ボーリック

某小売企業に勤務。 埼玉生まれHIP HOP育ち、無理して東京暮らし。 2人の男子の父。 趣味は読書、ランニング、大河ドラマ。 朝井リョウと西加奈子をこよなく愛し、マヂラブANN0を愛聴しております。 主に読んだ本の紹介などしておりますが、結構雑多です。 よろしければ是非。

ボーリック

某小売企業に勤務。 埼玉生まれHIP HOP育ち、無理して東京暮らし。 2人の男子の父。 趣味は読書、ランニング、大河ドラマ。 朝井リョウと西加奈子をこよなく愛し、マヂラブANN0を愛聴しております。 主に読んだ本の紹介などしておりますが、結構雑多です。 よろしければ是非。

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育休日誌vol.11 育休が終わるにあたり

4月から6ヶ月間取得した育児休業が終わり、10月1日からは職場に復帰します。 先日、復職面談と10月1日付の内示をもらってきました。 あぁ、いよいよ仕事か。。 さて、半年間不定期で更新してきた「育休日誌」も終わりを迎えるわけで、 最後は育休が終わるにあたり、思うところを書いてみようと思います。 育休を取得して良かったか この答えはもう、一点の曇りもなく「良かった」です。 本当に良かった。 期間として6ヶ月取ったことも良かったと思います。 良かったと率直に思う理由や、期

    • 子供は”他人”である、という考え方

      24年10月29日に放送された『星野源のオールナイトニッポン』内のコーナー「ニセ明のオールナイトニッポン」で、「家族に自分の夢を相談するべきか」という相談に対してニセさん(星野源さん)がサラッとこう答えた。 この言葉にハッとした。 もちろん源さんの意図としては、普段から色々と相談できている関係であればいいけど、そういう家族だけではない、というニュアンスを含めていたのだけれど、「家族は他人だ」という考え方は、まさに自分がその数日前に、自分自身が心に刻んだ言葉そのものだったのだ

      • ミン・ジン・リー / PACHINKO パチンコ

        パチンコ ミン・ジン・リー原作の長編小説。 1910年から1989年。舞台は影島(ヨンド)から大阪、東京、長野、横浜、そしてニューヨークへ。 4世代に渡る在日コリアンの物語。 自分はその歴史を深く知っているわけではないので、偉そうに語ることはできないし、当事者ではないために苦しみを感じることもできない。そんな自分がこの作品とどのように向き合っていけば良いか。迷いながら読み進めた。 当たり前のように襲ってくる試練、幸せになりかけた瞬間に突然崩される日常。在日であること(

        • 『響け!ユーフォニアム』そして『リズと青い鳥』自分が置いてきてしまった青春時代。

          世間からは遅ればせながら、『響け!ユーフォニアム』にドハマりしている。 きっかけはまたも星野源のオールナイトニッポン(それしかないんかい) シーズン3の冒頭で「恋」が流れて感動したというエピソードを話されていて、その時は(あー、なんかそんなアニメあったような。。)と思い、いつか観てみようかな、くらいの気持ちで心の片隅に置いておいた。 そして数週間前、ふとエアポケットのような時間ができた時に、シーズン1の1話を観た瞬間から、睡眠時間(命)を削っての『響け!ユーフォニアム』ブー

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        育休日誌vol.11 育休が終わるにあたり

          家族旅行記録その2 沖縄<北谷、美ら海水族館、ザ・ビーチタワー沖縄 etc..>

          ”その1”で終わりそうな雰囲気でしたが、ようやく”その2”を書く時がきました。 24年7月上旬。沖縄に行ってまいりました。 一昨年行こうとしたら台風直撃で断念。 昨年は全くそんな余裕もなく、2年越しのリベンジ。 1か月経ってしまいましたが、いまだに家族全員沖縄ロス状態。 あぁ、楽しかったなぁ。 そんな一瞬で過ぎ去っていった2泊3日の沖縄旅行を振り返ってみました。 ■1日目①空港への移動 子連れ飛行機旅行最大のネックが「空港との往復」 今回は空港シェア移動サービスの『N

