モーニングNo.47(2024)※ネタバレあり
私は大学生の頃から講談社の週刊モーニングと月刊アフタヌーンを購読している。集英社のジャンプ、ヤンジャン、小学館のサンデーも購読していた時期があったが、途中で「卒業」という体で止めて、現在はモーニング、アフタヌーンとジャンプを再開し、合計3誌に絞って読み続けている。
前置きはさておき、せっかく読んでいるのだから感想を言語化することにする。しかし、掲載作品のすべてについて毎号感想を申し上げることは難しいので、3つの作品に絞って言及することをルールとしたい(但し、3つが素直にベスト3ということではない。期待のあまり不満からコメントすることなどもあるだろう)。
これは集英社のジャンプに掲載される冨樫義博さんの漫画「HUNTER×HUNTER」で言うところの制約と誓約である。自分の書くものに一定のルールを設けることでより強い文章を紡ぐことが可能になると考えられる。そしてそれを破ったときには私の親指は爆発するだろう。
冗談はさておき、先週のモーニングの感想を述べたい。
まずはなんといっても「宇宙兄弟」だろう。佳境も佳境なので、単行本派でネタバレ駄目な人は飛ばしてくださいね。
そもそも今号の表紙がムッタがいる月面と「前略 今、大変なコトになっています。」という文字が大きく配されているものになっており、クライマックスが近づいている気配をひしひしと感じさせる。
宇宙空間をさまよう絶対絶命のムッタが、地球側の作戦を知り、希望を抱く。そして、ヒビトがいよいよ最終操作に入るぞというところが描かれている。状況が状況なので当たり前かもしれないが、お互いを見つけられるのかという緊張感の伝え方に見事成功している。次回が待ち遠しい。
今号で一番ショックだったのは「リエゾン―こどものこころ診療所―」である。
本作はすでに実写ドラマ化もしているので有名かもしれないが、ずっとその後も本誌では連載が続いており、どの章も心に迫る描写で生き辛さを世に問い続けている。
児童精神科医の志保が病棟勤務の挑戦を始めた病棟勤務編と呼ぶのか、が始まっている。入院する子どもたちとの距離感で考えることに、自殺を選ぶ子どもにどう向き合うかという問題がある。そこで先輩医師の近藤の過去が描かれる今号。ところどころのコマ割りがやっぱり上手くて、切ない。どうしようもなくしんどい。死んだほうが楽と思ってる人は止められんのかなぁ。辛い。
さて、最後に述べておくのは、最近読むのが楽しみになってきた「アパレルドッグ」だ。
この作品はモーニングらしい職業漫画で、描かれるのは服飾の世界である。まだ12話で、これからしっかり続いてくれることを願っている。
服が大好きな8年目社員の田中が会社のメンズブランド立ち上げのプロジェクトを任されるところから話は始まる。
私はファッションの知識もセンスもからっきしだが、だからこそ知らない世界過ぎて面白く読むことができる。
絵もきれい過ぎず、筆線のクセが出る感じのラフさが残っており、そうした質感も読み心地がいい。
今はプロジェクトに必要な人材が次から次へと集まる、見出す、出会う段階で、徐々にクセ強めなキャラが増えて行くのが楽しいところである。今後に期待したい。
以上、感想でした。
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