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KAMI 100

2024年11月3日から4日に兵庫県美方郡の香美町で開催された
OSJ主催のKAMI 100に参加してきました。

結果は20時間52分40秒で完走。
初の100km越えのオーバーナイトトレイルでしたが、大きなトラブルや睡魔に襲われることなく完走することができました。

KAMI 100は1周37kmのコースを走るレースで、
112km、74km、37kmの3つのカテゴリに分かれています。
私は、コースを3周する112kmに参加しました。

目的

今回参加した目的は、

  • 再来年のFUJI 100にむけてロングトレイルの経験を積む

  • FUJI 100のエントリーに必要なITRAポイントの獲得

でした。
(大会前に来年のFUJI 100の参加条件が3レース10ポイントから1レース4ポイント等に変更されたのは想定外でした。2026年大会はどうなることやら、、)

KAMIで獲得できるポイントは過去の大会では112kmが5ポイント、74kmが4ポイント、37kmが2ポイントでした。
近畿圏で5ポイントを獲得できるレースは貴重であり、当時のFUJIや過去のUTMFの参加条件を考えると大きく前進できると思いエントリーしました。

大会当日

前日の雨が嘘のように当日は晴天となりました

前日は台風が温帯低気圧にかわった影響で会場近くも大雨でした。他の大会では中止になったものもありましたが、KAMI 100は無事に開催されることとなりました。
大会前にスタッフがコースチェックを行ない開催に至ったようです。スタッフさん、ありがとうございます。
とはいえ、2日前から雨が降り続き1時間に10mm以上降る時間帯もあったため、トレイルはグチャグチャ覚悟で挑みました。

スタート(1周目)

11月3日 9:00スタート!

コースはハチ北スキー場を起点に、1周で大きな山を3つ登ります。
1つ目の鉢伏山、2つ目の野間峠、3つ目の瀞(トロ)川山。

コースマップからの高低図

初めて走るコースだったので、1周目は下見を兼ねて走りました。
コースの特徴と昨日までの雨で泥濘んでいる所はないか、周回を重ねる毎にランナーの通過で地面が荒れそうな所などを確認しました。

1つ目の鉢伏山からパンチがある山を登ります。
スキー場からスタートとなりゲレンデ脇の斜度の高い舗装路を進みます。
1周目は走って登るランナーも多く見られましたが、私は急な登りは歩き緩やかな所は走って進みました。

スタート直後のゲレンデの登り

個人的にはこの山が今大会のボス山でした。
トレイル区間に入ると登りはクライミング、下りは段差が不揃いな階段やガレ場などがあり苦手なサーフェスが多くかなり手こずりました。
スタート時は前方に並びましたが、レースが始まると多くのランナーに抜かれることに。
ただレースは長いので自分のペースで走ることを心がけました。

2つ目の山、野間峠の登りは林道を進みます。
舗装されたような所もあり登りやすかったです。最後の登りでトレイルがあり急登もありますが比較的やさしい区間なので余裕を持って通過したいところ。
野間峠を登り切ると、兎和野高原のエイドまでは下りと平坦が7kmほど続きます。ここは全ての周回で走れれば走りたいところ。走れる分、体に負担もかかるので直前の第4エイドでしっかり水分を補充しておいた方が良いと思いました。
1周目は、気温の上昇もあったせいかここで喉の渇きを感じ水分補給の回数が増えていました。
ちなみに前日の雨による泥濘はなく、とても水捌けの良い山だと感じました。

第4エイド手前の林道、ここも走りたい区間
往路と復路がすれ違い様に励まし合うのが素敵でした

3つ目の山は瀞川山。
野間峠で下りきった標高を、また登るような形になります。
頑張りすぎると2周目3周目に影響しそうだったので小股で少しずつ登ることに。
ただ綺麗に整備された登山道で個人的には登りやすく感じました。
前日の雨の影響か、泥濘んではいなかったものの地面は滑りやすくなっていました。繰り返しの周回で更に地面が荒れて滑りやすくなるかもしれないと心配に。