          家族旅行記録その2 沖縄<北谷、美ら海水族館、ザ・ビーチタワー沖縄 etc..>

          『ルックバック』を観て泣いてしまうのは何故だろう。

          映画『ルックバック』は素晴らしい作品だった。 素晴らしすぎて、初めて観た日の夜に、翌日のチケットを取っていたくらい。 何が素晴らしいって、あ、 (ここからやんわりネタバレ含みます。ご注意ください。) まず音楽が素晴らしい。 haruka nakamuraはずるいって。 haruka nakamuraにオファー出したスタッフをここに呼んでくれるかな? 一言お礼を言いたい。 そして一方で、haruka nakamuraが世間により一層知れ渡ってしまったという悲しみにも襲われた

          『ルックバック』を観て泣いてしまうのは何故だろう。

          『テッド・ラッソ』 自分自身が好きになる物語。

          『テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく』 この作品を知ったきっかけは、『星野源のオールナイトニッポン』だった。その日の放送は語り出しがとても印象的だったので、鮮明に覚えている。 源さんの少年時代、祖父の家に向かう途中のバスの中で、パニック障害を起こした話に。おなかが痛くないのに焦る感覚。その時の”感覚”は成長するにつれて消えていき、話に出ることも少なくなった。その感覚を持っている人にしばらく会わなかった。でも、とある人が同じ状態だった。 それが、『テッド・ラッソ』というド

          『テッド・ラッソ』 自分自身が好きになる物語。

          YOASOBIの解像度 ─『葬送のフリーレン』シーズン2が始まって思うこと。

          今クールのアニメは『葬送のフリーレン』『薬屋のひとりごと』『ダンジョン飯』で決まりですかね。 前の2つは前クールから継続だがぶっちぎりで面白い。 そしてふと思うのは、最近のアニメのオープニング/エンディングってほぼ同じアーティストで回ってるよなぁということ。 YOASOBI、Aimer、緑黄色社会、milet、アイナ・ジ・エンド…。 仕方がないと言えば仕方がないけど、毎度既視感(既聴感?)を覚えてしまう。 そんな中、やはりYOASOBIは別格だなと思う。 『葬送のフリーレン

          YOASOBIの解像度 ─『葬送のフリーレン』シーズン2が始まって思うこと。

          ラジオの力 ─1月2日の星野源ANN生放送を受けて。

          1月1日、能登半島で大きな地震が発生。 最大震度7。 東京も震度3だったが、子供と遊んでいた私は揺れに気付かず、異変に気付いたのはYahoo!ニュースを見てからだった。 それくらいに、東京では被害はなかったが、確認のためにテレビをつけた瞬間、一気に気持ちはあの時に戻されてしまった。 テレビのチャンネルは一部を除き特別番組に切り替えられ、画面のL字は地震と津波の情報に埋め尽くされる。 そしてそこをはみ出すように大きく映される「にげて」のテロップ。 東日本大震災の時に感じた恐怖

          ラジオの力 ─1月2日の星野源ANN生放送を受けて。

          MATSUMOTO

          普段あまりリアルタイムのテレビは観ないのだが、その日たまたまつけたテレビでやっていた『世界仰天ニュース』は、最後まで見入ってしまった。 オウム真理教による”松本サリン事件”を追った特集だった。 再現ドラマや当時の映像を交えながら、Xデーに向けて進んでいく狂気に、目を奪われてしまった。 サリンやVXを製造する理由も、松本市で凶行に及ぶ理由も、その後に”地下鉄サリン事件”を起こす理由も、どれもが信じられないくらいに身勝手な、そして理解不能なものだった。 その理不尽な事件によって

