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人の人たる所以

コロナ以来、世間に殺伐とした雰囲気が蔓延しているように感じるのはわたしだけでしょうか?

物理的に隔離され、リモートワークが当たり前になり、思想などの違いによる分断が顕著になり…

想像力や思いやりに欠けた行動が目立つように感じるのは、わたしだけでしょうか?


触れ合いの欠如が人間性を奪う

わたしがオイルマッサージを生業としているのは、肌に直接触れるマッサージが大好きだからですが、触れられるのはもっと好きです。

なぜなら「肌に直接触れる」行為は、単に肉体的な気持ち良さだけでなく、深い安心感を得られるからです。

神経伝達物質であるオキシトシンは「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれ、安らぎを与えたり、信頼感や共感を育んだりするものですが、その分泌を高めるためにもっとも効率良い方法が「スキンシップ」です。

例えば赤ちゃんと母親の場合では、授乳(触覚刺激)、見つめあう(視覚刺激)、におい(嗅覚刺激)、泣き声(聴覚刺激)によってオキシトシンの分泌が促進されます。

母親以外では触覚刺激が重要である可能性が高く、皮膚刺激による興奮が脳に伝えられることで、心地よさの誘発とともにオキシトシンが放出されるとされています。

マッサージの研究では、15分間の背中の施術で血液中のオキシトシン量が増加することが確認されました。その際、マッサージはゆっくりとした速度(秒速5cm)で皮膚に圧をかけながら触れることに効果があります。

「オキシトシンによる幸せ効果とは」より

また、スキンシップは前頭葉の働きを高める効果があり、人間性の形成に大きな役割を果たします。

前頭葉は、大脳の前部に位置し、人間の運動や言語、感情、思考、判断力、集中力、気分のコントロールなどを司る器官です。

前頭葉は「人間が人間らしく在る」ための重要な働きを持つ部位で、感情のコントロールや知的判断を行う場所です。

前頭葉の機能が低下すると無気力・無関心・想像力の欠如などがみられますし、また、老化により前頭葉の萎縮が起こると、怒りっぽくなったり、気分のムラが激しくなったり、気力が失せたり、非常識な行動を取りやすくなったりします。

前頭葉の老化は放っておくと認知症のリスクが高まるので、スキンシップなどの触れ合いや新しい経験をして感情的に心地良い刺激を与えることを忘れないようにしたいものです。


ゆっくり丁寧に触れるのがコツ

オキシトシンの分泌を高めたり、前頭葉を活性化させるために、触れる側はゆっくりとしたスピードで愛情をもって優しく丁寧に触れるのがコツです。

触れられる側はゆっくりとしたリズムで呼吸をし、自分の体に意識を集中させると非常に効果的です。

素早いスピードで強い触れ方は、気合を入れるなど興奮や覚醒効果はありますが、その分緊張感を高めてしまうので逆効果です。

※緊張感の高まりはストレスそのものであり、コリや痛みの原因になります。

ですからマッサージを受ける場合には、強く揉み解すタイプのものではなく、癒し効果の高いゆったりとしたものを選ぶことが大切です。



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