【 #DisneyLORCANA 】ゆるMtGプレイヤーが遊ぶディズニー・ロルカナ【構築済みデッキ対戦編】 #ディズニーロルカナ #mtg
どうもきみたりです。note3つ目の記事にして早くもMtGの話じゃなくなってしまいました。あれえ……?
まあでもほら、鉄は熱いうちに打てと言うし。自分のモチベはもちろん、ロルカナ自体も日本語版第一弾発売で熱のあるうちに、とりあえずなにかしらの文章に残しておこうかなと、これはそういう記事です。
内容としては「ディズニーロルカナって何?(ざっくり)」&「先行販売で買った構築済みデッキ2種で対戦してみた感想」になります。
ディズニーの知識はほぼキングダムハーツⅠ、Ⅱから得たものしかない筆者ですが、カードデザインを見たときからどうしてもプレイしたくて……カード内の情報の置き方があまりに"完璧"って感じだったから………。
……というわけで前半は「ロルカナってそもそもどんなゲーム?」という話を、後半は実際遊んで気付いたゲーム性についての話を、どちらもあくまで「MtGプレイヤー向けに」を心がけつつ書いていこうと思います。なぜならこの記事をそのまま身内への布教にも使いたいからです。
なお筆者はMtG以外に長期間プレイしたカードゲームが概ねドラゴンクエストライバルズとレジェンドオブルーンテラだけの人類なので、そっちの例えを使う可能性もあります。それで例えて誰がわかるんだよ。使うな。
では目次を挟んで早速本編です。
◻️Disney LORCANAって?
ディズニー・ロルカナ(Disney LORCANA)はディズニー発の対戦型TCGです。プレイヤーは不思議の世界「ロルカナ」で、インクを操る魔法使い「イルミニア」となり、ディズニーキャラクターやアイテムを魔法のインクで描き出して伝承(ロア)を集めることを競います。
ロルカナ=多元宇宙
イルミニア=プレインズウォーカー
ロア=さまざまな魔法
と置き換えると、かなりマジック:ザ・ギャザリングと近い世界観のゲームと言えなくもない、というか、率直に言ってMtGのフレーバーをディズニーのゲーム向けに換骨奪胎した感がかなりあります。こちらとしてはとっつきやすいので良いのですが。実はドラゴンクエストライバルズもわりとこんな感じで〜……
では具体的なゲームプレイについてはどうでしょう。これも「MtGと近いのか?違うのか?」という観点から大まかに整理してみます。
《MtGに近い点》
・色の概念がある(6色ある)。
・デッキの総枚数は「60枚以上」である。
・マナコストとその支払いにあたるシステムがある。
・パーマネントと呪文にあたる概念がある。
・戦闘にパワー/タフネス的な値を用いる
・タップ、アンタップ、召喚酔いのような概念がある。
・多人数戦を(一応)サポートしている。
・デッキにカードがないときにカードを引こうとすると敗北。
《MtGと違う点》
・相手のライフを削るのではなく、各々が勝利点を集めるゲームである。
・土地にあたるカードはない。代わりに、カードを裏向きにセットする。
・インスタントタイミングの行動は存在しない。
・戦闘は攻撃先のキャラクターを指定し、キャラクター間のみで行う。
・戦闘もメインフェイズで行う。戦闘フェイズはない。
・キャラクターのダメージはターンを跨いで蓄積される。
こんな感じでしょうか。ゲームの準備やターンの流れも追いつつ、もう少し詳しく見ていってみましょう。(以下、画像の引用は全て総合ルールか公式サイト、またはクイックスタートガイドから行います)
◎ゲームの準備
MtG同様、同名カードは4枚まで。加えて、レジェンドオブルーンテラ同様、色の種類は2色までという構築上の制限があります。
色は、黄(アンバー)、紫(アメジスト)、緑(エメラルド)、赤(ルビー)、青(サファイア)、灰(スティール)と鉱物の名前で表されています。
デッキ名もこれを用いて「アメジスト・ルビー・コントロール」とか「サファイア・スティール・ランプ」とかのように呼ばれているようです。略称はまだなさそう。なおサイドデッキやエクストラデッキに当たるものも現状ない模様。
特に説明はないです。
コインでもダイスでもじゃんけんでも、好きな方法で。
マリガンルールは「一回のみ、手札から任意の枚数をデッキの下に送り、その枚数分をデッキの上から引く。その後、デッキをシャッフルする」というもの。
お互いにマリガンまで済ませたら、ゲームの準備は完了です。
◎ターンの進行
ターンは《スタートフェイズ》、《メインフェイズ》、《エンドフェイズ》の3フェイズのみで構成されています。シンプルですね。順に見ていきましょう。
