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心因性腰痛の評価 STarT Back screening tool

腰痛はなかなか複雑なもので、椎間板ヘルニア、椎間関節、筋が原因のものもあれば、いわゆる非特異的腰痛といった原因がはっきりとわからないものが85%を占めていると言われています

疼痛の定義は2020年に41年ぶりに改訂され、

「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験」

とされており、組織損傷がなくとも起こりうる痛みの存在を明確にしています。

もちろん非特異的腰痛=心因性と言いたいわけではありません。近年、医療の進歩により、皮神経が原因となっているような腰痛も注目されてきています。ただし、全ての腰痛が組織損傷によるものと考えるのは、改める必要がありそうです。

STarT Back screening toolはご存知でしょうか?
以下9項目で成り立っています。

ここ2週の間について考えてください(①~⑧は、「はい」が1点、「いいえ」が0点)。

①ここ2週の間、腰痛が足のほうに広がることがあった
②ここ2週の間、肩や首にも痛みを感じることがあった
③腰痛のため、短い距離しか歩いていない
④最近2週間は、腰痛のため、いつもよりゆっくり着替えをした
⑤私のような体の状態の人は、体を動かし活動的にあることは決して安全とはいえない
⑥心配事が心に浮かぶことが多かった
⑦私の腰痛はひどく、決してよくならないと思う
⑧以前は楽しめていたことが、最近は楽しめない
⑨全般的に考えて、ここ2週の間に腰痛をどれくらい煩わしく感じましたか?

これらの点数が高いほど、心因性の影響が関与しており、腰痛が重症化、長期化しやすいと言われております。

点数が高い場合は、心理社会的要因を考慮した理学療法の展開が重要視されています。

なかなか臨床では、時間の制約があり使用しづらいかと思いますが、臨床時間以外に患者さんに記載してもらうなどして使用するのはありかなと個人的には考えております。ひとつの評価ツールとして、ご参考にどうぞ

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