数年前にプレイしたFF15についての感想を今語ってみる
Stand by me.
どうも、Rightです。
先日、某実況者がFF15をストーリークリアしたことが話題となり、FF15がTwitterのトレンドに入りました。
自分自身も数年前にFF15をクリアしており(一応エンドコンテンツもほぼ制覇した、DLCは未プレイだが内容は知ってる)、その時の記憶は割と鮮明に残っています。当時はプレイした感想や感動をネットに発信する術を持っていなかったので、この記事では今更ながらこの流行に乗って感想を言葉にしてみようと思います。
このゲームはプレイヤーによってかなり評価が分かれています。ある人はクソゲーと呼び、ある人は神ゲーと呼ぶ。割合としては6:4ぐらいのイメージです。一般的なゲームに比べると、ネガティブな評価をしている人が多いように感じます。
仕方のないことかもしれません。FFのブランドの力は、それほどまでに強大です。初めからとてもとても高いハードルが設けられていたので、蓋を開けてみたら失望、という人も多かったのだと思います。
ちなみに自分は、「とても惜しい要素は沢山あったけど、それでも神ゲーと呼ぶにふさわしい作品だった」と思っています。ここからは、ネタバレをしつつ、FF15の良かった点と悪かった点をそれぞれ話したいと思います。
1.あらすじ
この物語は、ルシス王国の王子、ノクティス・ルシス・チェラム(ノクト)が、妃のルナフレーナ・ノックス・フルーレ(ルーナ)と結婚式をするために、旅に出るところから始まります。旅のお供に選ばれたのは、ルシス王家を守護する「王の盾」の若き統領、グラディオラス・アミシティア(グラディオ)、幼い頃からノクティスの側付きをしていたイグニス・スキエンティア(イグニス)、高校時代にノクティスと出会って意気投合した一般人のプロンプト・アージェンタム(プロンプト)の三人。父の愛車のレガリアに乗り、海の向こうで待つ妃の元へ向かうためにガーディナ乗船所へと向かっていたところ、車がガス欠になってしまった。一行は、父の旧友のシドが経営するガソリンスタンド、ハンマーヘッドへ向かって、車を押してゆっくりと進んでいく。
その後、無事ガーディナまで辿り着いた一行に、とんでもない悲報が飛び込んでくる。ルシスと緊張状態にあった隣国、ニフルハイム帝国による襲撃があり、王都インソムニアは一夜で陥落。国王、つまりノクトの父親のレギスは、戦いの最中に命を落としたのだという。
理解できない一行は王都に帰ろうとするが、軍人のコルに制止され、ハンマーヘッドに戻ることに。コルは、「王が死んだのは事実だ。ノクティスが新しい王にならなければならない」と言い、ノクティスたちは王になるための力を手に入れる旅に出ることになった。
というのが大きなあらすじです。ルシス王国を帝国の手から取り戻すために、ノクティスが力をつけ、真の王として成長していく過程を描いたのがこの作品です。
物語の初めでは幼稚な言動や若者っぽいバカさいっぱいのノクティスですが、父の死や様々な試練を乗り越えて、一人前の王へと成長していきます。
2.FF15の良かった点
・圧倒的グラフィックの良さ
華やかに賑わう町は、橙色の波打つヴェールに包まれている。陽光の差し込む王の間。厳かで張り詰めた空気の中、玉座に座る白髪交じりの男は、珍しく真剣な表情をする息子を前にして発語した。
「――旅の行程と日取りは了承した。ノクティス王子の出発を認める」
こんな感じで小説が書けてしまいそうなムービーから、物語はスタートします。僕は思わず見惚れてしまいました。光と影の描写、髪の毛や肌の質感、大理石や金の装飾のテカリ具合。実写で撮った映像ではないのだろうかと錯覚してしまうぐらいには、あまりにも綺麗すぎました。プロローグの映像だけで、どれだけの時間と労力をつぎこんで作られたゲームなのかということが、ひしひしと伝わってきます。
僕の好きな実況者であるよしなまさんも、このシーンを見て「すごい綺麗!」と感動していました。気になる方はこちらからどうぞ。
