D-Genes 5 【短編小説】
「なるほど、それこそ、俺たちに罪を着せるってわけね。まてまて。俺たちが裁判とかでSTR配列のデータベースについて証言したらどうなる?そんなデータベースを大っぴらにしたら、例え俺たちだけのせいになっても、困るだろ。ヘテロ社はデータベースの存在も隠したいはずだろ?」
「いや。多分、『公然の秘密』にしたいんだろ」
「なんだそれ」
「要は、裁判では俺たちの罪と判定されたが、世の中の皆さんはヘテロ社にSTR配列のデータベースがあるって気がついてる。ヘテロ社にとってそんな状態が望ま