生い立ち(大学生〜スカウトマン時代)
華のキャンパスライフ!、、のはずが
浪人時代を経て、晴れて東京に上京した。
人生初の一人暮らしは、阿佐ヶ谷の安いアパートだった。
夢の東京暮らし
華のキャンパスライフ
「大学生活最高にエンジョイするぞ!!」
とは、ならなかった。
何故なら大学にはすぐ行かなくなったからだ。
大学の授業の記憶は、最初の授業で隣に座った子がゲイで太ももをスリスリ触ってきたことと、
英語の授業の自己紹介で「I,m NIKE. not adidas(本名がナイキ)」と、くだらないボケをして滑ったことしか残っていない。
どうして行かなくなったんだろうか
今になって考える
そもそも大学を卒業する気が無かったのかもしれない。
それ以外にも沢山の理由が複合的に重なって行かなくなったのだと思う。
ただ大学関連の思い出はそれなりにある。
大学でできた友達とサークルを立ち上げてみたり、大学の友達とルームシェアをしてみたりと。
今でも連絡を取ってる、興味の合う友人できた。
そんなこんながありすぐに大学は休学した。
そして僕が何にハマったのかというと
「女遊び」だった
高校三年間の青春時代を部活動にすべて費やし、更に1年間浪人生活に費やした僕は、
その間に溜まりに溜まったうっ憤が一気に溢れ出したのだった。
昼間はバイトをしたり本を読み、夜になれば友達と夜の街に繰り出す。
渋谷と新宿のネオンが心を躍らせる。
人々の活気。
街の微熱に満ちた感じ。
その感覚が大好きだった。
高校時代の鬱憤を払うが如く、沢山の女性と会った。
マッチングアプリもしたし、合コンもした。
クラブで友達と、どっちが多く女の子のLINEを貰えるか勝負もした。
しかし、段々と虚しく感じてくる。
女の子と心を通わせられていないからだ。
ペルソナを被り、初対面の人が好むような自分を演じる。
数をこなすことで習熟したパターン認識から最適なものをだす。
それを繰り返す。
これで人と心を通わせられる訳がない。
人と心を通わせられていないという事実が、僕の頭の中をグルグルと巡った。
内省内省内省と、考えれば考えるほど負のループに入っていく。
自分が本当に欲してるものは何なのか
この劣等感を埋めるだけの行為に意味はあるのか。
そんな時に僕はある本と出会った。
本の虫
それが僕の1番尊敬する人である社会学者宮台真司の本である。
どうして彼に惹かれたのか。
それは、自分と同じ経験をしていたからだ。
失恋の傷心を埋めるが如く、女遊びにハマり虚しさから鬱病に近い状態になる。
それも、自分よりもっと長く、深くこの時期が続いたそうだ。
自分がもっと長く続けていたらそうなっていたかもしれない。
そう思った僕は解決法を探るべく彼の本、SNS、出演している動画
もうその時期には高校時代の鬱憤など憑き物が取れたかのように無くなっていた。
ひたすら彼の著作について調べて読む毎日。
それはとても楽しい毎日だった。
宮台真司の著作にこのような文がある
まさに僕は宮台真司に「感染」していたのだと思う。
今思えば高校3年生のとき、堀江貴文にも「感染」していたのだと思う。
宮台真司の著作を読んでいるうちに感じた。
自分は社会や世界について何も知らないんだなと。
そこから裾野を広げ、色んなジャンルの本を読んだ。
経済、政治、社会、科学、、、と
僕の関心は公共的関心へと移っていった。
騙されてスカウトマンに
こんな感じで本の虫になっていた僕だが、そろそろ働かないと生活がやばいとなり、ラウンジのスカウトマンを始めた。
もっと正確に言うと、騙されて始めた。
最初はindeedに、渋谷でアンケートスタッフの求人があり、時給も高く初対面の人に話しかける抵抗が無かった自分は、とても良い条件のバイトだと思い応募した。
しかし、それはおとり求人だった。
実際に面接の場に足を運ぶと、今その仕事は募集を締め切っており、この仕事ならあるとラウンジのスカウトマンの仕事を紹介された。
「求人詐欺じゃねぇか」と思ったが、この面接の場まで足を運んだというサンクコストと、また別の仕事の面接場まで足を運ぶ気怠さ、そしてそれなりに良い条件から、「はい」と返事をしてしまった。
甘い気持ちで始めたこの仕事だったが、すごく大変だった。
極寒の冬の中、表参道を歩く女性に声をかける。
もちろん無視も沢山されるし、断られることも多い。
そして偶に元々お店を探してるという人に当たり、お店に案内しても、お店側からngを出されるケースもある。
お店の人用の面接シートを見せてもらったことがある。
そこにはAからCまでのローマ字があり、そこの横には、それぞれ違う時給金額が記載されていた。
つまり容姿にランク付けをして、それぞれ違った時給を提示しているということだ。
最初見たときは、人の容姿にランク付けをするなんて気持ち悪いと思った。
しかしよく考えれば、僕ら人間が常に無意識に人々の美醜を周囲との比較によって評価付けしていることから、やっていることは大して変わらないなとも思った。
というかそうやって自分を無理やり納得させた。
この仕事の何より嫌だった部分は、もしお店まで行き女の子が面接不合格だった場合、それを僕の口から女の子に伝えないといけないところだ。
言い換えれば、あなたの容姿ではこのお店で働けませんと言っているようなものである。
これが、スポーツや会社の面接ならあまり違和感を感じないのに、夜のお店という、何より容姿が第一に評価される場だと伝えづらくなるのは何故だろうか。
世間一般的に容姿についてあれこれ言うのがタブー視されてるからなのか。
それともただ単純に僕自身の問題なのだろうか。
そんなこんなで昼間は近所の図書館にこもり本を読み、夜は街に出てスカウトをする生活が数ヶ月続いた。
次に続く