このほかにも、このゲームには「うわっ、綺麗だ……」と思うシーンが何度も出てきます。代表的なところで言えば、キャンプでの食事シーン。イグニスが料理を作ってくれるのですが、その料理はどれも本当に美味しそうなんです。画面越しに見ているだけでも、お腹が空いてきます。
この野菜カレーを見て、「うわっ、本物やん……」と思ったのは、きっと僕だけじゃないはずです。ナスの焦げ目やミニトマトの光沢感、ルーのドロドロ感をうまく表現できていると思います。めちゃくちゃカレー食べたくなってきた……。
ここら辺のグラフィックへのこだわりは、この記事を見て頂ければわかるかと思います。おにぎり二個分の画像データ=リヴァイアサン(召喚獣)のデータ、という逸話もあります。グラフィックを良くすることに魂を売ったFF15制作陣。愛すべきバカの集まりとしか表現できません。
・スタイリッシュな戦闘
アクションRPGと評されるこの作品。敵との戦闘は、ゲームの非常に大きな部分を占めている部分です。
ルシス王家に生まれたノクティスには、武器召喚という能力が備わっています。つまり、武器を召喚して攻撃できるわけです。ちなみに、味方の武器もノクティスが召喚してあげています。
この武器召喚の力を使って、逆にノクティスが飛ばした武器のところまで逆召喚してワープするシフトチェンジが、戦闘シーンでのスタイリッシュさを助長しています。敵を倒したら、別の敵のところまでシフトチェンジで飛んでいく。爽快感が抜群なわけです。
アクションバトルが苦手な人でも大丈夫なように、様々な工夫も凝らされています。例えば回避。特定のボタン(デフォルトだと□)を押しっぱなしにしていれば、MPを消費して自動で敵の攻撃を避けてくれます。あと、ウェイトモードというコマンドバトルに近くなるような要素もあります(自分はほとんど使わなかったので割愛)。
ストーリーを進めていくうえで、「この敵が倒せなくて詰んだ」とか、「どうしても勝てないからレベル上げが必要」という状況に陥ることはまずありません。本当に勝てない場合でも、回復薬のポーションや蘇生薬のフェニックスの尾を使った薬漬け戦法をすれば、いつかは倒すことができます。
逆に、この仕様のせいで戦闘がヌルゲーになってしまい、戦闘に緊張感がないという評価を受けがちですが、クリア後の隠し要素としてアイテム使用禁止の鬼畜ダンジョンがあるので、まあバランスが取れているのではないかなと個人的には思います。多分、戦闘がぬるいと言っている人は、エンドコンテンツのダンジョンまでやり込んでないんだと思います。
(余談ですが、後続のFF7Rではこの薬漬け戦法ができないように、ATBゲージを一つ消費して回復する仕様に変わりましたね。戦闘に緊張感の生まれる良い仕様変更だったと思います)
・オープンワールド故の自由度の高さと没入感
今作を説明するにあたって、目玉の仕様と言っても良いかと思います。
今作はオープンワールドのゲームになっており、時間や気候が自然と変化し、自由に散策をすることができます。地形や街並みの作り込みが半端ないです。適当に歩いてるだけでも楽しいです。
サブクエストや討伐クエストの量も非常に豊富ですし、釣りなどのやり込み要素も盛りだくさんです。全て制覇するには100時間以上かかります。
ゲームの進め方はかなり自由で、人によってかなり性格が出ます。とりあえずストーリーを終わらせてサブクエストはクリア後まで取っておくという人や、サブクエストを全部制覇してから物語を進める人もいます。自分はちょくちょくサブクエも進めつつやってましたね。
LRFF13もオープンワールドでしたが、その時よりも完成度は非常に高かったと思います。戦闘やダンジョンに入るのもシームレスで、現実に近いグラフィックと相まってゲームの世界への没入感がすごかったです。その代わり、ゲーム起動時やファストトラベル使用時のロードが長くなってしまうのだけは惜しい点ですが。昔からFFのロードは長いことで有名ですし、自分はそこまで気になりませんでした。
・ストーリーが良かった