瀞川山を登り切り綺麗な景色とともに記念撮影。

明るい時間帯の瀞川山は1周目だけでした

私の場合は、明るい時間帯が1周目のみと考えていたので最初の周回で写真をたくさん撮っておきました。

瀞川山の頂上から1kmほどトレイルを下ると、メイン会場のハチ北スキー場までは林道と舗装路。

この間に以降の周回プランを考えていました。

1つ目の鉢伏山は登りも下りも苦手な山。脚を使いすぎず安全に通過する。
2つ目の野間峠の頂上から瀞川山の登山口までは走りやすいパートなので走れるなら走る。
3つ目の瀞川山は足場は悪いが苦手な登りではないので一定のペースで頂上まで進む。
2周目に限ってはラストの周回を想定して出来るだけ脚を残す。

それらを考えながらゲレンデ脇の舗装路を下り1周目が終了。

1周目は14:32(5時間32分)に通過。

エイドに入りすぐにデポジットバッグへ。
(今大会は車エイドはなくデポジットバッグ形式でした。会場と駐車場は道路を挟んでおり行き来が危険ということで今回は車エイドが廃止となったようです)
事前に準備をしておいた2周目の補給食と、必要だと思うウェアをザックに装備。
1周目は半袖1枚で走れましたが、2周目は夜間パートに入るため長袖とアームスリーブを用意しました。
エイドではおにぎりとウィダーinゼリーを摂取し仲間のLINEを見て、20分ほど滞在して2周目へ。

2周目

14:51、2周目スタート。

2周目になるとゲレンデの登りを走っているランナーはほぼいません。私も鉢伏山までの登りは全歩きでした。
苦手な区間だったので脚を使いすぎず疲労を溜めない様に進みます。
険しい鉢伏山の登りは四つ這いで登る所も。トレイルランニングというよりは獣のように登っていました。笑

鉢伏山を下った先の第2エイドで陽が沈みかけていて、スタッフからライト装着の案内があったのでライトをつけてアームスリーブも装着。
動き始めたときに手の平が冷たくなってきており気温が低くなっているのを感じました。
幸い動いていると手の平の冷えも消えてくれました。

2つ目の山の野間峠を登ると兎和野高原のエイドまでは走れる平坦と下りの区間。まだ脚に余裕はありスピードを上げて走っていると左膝に違和感が。
悪化するのが怖かったので勢いに任せずゆっくりペースにギアチェンジ。
調子良く進めていたこともあり、プランの「2周目は脚を残す」を疎かにしていました。
スピードを抑えて走っていると野間峠から兎和野高原までの7kmがとても長く感じ、何度も「こんな所あったか?」と一人言を発していました。
1周目はあっという間だった兎和野高原のエイドが長く感じましたが、この頃からかふと上を見上げると満点の星空が。
自宅近くでは絶対に見れないような星空に感動し「すげー」「綺麗ー」などと周りに誰もいないことを良いことに山のなかで独り言を漏らしていました。
そんな星空に感動しながら兎和野高原エイドに到着。
ここのエイドでもらったカレースープで体が温まりました。

いざ2度目の瀞川山へ。まだ1周残していたからか無で登っていた記憶が。
ただ1周目には見なかった4合目と6合目の表示を目撃。1周目は下見もあってか前を見ていなかったのかな?
心配していたランナーの通過による地面の荒れも無く、むしろ1周目よりも登りやすくなっている様に感じました(勘違いかな?笑)
疲労で足を止める所もありましたが難なく登り切り頂上を通過して下山し2周目が終了。

2周目は21:40(6時間49分)に通過。

エイドに入りすぐにデポジットバッグへ。
汗はかいておらず靴下も濡れていなかったので着替えは不要と考え、補充と補給に専念しました。
3周目の補給食をザックに入れて、用意していたカップヌードルを温めている間に給食のうどんを食べているとお腹が満腹に。
食べ過ぎると良くないと思い温めていたカップヌードルは渋々処分(ごめんなさい)。
仲間からのLINEを見て滞在時間25分ほどで出発。
エイドを出る時にボランティアの方が、まるで闘いに行く戦士の様に送り出して応援してくれました。とても心強かった。

