
今年も彼の命日がやってきた
彼が2015年8月24日に亡くなってから、9年となった。
詳しくは、昨年のこちらの記事を読んで欲しい。
当時25歳だった彼を、私はついに越して26歳となった。
彼の年齢を超してしまうほど、長い時間が経っているけれど、それでも彼のことを忘れずにいる人たちがいることを大切にしたい。
26歳になって、学生時代の友人や会社の同期など周りに驚くほどに結婚ラッシュというものが起きている。
結婚の報告を聞くことも、結婚式に招待されることも、一年の間に何度もあった。
結婚式での友人の普段とは違う華やかな格好の姿は、観ることができて楽しいと思うものの、その"結婚式"や"結婚"の雰囲気に毎度圧倒されてしまう。
長年親しんだ友人の苗字が変わってしまうこと。
夫側の職場の方から"だけ"乾杯のご挨拶があること。
妻が夫のために料理を作る話を、素晴らしいものとして"大きく"語られること。
「あの子が結婚できて良かった」と涙して喜ぶ親族がたくさんいること。
誰もが、「男と女が結婚すること」「結婚の先に同居と子育てがあること」「妻側が苗字を変えること」に疑問を持たずに"それこそが素晴らしいもの"として進めていて、その世界線にいない/いられない私は何度も居心地が悪い気持ちになった。
まず、私は法的な結婚を日本で選ぶことすらできないのに。
そして、彼はその未来を見届けることなく亡くなってしまったのに。
結婚式ラッシュの合間に、LGBTQ+当事者の友達にも何人か会っていたが、8月が近いからか何気なく彼の話が出た。
もう9年経つんだね。
そして、
彼にちゃんと誇れるような未来を作れているかな、と。
中には、9年前のことを一緒に思い出して泣いた仲間もいた。
彼が亡くなって10年になるのを前に、有志たちが彼のことを綴った本を作ろうとクラウドファンディングを行った。
2025年春に発売されるとのことなので、ぜひお手にとって欲しい。
彼のことを忘れない。
そして、これからも彼に誇れるようにありたい。
彼のように死を選ぶ人が、1人でも少なくいられるように。
普段は東京で会社員をしながら、地元・名古屋でLGBTQ+かもしれない若者のための居場所・名古屋あおぞら部を運営しています。
今悩んでいる人も、悩んでいない人も、周りに悩んでいる人がいるかもな人も、ぜひ気軽に遊びに来れる環境です。
ぜひ気軽にお立ち寄りください。
※2024年9月は、愛知県豊橋市・岐阜県岐阜市にて出張開催します!