屋上のバイオテロ -後編- 【短編小説】
1コール。2コール。3コール。
いくら電話をかけようとしてもミヤノは出なかった。俺は授業を抜け出して、学校の敷地の外にいた。
近所の神社で何度も端末とにらめっこしては電話をかけた。
どこかで俺はミヤノが今回の事にかかわっていない可能性を考えていた。
そうであってほしい、という気持ちと事実はいつだって矛盾する。そういう故事や教訓がきっと教科書に載っている気がしたが、そんな感情を追い払いたかった。
俺はミヤノと一番の友達だと思っていた。少なくともテロリズムを語るミヤノは