3周目

エイドで休みすぎたせいか出発時に体が震えていました。幸いまた動いているうちに体が温まり震えが無くなりましたが、危うく低体温症になるところでした。もう少し休憩時間を短くしたほうが良かったかなと反省。

鉢伏山は苦手な山なので安全に進む。2周目と同様に四つ這いになりながら何とか登る。下りも階段は恐る恐る。
周回を重ねても苦手な所はなかなか慣れることができませんでした。

野間峠も登り切り平坦と下りの区間。膝が痛かったので痛くない所だけ走ることに。
平坦は痛くない、下りは少し痛いので歩こうと思いましたが歩いた方が痛く感じたので軽く走ることに。痛みはあるが走れないほどではない。
2周目は長く感じた野間峠から兎和野高原の7kmも慣れてきて「まだ3kmほど、まだ4kmほど」と感覚で距離を刻み我慢して走ることができました。日々ランニングをやっている効果か距離感覚が体に染みついていたと思います。
そろそろかな?と思うところでエイドまで1kmほどのロードに出た。
よし!あと一山だ。
自分の中では苦しい区間を乗り切ったこともあり。安心感が大きかったです。
これらの感情から私にとって瀞川山は得意な山だったのかなと感じます。

3回目の瀞川山。もうここの登りは慣れていました。
滑りやすい土に疲労で踏ん張りが効きにくくなっている脚。
それらを考慮して地面にある木の根と石を踏んで滑り止めにして反動をもらいながら登っていく。
野間峠からの下りでスピードが出せなかったせいか脚が残っており止まらずに進んで走れる所は走りました。
(少し自慢になりますが、この山で5人のランナーを抜き瀞川山からゴールの区間は21位の順位でした。)
瀞川山を登りきり残すはハチ北スキー場を目指すのみ。

ラスト瀞川山 スタート翌日の5:05頃

ここまで来たらもうウィニングラン。
フィニッシュまで走れるだけ走り、最後のゲレンデの下りも駆け下りていく。

会場が目に入りゴールゲートが見えてきた。
朝早いというのにゴール地点にはボランティアの方らしき人が拍手で迎えてくれる。
一歩一歩ゴールに近づき、フィニッシュ!

フィニッシュタイム20時間52分(5:52)
112kmを走り切り感無量。
過去にない達成感を感じました。

感想

大会が終わり1週間以上経つというのに今も余韻に浸っています。笑

はじめて参加したKAMI 100であり100km超えのトレイルでしたが、目的の完走と初の夜間トレイルを走り切れてトレラン経験が上積みできたと感じています。
またITRAポイントも獲得でき(おそらく5ポイント?)FUJI 100へ前進できたことにとても満足しています。

はじめての事が多く、一人での遠征でしたが大会ボランティアの方や宿泊した旅館わさびやの方、ハチ北の方々がとても親切でレース前とレース後も一切の不安がなく安心して過ごすことができました。
レースを通じてポジティブに走りきれたことはハチ北やボランティアの方々のホスピタリティのお陰だと感じています。

コースも本当に素晴らしく、普段からトレイルコースとして整備されているようで走りやすくコース表示も分かりやすかったです。
アタックする山はパンチがあり鉢伏山と瀞川山はランナーの脚を追い込んできますが、その分やりがいがありレベルアップにもつながると感じます。コースの水捌けもよく2日前から降り続いた雨は全く問題になりませんでした。

また往路と復路ですれ違いざまに声を掛け合い励まし合えるレースで、単独で走っているはずなのに一緒に参加しているランナー同士がみんなで完走しようと一致団結しているレースだなと思いました。普段あまり声をかけるタイプではないのですが、自分ってこんなに声かけるんだと思いながら走っていました。笑

そしてなんといっても満点の星空!
この星空を見るためにナイトトレイルがある112k、74kに参加する価値があるといっても過言ではない(あくまで個人的感想です笑)と思えるぐらい綺麗な星空でした。
見たことない星が見れるハチ北の星空、本当に素晴らしかったです。

100kmのトレイルレースを検討中の方にぜひお勧めしたいレースです。

まだまだ書きたいことがたくさんありますが、他の記事も書きたいのでこの辺で失礼します。

KAMI 100、ハチ北 本当にありがとうございました!


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