マイ・ライフ・サイエンス(19)「WWWと個性。α世代の為に」
WWW、つまりワールド・ワイド・ウェブというインターネットの世界が存在するのが全世界での常識となり、いまでは空気のような存在として私たちの日常生活に入り込んでいます。
その起源は1950年ごろにあり、その後1989年に欧州原子核研究機構のティム・バーナーズ=リー氏によって発明されたというのが歴史的なお話ですが、現在のように日常化を遂げるのはいわゆるパソコンの普及に始まり、さらに個人の日常生活を考えるとやはりスマートフォンの普及が重要なファクターになっていると考えられます。
では、個人がこのWWWというインターネットの世界を享受し空気のような存在として日常生活を営み始めたのはいつごろだろうかと調べてみると、意外と最近のことのようです。
総務省が発行している「令和5年版情報通信白書 」によれば…「2022年のインターネット利用率(個人)は84.9%となっており…端末別のインターネット利用率(個人)は、「スマートフォン」(71.2%)が「パソコン」(48.5%)を22.6ポイント上回っている」と書かれています。(添付グラフは同書から)個人のインターネット利用率は、2018年に79.8%だったものが2019年に89.8%となり、新型コロナ禍があったものの、2022年には84.9%となり、日本国だけの話で恐縮ですが、2019年から2022年のこの数年でほぼ完全普及したのではないかと思っています。(分かりやすく2020年をほぼ完全普及年としますね)つまり、パソコンやスマホでガンガン利用してきてはいますが、個人ベースで統計学的に考えると、WWWというインターネットの世界観を日常のものにしたのはこの数年のことです。
2004年Facebook、2005年YouTube、2006年Twitter(現・X)…等のSNSが始まり、2007年初代iPhoneが発売されたことを考えると、現実に利用している様々なアプリもわずか15年ほどの歴史しかなく、空気のような存在としてのWWWというインターネットのほぼ完全普及はここ数年と考えた方が良さそうです。
さらにさらに、巷間よく使われているZ世代という言葉ですが、その定義は「1990年代中期から2010年代初期に生まれた世代」とされています。例えば、1995年生まれとして、2020年には25歳ですから、彼らZ世代は25歳になりほぼ完全普及したWWWというインターネットを享受しているけれど、生まれながらに空気のようにこの環境があったとは言えません。おそらく、2020年以降に生まれた世代こそ、物心ついたときには空気のようにWWWというインターネットを受け入れる世代だと思われ、私的にはα世代とでも呼べば良いかと思っています。Zの次のアルファベットがないので、α(アルファ)を使います。
さて、このα世代が生まれながらに享受しているWWWという世界観なのですが、α世代の個々人をある点と考えると、その点から地球全体に情報の網(まさにウェブです)があるわけです。そして、地球上のすべての点(個人)が国家や民族や宗教…等の歴史的に作られてきた「壁」などを超え生きていくでしょう。それはあまりにも空気的なので、まったくの無意識なのだと思いますが、彼らより年長者がしがみついている感覚(国家や民族や宗教…等)とはまったく別物になるはずです。
私個人を振り返ると物心ついたときにはテレビとラジオと新聞というマスメディアはありましたが、個人として差配できるメディアは0でしたから、このメディア感覚の異なりはかなり差があるものだと思います。私は、古典派とでも言うべきでしょうね。
こうしてnoteに綴っている私は、かなり古典的なメディア環境で生まれ育ちつつもなんとかWWWというインターネットの世界観を空気のように享受してあるわけですが、α世代はその個性を見事なまでにWWWというインターネットの世界観に起き、これから生きてゆくのだと思わねばなりません。
α世代の可能性をまったく理解しない古典派に対し、α世代の反撃が間もなくやってくることと思います。
1950年ごろに起源をもつWWWというインターネットの世界観が2020年になりほぼ完全普及し、2024年1月現在2歳ぐらいの幼児がα世代としてこれから生きていくと考えると、α世代の個性がどのようにWWWというインターネットの世界観を使い使われていくのか、とても興味が沸きます。
テレビなどで「私はZ世代だが」的な人物の話を聴きながら、「君たちはすでに古典派なのだよ」と意地悪に見つめる私がいますが、できることならα世代の邪魔だてはしないように心がけたいと誓っています。彼らの個性が、私やZ世代も含める古典派たちの感覚を超え、大きく広く伸びていくためにも。中嶋雷太
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