          朝井 リョウ / スター

          大学時代に同じ映画サークルに所属していた尚吾と絋。一緒に監督した作品が映画祭のグランプリを獲得し、"次世代のスター"として将来を嘱望されていた2人。 尚吾は著名な映画監督に弟子入りし経験を積み、一方で絋はその卓越した撮影・動画編集技術を武器にYouTubeの世界で活躍をし始める。 "映画"という価値基準であれば尚吾の方が成功のレールに乗っているはず。だけど世間はSNSを起点に一気にバズった絋に注目する。 自分の方が”本流”に乗っているはずだ。そう信じていた尚吾の価値観が揺らぐ

          朝井 リョウ / スター

          瀬尾 まいこ / 卵の緒

          瀬尾まいこさんは、決してシンプルじゃない家族を、とてもシンプルに描く天才だと思う。 瀬尾作品の特徴。 家族の会話は、割とそっけないけど暖かくて、食事はとても美味しそう。 突然悲しい出来事に襲われる。(本当に、突然) でもジェットコースターのような気持ちの上下は無くて、読んでる間ずっと暖かい気持ちが続いている。 "生きづらさ"から決して目は逸らさないけど、でもそれを軽やかに飛び越えていく。 読んだ後、少し泣きそうになる。 本当になんだか、不思議な作家さんだなと思います。  

          瀬尾 まいこ / 卵の緒

          西 加奈子 / 通天閣

          通天閣、新世界には、旅行や出張で4回くらいしか行ったことがない。なのでTHE 観光客目線にはなってしまうが、ただ、明らかに大阪の他の場所とは違う空気が流れていて、個人的にはとても好きな場所だ。もともと東京でもやや治安が悪い場所が好きなところがあるのだが、新世界は治安が悪いとかとは少し違う。いや、実際治安は悪いんだろうけど。なんというか、人間が生きてるんだよなって感じ。脇道に入るとひりつく空気。嘘も綺麗事もない感じに惹かれてしまうんだと思う。そんな空気を一通り感じた後に、常に見

          西 加奈子 / 通天閣

          朝井 リョウ / 死にがいを求めて生きているの

          植物状態で入院している青年がいて、彼の元に頻繁にお見舞いに来るもう1人の青年がいる。その病院で働く看護師の視点から始まる物語。 それが、まさかこんな形で帰結するとは。 話が進むにつれて、自分が最初に感じていたこの世界のイメージが、どんどんと塗り替えられていく。 例えばある人物が、1章でこんなセリフを言う。 とてもいい言葉だなと思いメモに残す。 そして最後まで読み終わった後に、改めてこのセリフを見た時、その印象の違いに愕然とする。 天才朝井リョウの真骨頂。今作でも、ま

          朝井 リョウ / 死にがいを求めて生きているの

          星野 道夫 / 旅をする木

          昨年末に東京都写真美術館で開催された星野道夫さんの写真展『悠久の時を旅する』、そしてharuka nakamuraによる『旅をする音楽』── harukaさんのピアノに合わせた、本書『旅をする木』を中心とした星野道夫さんの言葉の朗読。 それまで星野道夫さんと言えば、ヒグマに襲われて亡くなった写真家というイメージしかなく、その写真展も、どちらかというとharukaさん目当てなところもあった。 しかしそこで見た星野さんの写真── 自然や動物たちは力強く、人は温かく優しく写された

          星野 道夫 / 旅をする木

          外山 薫 / 息が詰まるようなこの場所で

          タワマン文学の雄・窓際三等兵の父親の息子(?)・外山薫氏による初の長編小説。 なに、君はなんだかんだタワマン文学が好きなの?って話ですが、えぇ、好きなんですよ。 タワマンに住む人間の妬み、嫉み、ヒエラルキーにマウンティング。もう完全に他人事として楽しんでいる。 だから今作も、そんなことを期待しながら、割と気楽に手に取ったわけだが、読み終わった後、ひどく後悔をした。いい意味で。 タワマンに暮らす2つの家族を、それぞれの父親、母親の視点から1年という時系列で描いた作品。 本作

          外山 薫 / 息が詰まるようなこの場所で