてコンテンツを作りたいし、作らなければならない。
では「読まれる」かつ「(できるだけ)誰も傷つけない・不快にさせない」を両立したコンテンツを生み出すには、どうしたらいいのか。自分なりに考えた3つを提示してみたいと思います(ドキドキ)
①マジックワードの創出
BRIDGEの平野さん(@kigoyama)がTwitterや、discordのコラムでよく書かれている、スタートアップPRの打ち手としての「マジックワード」。
例えば、「フリマアプリ」という言葉はラクマさんが最初に作られたそうですが、その6文字でサービス概要がすっと入ってくるうえに(説明コストゼロ)、そのアプリを使ってどう行動するのかまでを想起させる魔法の言葉です。
「フリマアプリ」のような適切なマジックワードを生み出すことができるなら、他社や先行者を否定したり、過度な枕詞で修飾して誤解を生んだりすることなく、直球でわかりやすく、行動を変容できるアウトプットが生み出せるはず。「誰も傷つけず、かつ読んでもらえるコンテンツ」にとって、最もシンプルかつ最強のアイテムだなと実感しました。
マジックワードを生み出すのは一筋縄ではいかないものですが、SNSで目を引きそうなバズワードや派手な言葉に惑わされず、自社や自分の信念にまっすぐ向き合うことがスタート地点なんだろうなと考えさせられます。
②寄り添いスタンス
具体的に、誰も傷つけない(むしろ励まし、行動変容を促してる)のに読んでもらえるコンテンツの代表格といえば、「しいたけ占い」が挙がるんじゃないかなと思っています。
▲2023年上半期、出ましたね🔮
ただ、しいたけ占いを読んでる方にはわかってもらえると思うのですが、しいたけさんの言葉選びって結構毒もあると思うんですよね。(ですよね?)
でも、それをただの毒としないのは、徹底した読者の各星座への「寄り添いスタンス」にあるんじゃないかなと思います。
それを、自分のコンテンツ作りにどう活かせるか…というところまでの言語化がまだできていないのが歯がゆいのですが、やっぱり「読んでくれている方の視点」に徹底して立つという基本は、もはやインフラともいえるしいたけ占いにも通ずるのかな、とかとか。
次週こそしいたけさんの言葉選びを盗んで、自分のライティングに活かすぞ🔥と思いながら、占いを読む頃にはそんなこと忘れてフツ〜に一水瓶座として励ましてもらっている、そんな月曜日を毎週繰り返しています🍄
③等身大であること
これは企業案件などクライアントワークでは難しく、自分のブログやnoteなどでしか使えないかもしれないのですが
「等身大であること。そして、それを隠さないこと」も大事なのかもしれないなと思っています。
Twitterや短尺動画がコミュニケーションの多数を占めているいま、パッと目を引く、強くて派手な言葉に流されそうにもなるけれど。
その人の素直な言葉こそが、人の心を動かし、行動を変え、たとえ言葉足らずだったとしても「悪気があったわけではない」と思わせる透明感が滲み出るものなのではないかな、と。
若干過去の自分の無知の言い訳みたいになってる気がしないでもないですが、それでも発信を続けていきたいのならば。素直な自分の言葉を、他に惑わされず紡いでいくほかないのかな、と信じています。
おわりに
現在進行系で考えながら書いたので、もわもわ〜としてしまいましたが、すぐに答えが出るものでもないので、この機会に現時点での思考のアウトプットができて良かったです🌸
このテーマについて考えつつ、12月のアドベントカレンダー祭りに乗じてみなさんの記事を読ませていただく中で、#PRLTアドベントカレンダーの下記記事がとても刺さりました。
Retty広報・せきやさんの記事です。(勝手に引用させていただきました🙇)
タイトルにもある「他者の視点に自覚的になる」こと。誰も傷つけないけど読んでもらえるコンテンツ作りには、まさに必須のポイントだなと痛感しました!!!
そしてここまでいろいろ書いてきましたが、一つ。素直に思うのは、「何かを生み出せる仕事(∈ライター)って尊い!」ってこと。受け手でいるだけでも情報量に圧倒される世界で、何かを生み出してるって改めてすごいなと思うのです。
だから、失敗しても、意図せず誰かを傷つけてしまっても。アップデートしてまた次を生み出す勇気を持ち続けていたい。
トライアンドエラーを繰り返しながら、おばあちゃんになったときに自分が考える最強のライター a.k.a 清少納言になれるように、日々精進していきたい!というゆるい決意も添えて、記事の結びとします👵
みなさんの工夫や考えについても、シェアしていただけたらとってもうれしいです〜!!!!!お読みいただき、ありがとうございました。
追伸:アイキャッチ画像のタイトル文言の語呂がやたらいいな〜と自画自賛していたら、無意識に宮沢賢治インスパイアしてた☔🍃