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スポーツ医学と内科系は苦手です

今日は成長期のスポーツ医学と内科のお話についてです。
内科系の内容はどうも頭に入ってこないのでアウトプットにお付き合い下さいな。

成長期のスポーツ医学

成長過程にある子供達は構造的に脆弱な部分があります。特に思春期の時期は個人差が著しくひとりひとりとしっかり向き合う必要があります。それを理解せずして大人が指導しても外傷・障害が増えてしまうので理解を進めたいですね。

成長期の骨

まず、成長期の特徴として骨端線がある事が挙げられます。骨が成長している期間はこの線がレントゲンで見えるわけですが、この線よりもはじっこにある骨が骨端軟骨と言って力学的負荷に弱い部位でもあります。骨端線が閉じる時期は体の部位によって異なります。その一例をいくつかご紹介。

・脛骨天蓋:17-18歳
・上腕骨頭:18-21歳
・腸骨稜 :20歳
・鎖骨近位:25歳

こうみると意外と遅いですね。部位によっては14歳頃で閉鎖するものもありますが、鎖骨に至っては25歳。私も数年前に成長が止まったばかりです。
逆に言うとそれだけ負荷に弱い部位が17-8歳までは結構残っているという事です。なんでもかんでも筋肉痛とか成長痛で済まさずに必要に応じてお医者さんの力を頼るべきだと思います。(専門のお医者さんがよいですが。)

思春期には高負荷のトレーニングは避ける事が推奨されます。
小学生には「基本動作作り」、中学生には「基礎体力作り」、高校生には「筋力トレーニングや技術練習」を行うとよいとされてます。
特に小学校高学年はゴールデンエイジとも呼ばれますのでいろんな動きを経験してもらいたいものです。

アレルギー性疾患

次に、最近増えてきている子供たちの慢性疾患について。
多くみられるのはアレルギー性疾患だと思います。
代表的な疾患が2つあり、運動誘発性気管支喘息食物依存性運動誘発性アナフィラキシーです。

運動誘発性気管支喘息は運動することをきっかけに発作が生じる喘息の事です。後で詳しく書きますが、マラソンやサッカー、自転車漕ぎなどで発作が起きやすいです。定期的にピークフローメーターという呼吸機能を測定する機器で自己管理をしていくことがよいとされています。

食物依存性運動誘発性アナフィラキシーとはアレルギーを起こす食事をしてから運動を行うことでアナフィラキシー反応が誘発されるものです。症状は軽~重症まで様々であり、命に関わることもあります。経験がある子供には、本人の病態理解を促す必要があり、血液検査などで原因食を調査する必要があります。

血液感染症

次は血液感染症について。ここからは成長期はあまり関係なくなります。
肝炎とHIVについてです。

肝炎

A、B、C、D、E、G型の6種類存在する肝炎ですが、重要視されるのは
B型C型です。

B型肝炎:一般成人の初感染の場合、基本的に予後良好。慢性化はせず。
     ウイルスキャリア(幼少期に感染して肝炎ウイルスが体内に残留
     している状態からの時間差発症)がほとんどであり、人口の
     約1%以下。全世界で4億人いると言われている。
C型肝炎:30%は自然治癒。それ以外は慢性化し、慢性肝炎へ。
     感染力は弱く、B型の1/10以下
     献血者のHCV抗体陽性率(C型肝炎の既往がある人)は0.6%
    
高齢者の陽性率が高く、全世界で2億人。
    
C型肝炎には有効なワクチンがまだない。

それぞれこんな特徴があります。両方とも血液感染症なので、血液を媒介として感染します。接触があるスポーツでは感染リスクが指摘されていましたが、実際はスポーツをしていない人と感染リスクは変わらないそうです。
肝障害さえなければ特に運動制限もありません。

HIV

ヒト免疫不全ウイルスの略です。略称じゃない呼び方はわかりません。
感染力はB型肝炎の1/100くらいとかなり弱いです。なので、健常な皮膚に血液が付着してもほぼ心配はないですが、傷がある場合には注意が必要です。

呼吸器疾患

代表的なものは気管支喘息。老若男女問わず多彩な症状を示します。
今回は運動時に特有の症状を示すものについてお話します。

運動誘発性気管支喘息(EIA)と攣縮(EIB)

EIAは気道過敏性の1つの表現であり、病名はEIBで示される事が多いです。
EIBの病態は激しい運動を開始して3-8分で気道攣縮が起こり、その後に運動中止すると中止後5-10分で最も症状が強く出ます。そして、その後20-90分以内に症状が落ち着きます。約半数の患者は落ち着いたあと2時間程は喘息発作が生じにくい時期があるそうです。

喘息発作は冷たく、乾燥した空気を吸ったときに起こりやすいですが、この空気が気道上皮から熱や水分を奪うことで気道の浸透圧が上昇します。それに伴って急性炎症物質を生成し、気管支平滑筋を攣縮させます。その後に「このままじゃまずい!」と気管が感知して気道拡張物質を生成し、気管支平滑筋を弛緩させます。弛緩している間が喘息発作が起きにくい時間だそうで、そんな機序になってます。
・・・難しい\(゜ロ\)(/ロ゜)/

治療としては薬物療法やフィットネス(体力)の向上、運動負荷が低く高温多湿の場所でウォーミングアップをするなどが挙げられますが、基本的には
予防が大切です。

予防のために長期に使用する薬物がコントローラーと呼ばれ、吸入ステロイド薬β2作用薬があります。
逆に急性発作時に使うリリーバーと呼ばれる薬物もあり、ステロイド経口薬・注射β2作用薬があります。

それでも、もしEIBが出現したら原則は運動は中止します。症状が軽い時は
30分~1時間休ませるとよいです。

今日の画像は飛行機内からの写真です。最近、またコロナさんが猛威を振るっておりますが、まったく旅行とか行けないですねえ。飛行機にも最後に乗ったのはいつか・・・
北海道の広大な土地をのんびり進みたいです・・・

それではまた次回!


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