ストーリーの評価も割と諸説ある部分(ネガティブな意見については後述)なのですが、僕は本当に好きでした。
パパっ子だったノクティスは、大好きな父が亡くなったという事実をなかなか受け入れられないまま、王の力を得る旅に出ます。子供のままであることを許されず、多少は不貞腐れることはあっても、折れることはありません。着実に、一歩ずつ、前に進んでいきます。
そんな彼でも、折れてしまいそうになる出来事があります。それは、水の都オルティシエでの出来事。リヴァイアサンを鎮めることに成功したノクティスでしたが、代償としてイグニスが失明し、婚約者のルナフレーナが亡くなってしまいました。
悲しみに打ちひしがれる間もなく、旅は続きます。とはいっても、なかなか気持ちの整理がつかないノクティス。でも、グラディオに叱られて、プロンプトにかばってもらって、イグニスと向き合って、今後も旅を続ける覚悟をします。
ストーリー中は、ノクティス一行4人と一緒に旅をしているという感覚が非常に強かったです。一緒に旅をしていく中で、キャンプをする高揚感も、国がつぶれた絶望感も、強敵を倒す達成感も、愛する人と死別する悲しみも、全て共有していきます。
だからこそ、最後に主人公が漏らす本音が、どこまでも切なく感じます。
アーデンを倒し、星を救うためには、自分の命を差し出す必要がある。理解もできるし、覚悟もできている。でも、こうして旅を続けてきた仲間と最後のキャンプしていると、我慢できずに吐露してしまう本音。
「オレな、覚悟して帰ってきたんだよ。けど、なんかこうして、お前らの顔見たらさ……。悪い、やっぱ辛いわ」
ネタにされがちなシーンですが、本編ではめちゃくちゃいいところなんです。星を救うという重い責務を背負った真の王が、仲間にだけ打ち明ける弱音。男同士の熱い友情に、僕は思わず涙しました。
戦いは終わり、闇に支配された世界が朝陽で色づいていく。4人の姿はどこにも見当たりません。星を救う戦いの最中で、命を落としてしまうからです。
でも、きっと、これで良かったんだ。そう思わせてくれるようなエンディングでした。
このゲーム、テーマソングにStand by meを採用していて、冒頭の車を押しているシーンと最後のクレジットで流れるのですが、これが本当に泣ける。この記事を書きながら聞いていたんですが、ノクトとの旅の思い出が蘇って涙腺が逝きました。
みなさんもリンクから聞いてみてください。
3.FF15の悪かった点
ここからは、FF15に対するネガティブな意見を取り上げて、それに対する自分の意見を述べたいと思います。
・バグ多すぎ問題
FF15はバグが非常に多かったです。直立不動でチョコボや車に騎乗する、戦闘終了後にキャラが突然喘ぎ始めるなどの笑えるものから、空飛ぶレガリアが見えない壁に激突してゲームオーバーになるなどの笑えないものまで、数多くのバグが存在しました。自分がバグに遭遇したのは2,3度だったのでネタとして笑える程度でしたが、確かに完成度としてお粗末だったと指摘されても仕方ないのかなと思います。
・自由度が高いのは中盤まで、終盤にかけての制約が厳しい
このゲームはオープンワールドで自由度が高いことが売りでした。だからこそ、中盤にカエムの岬からオルティシエに渡った後からの自由度の低さが余計に目につきます。
不自由な状態はリヴァイアサン戦後のチャプター10から、ノクティスがクリスタルに飲まれるチャプター13まで続きます。ほぼ一本道を行くことになる上に、イグニスの怪我があった後でキレ症ゴリラことグラディオが不甲斐ないノクティスにキレ散らかしており、パーティの雰囲気も最悪。お気楽で気ままな旅だったはずが、いつの間にか息が詰まりそうなものになっていきます。
特に酷いのはチャプター13。ここはマジで酷かった。酷いという言葉では形容できないぐらいには、本当に酷かった。
ノクティスが仲間と離脱し、能力も制約された状態で、3時間近く敵の根城を独りでうろつきます。途中までは武器も指輪しか使えず、敵もまあまあ固いのでストレスマッハ。仲間のいない孤独感や不便を演出したかったのだとは思いますが、それにしてはあまりにも長すぎた。
