SNSを哲学する ー読書シリーズー

お久しぶりです。

最近の読んだ本について皆さんに紹介していきます。

創元社さんの『あいだで考える』シリーズ
「SNSの哲学 ~リアルとオンラインのあいだ~」について紹介します。

哲学というと、堅苦しいイメージがありますよね?
いち医療従事者である私にとっても、はっきりしないというか、難しそうというイメージがありました。
ですがこの本は、哲学に少し触れたい、知りたい初心者さん向けに易しく書かれており、ど素人の自分でも読みやすかったです!
SNSで露わになる”承認欲求”について、SNSで流れている”時間”についてなど、現実世界とオンラインの比較をしながら筆者の考えが述べられています。

この本の内容のすべてを理解できた訳ではありませんが、自分なりに面白いと思った部分を紹介させていただきます。

まず、私たちは普段、自分だけがもっている考えや感覚を、「言葉」にして他者と共有しているそうです。(そこまで考えたことがなかった)
この本の例では、
痛みを感じた時、「痛い」という言葉を選び、「痛い!」と発言することが多いですよね。
しかし、あなたがすごく偉い人と話をしていて、礼儀正しくしなければならないとき、たんすで足の小指をぶつけても、「痛い!」とは言わないはずです。何か大きな災害が起こり、避難しなければならない状況で、足の小指をぶつけても「痛い!」とは言わないでしょう。
※余談ですが自分の仕事(助産師)で考えてみると、お産の時に、産婦さんがいきみ倒している状況では、産婦さんはいきむことに集中しているため、もはや「痛い!」とは言わないかもしれない。

すなわち、言葉を私的な感覚と対応させて話すのではなく、置かれている状況において、その場に適したリアクションになるような言葉を無意識に選択しているそうです。
『その状況での「言語ゲーム」のルールに合わせて言葉を発している』というのが、自分にとって新発見でした。

SNSの世界で考えてみると、個々がそれそれの言語ルールで発言していますよね。
SNSでの炎上やトラブルは、言語ゲームの誤解に基づくものなのではないかと筆者は述べています。
確かに~!と共感しましたね。
自分の発言が不特定多数の誰かにとっての「不適切」なのかもしれないと思うと、SNSでの発言は慎重にならざるを得ないなと感じます。

普段利用しているSNSについて、本の力を借りて少し深く考えることができた気がします。

哲学ってちょっと面白いかも!?と興味がわく一冊でした。
皆さんもぜひ一度手にとって読んでみてください!

それではまたここでお会いしましょう。


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