ワードローブの森の中から(44)「綿パン…だが裾ゴムのヤツ」
春が深まり夏日がちらほらあると、綿パン登場の季節です。
さて、その夏日です。
普通の綿パンも良いのですが、よりカジュアルに着こなしたいときは、足首に裾ゴムが入りキュッとしまっているやつが好みです。ただ、そのアレの一般名詞が分からないままで、調べて見てもどうやら一般名詞は存在しないようです。(とにかく写真のアレです)
アレに初めて出会ったのは、2010年以降、つまり21世紀になってから、確かUNIQLOで商品化していたのを買ったのだと思います。
普通の綿パンは、すべてブルックス・ブラザーズのものばかりで、スリッポンでもジョギングシューズでも似合います。一方で、アレは、スリッポンは合わなくて、ジョギング・シューズやサンダルが良いようです。微妙な差ですが、普通のと比べてアレの方がよりカジュアル感が増し、気軽さが楽しめます。因みに、綿のパンツといえばカーゴパンツも好きですが、カーゴパンツになると少しだけアウトドア感が増しますから、この微妙な差を楽しみたいものです。
ファッションとは面白いもので、普通の綿パンに、ただただ裾ゴムを入れただけの商品なのに、21世紀になってから初めて出会ったわけです。つまり、個人的なワードローブ史というか服飾史では、21世紀以降に初めて登場したわけで、これはある意味画期的な商品ではないかと睨んでいます。もちろん、裾ゴムのパンツは、カーゴパンツや、古くはモンペなども存在しましたが、普通の綿パンに裾ゴムという観点を見出した開発者は素晴らしいと感服もしています。
こうして、個人的には、アレを楽しんで着こなしているわけですが、下北沢あたりをぶらぶらしていても、意外とアレを着ている人には出会えません。アレは普及せず、やはりカーゴパンツの方に皆さん戻ったのか、それとも普通の綿パンで良いのではと考えたのか、そのあたりは調べてみたいものです。
現在、私のワードローブには、普通の綿パンが10本、カーゴパンツが14本、そしてアレが8本並んでいます。因みにジーンズは32本です。
ただ、危惧しているのは、今後UNIQLOでアレが売られるのかどうか…。最近UNIQLOには行っていないので、現状把握はしていませんが、街でアレを履いている人が見当たらないので、早くも絶滅危惧種となった可能性があります。さて、私のワードローブの中の8本のアレの運命はどうなるのか…。中嶋雷太