あまりに不評だったため、後日修正パッチが配布されたそうですが、開発当時誰もあのクソ仕様に文句言わなかったのか不思議で仕方ありません。
・ストーリーがお粗末だった
非常に多いこの指摘。ストーリーに感動した僕でも、お粗末に感じた部分はあります。
そう感じる要素をいくつか紹介します。
①メインキャラ以外の扱いが雑
様々なキャラに当てはまることですが、本編で触れられるのが少ないせいで、主人公たちに感情移入することが難しくなっています。
その理由は、様々あったと思います。本編の容量がデカすぎて入れられなかったとか、ストーリー長くなりすぎとか。それをDLCや派生作品(キングスグレイブやブラザーフッドなどの映像作品)で補足しようと努力していたのは分かるのですが……。
本編への没入感を大事にしていたこのゲームにおいて、「キーキャラのくせに本編で掘り下げがない」というのは非常に致命的で、派生作品や本編の世界観に対する知識がなければ、主人公に感情移入できなくなってしまいました。
例えば、主人公の婚約者であるヒロインのルナフレーナ。本編で登場するのは、アンブラを介して絵日記をやり取りする時、オルティシエで講演をする時、ノクティスをリヴァイアサンから守ってくれる時ぐらいで、子供の頃にルーナと仲良くしていた描写や、ルーナに恋しているノクティスの描写がありません。そのため、ルーナが死んだ時もノクティス程の悲しみを味わうことはできませんでしたし、「ルーナと結婚式を挙げるために旅に出た」ことを理解できていない人(ストーリーに興味がないorノクティスの旅の目的を忘れている人も一定数いる)は、「こいつ誰?」とすら思っていたかもしれません。
特に酷いのは、ルーナの兄であるレイヴスの扱い。派生作品でもほとんど掘り下げがなく、自分も彼の存在だけは良く分かりませんでした。後にイグニスのDLCで補完されることになるのですが、それは発売から何か月も後の話です。当時ゲームをクリアした時に、実際に僕が感じた感想としては、「ルーナを大事に想っているのはなんとなくわかるんだけども、知らんうちにアーデンに殺されて、知らんうちにシガイ化してたやつ」ぐらいの印象でした。ストーリー理解に注力していた僕ですらこんなぐらいの印象だったので、他の人はもっとわけわかめだったと思います。レイヴスの声優を担当した中村悠一さんも、かなり不満を持っていたという話も有名ですね。
②サブキャラ程ではないけれど、メインキャラの扱いもまあまあ雑
は?って感じだと思います。サブキャラの扱いも雑だったのに、メインキャラの扱いも雑だったのかと。
サブキャラとまではいきませんが、主人公の周りのキャラに対しての掘り下げも、本編ではあまりありませんでした。
グラディオが王の自覚のないノクティスにキレ散らかす理由も、プロンプトが帝都出身だと明かす時に神妙になる理由も、イグニスが失明した理由も、本編だけやっていては何も分かりません。DLCや派生作品を見ることで、「だからこうなっていたのか」と理解することができます。
個人的には、それらを鑑みてもグラディオの態度だけは何とかならなかったのかと思いますけどね。ノクトの気を引き締めるキャラが必要だったとは思うのですが、タイタン戦で不注意なノクティスにキレ散らかしたり、ルーナと死別して呆けるノクティスにキレ散らかしたりと、本編でキレ散らかす場面が多すぎたし、あそこまで理解のないゴリラみたいに描くのはないかなぁと思います。
元々、グラディオはノクティスを守ることが使命で、イグニスと共にノクトを守るお父さんみたいな存在だったわけです。だからこそ、自分が守ろうとしている存在が落ち着きを無くして危ない道を渡ったり、命を張って守ってくれた人がいるのに覚悟を決められなかったりした時に、「何をやってるんだ」と怒り始める気持ちも分からなくもないですが、あんなにねちっこく責め立てたり、理不尽に怒ったりするのは、本来の守護者や保護者としての印象ではなく、ただの駄々っ子としての悪い印象しか残さないように思います。
