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本に愛される人になりたい(42) 「昭和の科学冒険漫画たち」

 私にとっての少年漫画雑誌と言えば、少年マガジン、少年サンデー、そして少年キングでした。調べてみると、少年マガジンは講談社で1959年3月17日から、少年サンデーは小学館で同日から、そして少年キングは少年画報社で1963年7月8日から、それぞれ発行され始めました。この週刊少年漫画誌と月刊誌の少年画報が、小学生だった私の購読書でした。さらに、テレビ・アニメとして、『鉄人28号』(1963年〜)、『スーパージェッター』(1965年〜)、『宇宙少年ソラン』(1965年〜)や『遊星少年パピィ』(1965年〜)などが次々に放送開始され、小学校入学の前年には、私は科学冒険漫画の世界にどっぷりと入り込んでいました。わずか6歳だったのに、今でも主題歌はもちろん歌えますし、物語のシーンの数々も覚えていますから、そのインパクトたるや凄いものだったはずです。
 アポロ1号(発射失敗)が1967年で、月面着陸したアポロ11号が1969年ですから、おそらく、1961年に旧ソビエト連邦のガガーリンがボストーク1号で人類で初めて宇宙有人飛行に成功したことが、時代背景として科学冒険漫画に大きく影響を与えたのかなと推察しています。もちろん、時代は「科学」や「宇宙」に憧れていたことは確かです。
 あれから半世紀を超え『鉄人28号』、『スーパージェッター』、『宇宙少年ソラン』や『遊星少年パピィ』を読んでみると、幼い私がかなり興奮していたわりには、今読むとそれほど興奮する訳でもない物語で、何故あれほど興奮していたかが不思議にもなります。当時は、今と比べて宇宙についての見識が大人たち含めて皆無に近い時代に生きていたわけで、さらに6歳児だった私にとっては、この科学冒険物語はとてつもない未来の世界だったと思います。
 その後、科学冒険物語漫画やアニメのジャンルでは、数々のヒット作があり、私も年齢を重ねながらも、その時々の作品を楽しんできました。
 温故知新ではありませんが、ただ、あの初期の科学冒険物語たちが持っていた、少しザラザラしているけれど、将来に夢がある感じの作品を、もう一度楽しみたいと考えています。この感覚は、まだ上手く文字に置き換えられないのですが。いつの日か、その感覚に溢れた物語を書いてみたいと構想を練っているところです。中嶋雷太

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