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2025.1.15 シンハラちゃんが踊りだす令和の世
平成のはじめだか昭和の終わりだか、タイはバンコクに向かう飛行機のなかで、 のんびりと文庫本を読んでいたら、 隣の席の女性が、文庫本を指差しながら英語で話しかけてきた。
その仕草と表情から想像すると、おそらくこんな意味の問いかけだったと思う。
「そこに並んでいるのはなんだ?ひょっとして文字なのか?どれが、文字なのか?」
問われて改めて気づいた。
日本語って、ひらがな・カタカナ・漢字、でもって、ときどき数字(これがまた縦書き小説の場合、漢数字!)なんてものが混じっている。
形としては一種類の、英語やフランス語などに比べ、たしかに日本語は、多様性に満ちた、雑多で不思議な文字配列だ。
日本語ほどこんなにも形の異なる文字種が混じり合っている言語って、他にあったけ?
と、平成のはじめだか昭和の終わりだかのことを思い出している令和7年1月、NHKの「東京サラダボウル」というドラマを見ていたら、イモトアヤコがシンハラ語の通訳を演じていた。
「東京サラダボウル」は、多様な国籍の、多様な言語が入り交じるTOKYOでの国際捜査を描くドラマ。
当然さまざまな言語の通訳人が出てくる。
そのなかで、スリランカのシンハラ語の通訳を務めているのが、イモトアヤコだった。
シンハラ語って、あまり馴染みないかもしれないけれど、その文字を見てみると、
どうですか、かなりデザイン的におしゃれでカワイクないですか。
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見た目は柔らかそうで、ちょんと指でつついてやると、ひとつひとつの文字が、いまにもキュキュキュと動き出して、跳ね回って、なにかつぶやきそうで、その一文字一文字にキャラクター性を感じてしまう。
(ありがとう)は、ස්තුතියි.
(あけましておめでとうございます)は、සුබ නව වසරක් වේවා.
(お名前はなんですか)は、ඔයාගේ නම මොකද්ද?
ということらしい。
シンハラ語を主役にした絵本、なんてもの、ありえそう。