グラディオは王都陥落時に身内の不幸を経験しなかったことが、その駄々っ子っぽさを助長しているのだと思います。「ノクティスは色々失って辛いのに、何も失ってないグラディオにこの気持ちは分からないだろう」という指摘はもっともだし。
もしかしたら、制作陣は立場の違いによって生まれる歪み(互いに違う経験をしてるから、いくら仲間とはいえ共感し合えない部分もある)みたいなものも描きたかったのかもしれませんが、それにしてもグラディオは子供っぽく描きすぎだろうと思いました。
FF15ってタイトルだけ聞いて購入して、世界観やキャラの背景事情も何も知らずにストーリーだけ最速でクリアした人は、「よくキレるゴリラと、出身を気にするチャラ男と、理由は分からんけど失明したメガネと旅をして、良く分からんけどラスボス倒したら全員死んで星が救われた」って印象だったと思います(実際に発売直後のAmazonのレビュー欄は、ストーリーを酷評するコメントで溢れかえっていて、ストーリーを褒めるコメントは後から増え始めた)。
味わい深い世界観ではあったけれど、しっかり調べないと楽しめないストーリーだとは思います。
③派生作品やDLCありきの掘り下げなのに、DLCは後日発売
これは批難の集まる部分ですし、自分も不満に思っている部分であります。
派生作品として、
・ブラザーフッド(旅に出る前のノクトたちのキャラ背景を描いた作品)
・キングスグレイブ(王都陥落時の攻防を描いた物語)
の二つがあり、DLCでは
・エピソード:グラディオ(ギルガメッシュの試練withコル)
・エピソード:プロンプト(自身の出自を知るwithアラネア)
・エピソード:イグニス(リヴァイアサン戦後にノクティス、ルーナ救出withレイヴス)
・エピソード:アーデン(アーデンの闇落ちの真実、レギスとの攻防)
・戦友(ノクティスが眠っていた空白の十年間の話、一般モブ兵の死闘)
などの作品があります。
本編をより理解するためには、これらの作品に触れる必要があるし、これらに触れなければ本編の話を理解できずに謎が残ります。
例えば、王都で特殊な条件を入手できる短剣があるのですが、それはキングスグレイブの主人公の武器だったり、サブクエで思い出のお菓子の話が出てくるのですが、その内容はブラザーフッドの4話を見ていないと分からなかったり。
しかし、これらの作品はほぼすべて有料(ブラザーフッドのみYoutubeにて無料公開)で、DLC作品については本編発売から1年ほどの期間を開けての発売となっています。
最近のスクエニは業績不振の影響で、金稼ぎをしたいという気持ちもわかるのですが、それにしても金をむしり取ろうという魂胆が見え透いてるし、本編をプレイしただけでも謎がある程度解消されるようにしなければならないと自分は思います。
あと、金をむしり取ってでもいいから、早く出して欲しかった。特に、エピソード:イグニス。ストーリーの根幹にかかわる部分だし、レイヴスへの掘り下げも早くしてほしかったです。
ちょっと話は逸れますが、DLCで本編を補完するというのは、他のゲームでもよくやる手法です。例えば、モンハンの最新作であるアイスボーンも、ワールドの拡張コンテンツでDLCの一種です。
いわゆるDLC商法と呼ばれるやり方ですが、ゲームで利潤を出す手法として確立されつつあるし、プレイヤー側からも追加コンテンツで長く遊べるのは嬉しいので、最近のゲームだと良く使われる手法ですね。
しかし、スクエニのやり方は、DLC商法から派生した完全版商法になっているんじゃないかという指摘があります。一度完成した作品に新しい要素を足して、新たな作品として提供する商法です。
それ自体は別に問題がないんです。モンハンも、アイスボーンが発売した後に、アイスボーンとワールドを混ぜ合わせた拡張パックを発売していたし。それを見た人は何も文句は言いません。でも、スクエニの完全版商法は少し毛色が違って、追加要素が少ないのにそれを何度も完全版として売ろうとしているんですよね。
