30は男が動かなくなる理由になる
まずお断りしたいのは、ジェンダー問題で苦しんでおられる方へ。本記事のタイトルはそうですが、私としてはどっちもだよなという気持ちで受け取ってはいます。しかし、作品でのセリフであるのでそのまま使わせて頂きました。ご了承ください。
タイトルの文言は池松壮亮主演のドラマ「宮本から君へ」(2018年)で主人公の宮本に対して会社の先輩である神保(松山ケンイチ)が発したセリフの一部である。
作品は1990年から94年にかけて雑誌モーニング上で連載された新井英樹さんの同名漫画を原作としている。文具メーカーの営業として勤めることになった新入社員の宮本が仕事と恋に奮闘する姿が描かれる。先のジェンダー問題に関して言えば、1990年代の生活や職場が描かれるので、正直現代の考え方にそぐわない部分も多く、人によっては不快なドラマだったかもしれない。そもそも、この原作自体も奮闘する宮本の姿が青く、熱すぎて当時から引いちゃう人が一定数いることで反響があったようではある。ドラマもその熱さそのままに青臭い青年のがむしゃらな感情を描いており、私はその熱さが好きだった。
前置きが長くなったが、私事ながらこの度29歳を迎える。私が「宮本から君へ」に出会ったのが院生の最後か就職したての頃か記憶が曖昧だが、映画版をそれほどタイムラグなく観た記憶があるので、やはりM2の頃だったかな。それから5年経った。
作中では先輩である神保が28手前で会社を辞めて独立する。入社以来面倒を見てもらっていた宮本が、会社を辞める理由を神保に聞いた時のセリフがこの記事のタイトルで、正確には「俺はもうすぐ、28だ。背伸びなしに30が見えてくる。30は、男が動かなくなる理由になる。そういうことだ。」と言い放つ。
このドラマを観てから、なんとなくそういうもんかと思って、30を一区切りの目標にしてきた。30までには何者かになっていたいし、何者にもなれずに、ぶつぶつと不平不満を言いながら行動に移せていなかったら、その世界は諦めて、別の道に歩むべきだとも思って生きてきた。
未だ何者にもなれていないが、一方で何者というのは後から付いてくることなので、自分で追いかけるようなものではない、ということも分かってきた。しかし、それについても自分に関しては、何もできていない言い訳では、と思うこともあり、全体としてまだ行動が伴っていないのだろう。
もっと頑張ろう。仕事では信頼して頂けるようになったおかげか、少しずつ面白い話や出会いもあり、やりたいことができるようになってきた。しかし、もっとやらなきゃいけない。自分に求められる役割を果たしきれてはいないのだ。
結局毎年同じような反省を繰り返すのだけれど、30を前に次の1年は改めてがむしゃらに打ち込んでいきたいと思う。
ということで29の節目での反省でした。
よし、本気出しますか。
のぶ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?