ドラクエ11はその典型例です。最初、PS4と3DSで発売した後、ボイス付きのS版をSwitchで発売し、再度新コンテンツを追加したものをPS4で3回目の発売をする。RPGプレイヤーにとってボイス付きは微々たる差だと感じる人が多いだろうし、追加のクエストもしょぼいものばかり。これを何度もパッケージとして売り出すのは、一ゲーマーの視点からはあまりよくは見えません。最初に発売したのは未完成品だったのかと思ってしまうからです。
その批判が一番強まったのは、ロイヤルエディションが発売された時です。14章で王都に帰還した際の追加のストーリーがDLCで公開(しかも有料)されたことで、「初めから追加しとけカス」という批判が沢山ありました。
個人的に、FF15は複数の作品に分けた方が良かったんじゃないかなと思います。一つの作品でで完結させるにはあまりにもボリュームが多すぎる。
FF15-1:レギスの戦い(キングスグレイブの話、王都陥落から死ぬまでの話)
FF15-2:ノクティスの旅(今のFF15でクリスタルの中で力を溜め始める前まで。DLC要素も全部含めてキャラの物語も掘り下げる)
FF15-3:アーデンとの決戦(ノクティスが眠る空白の10年と、ノクティスが目覚めてからアーデンを倒すまでの話。エピソード:アーデンだけはDLCで補完)
みたいな感じで、3部作で構成して、ゲームをプレイするだけでストーリーを全部追えるようにするのが一番綺麗だったと思います。
まあ、これは完全に人事とか作成費とか何も考えてない一ファンの意見ですし、こんな一ファンが数分で思いつくような案は絶対にスクエニが検討してると思うので、何かしらそれができなかった理由があると考えるのが妥当でしょう。プロデューサーの退社とか、10年の製作期をこれ以上伸ばせないとか。
いずれにせよ、悪い点を総評すると本来なら本編に収めるべき内容が収まっていなくて、その部分が叩かれる要因になっているんじゃないかというのが僕の考察です。実際、DLCや派生作品を追っている人からの評価は本当に高いですし、自分もそちら側の人間なのでストーリーへの評価はめちゃくちゃ高いです。ただ、FF15というゲーム単体で見た時の完成度は必ずしも高いとは言えず、批判の対象になることがままあります。
4.まとめ
3.で取り上げた批判ももっともですが、個人的にはそれを考慮しても良いゲームだったと思います。グラフィックは死ぬほどきれいだし、関連作品やDLCをしっかり追えば綺麗なストーリーで感動するし。
何より、ブラザーフッドや物語序盤ではあれほど子供っぽかったノクティスが、10年の時を経て立派な大人になったのを見て、本当に感慨深い気持ちになりました。FF13のライトニングやFF7のクラウドのように、強くてクールだけど精神的に脆い、ザ・FFの主人公、というものからはかなり外れています。どっちかっていうと、ジャンプとかのそれに近いような感じです。強いことには強いけど、精神的には幼いし危うさが目立つ。でも、ちゃんと自分の進むべき道は分かっていて、何かと葛藤しつつもゆっくりと一歩ずつ進んでいく。他のキャラも同じです。それぞれが果たすべき使命や宿命に葛藤しつつも、結論を求めてひたむきに歩き続ける。どこまでも人間臭くて、魅力的なキャラ達です。
そんなノクティスたちと旅をしてみたい人は、是非FF15をやってみて欲しいと思います。自分の青春時代を支えてくれたゲームです。僕が学校から帰ってからは、いつもノクティスたちと旅をしていました。別世界で旅をする気分を味わいたい人には、おすすめの作品です。
本編だけなら絶対安く帰るし、全部込々のロイヤルエディションも、数年経った今ならお安く買い求められるんじゃないでしょうか。是非プレイしてみてほしいです。
FFファンと名乗れるほどFFをやり込んでるわけじゃないですが、これからもFFの作品は触っていきたいなと思っています。特にFF16は触ってみたいです。めちゃくちゃ面白そう。
これで記事はおしまいです。今後も気ままに記事は書いていきますので、また読んでみてください。
あぁい!(ライバロリ風)
Right