用語が違うだけでMtGとやることはまったく変わりません。縦向きのカードを「レディ」状態、横向きのカードを「エグザード」状態と呼びますが、要するにアンタップ状態とタップ状態です。
また、先攻ドローがないこともMtGと同様です(相違点として、多人数戦でも先攻ドローなしのよう。少なくともルールに記載はない)。
スタートフェイズについては以上です。
自分の「インクウェル」に、手札のカードを相手に見せてから裏向きかつ縦向き(レディ)で置きます。要はセットランドです。初手から例外で草。
なお、相手への公開が必要になる理由はインクにできるカードとできないカードがあるため。これらはコスト欄のアイコンが違うのですぐ区別できます。
インクウェルは非公開領域のため、一度置いたら後から表面を見てはいけないことに注意。並べ替えは問題ありません。
インクは置いたターンからすぐに使うことができます。また、インクには色の区別はないので、このゲームに色事故という概念はないです。置ける枚数にも制限はありません。
カードの大分類は「キャラクター」「アイテム」「アクション」の3種です。少ない!(嘘。他に「ロケーション」というカードタイプがある。ただこれは第一弾には収録されていないため割愛)
「キャラクター」と「アイテム」はグリマー(MtGで言うパーマネント)であり、プレイすると場に残ります。場に置けるカード枚数に上限はなく、並び順なども自由です。
「アクション」はMtGで言うとソーサリーであり、使い捨てです。効果の解決後は捨て札(ディスカード)に置かれます。
いずれのカードも、カード左上に書かれたコスト分、インクを横向き(エグザード)にすることでコストを支払いプレイします。
また、「アクション・歌」と書かれているものは共通の代替コストとして「その歌のコスト以上のコストを持つキャラクター1体のエグザード」でプレイ可能です。
どちらも書かれているコストをその通りに支払って能力を使用するだけです。注意すべきことは「このゲームにインスタントタイミングはない」ことくらい。
また、キャラクターには召喚酔いがあることにも注意が必要です。フレーバーに沿って言うと、場に出たばかりのキャラクターはインクが「塗りたて」の状態のため、コストとして横向きにする必要がある行動は「インクが乾く」のを待ってから行わなくてはいけません。(ただしアイテムは召喚酔いしません。なんで?)
「クエスト」とは、自分のコントロールするキャラクターを横向き(エグザード)にして、そのロア値分のロア(伝承/勝利点)を獲得することを言います。なお、インクの乾いていないキャラクターや、ロア値の書かれていないキャラクターではクエストは行えません。他のプレイヤーより先にロアを20点以上集めたプレイヤーは、ゲームの勝者となります。
「チャレンジ」とは、自分のコントロールするキャラクターを横向き(エグザード)にして、対戦相手の横向きのキャラクターとダメージを与え合うことを言います。
キャラクターは互いにパワー分のダメージを相手の意志力に与え、意志力以上のダメージを受けているキャラクターは捨て札(ディスカード)に送られます。「縦向き(レディ)のキャラクターにはチャレンジを行えない」ことはかなり重要。
MtG語で言うと「あなたがコントロールしているアンタップ状態のクリーチャーをタップする。それはあなたがコントロールしておらずタップ状態であるクリーチャー1体と格闘を行う」というような感覚でよいかと思います。ただし、インクの乾いていないキャラクターではチャレンジを行えません。
メインフェイズで行えることは以上です。これらの行動はルール上ではまとめて「ターン行動」と呼ばれています。
なんと構築済みデッキ付属のスタートガイドには記載がありません。が、総合ルールには存在しています。
もっとも、手札上限がなく、ダメージも次ターンに引き継ぐゲームなので、エンドフェイズに行われるのは上記の2つだけです。そのまま相手のターンとなるため、そんなに意識する必要もないのかもしれない。本当か?
さて、ターンについての説明は以上です。あとは各プレイヤーがこれを繰り返し、前述の通り、いずれかのプレイヤーがロアを20点以上集める(か、一人以外のプレイヤーがデッキ切れなどで敗北する)とゲーム終了になります。
ゲーム終了条件が勝利点依存なので、ゲーム内のプレイヤー人数が増えても大量のライフを削ったりループコンボに頼ったりする必要のないデザインになっていると言えそうですね。とはいえまだ実際にプレイしていないので、多人数戦については実際遊んでみてから記事にしたいところです。
その他、MtG民が気になりそうな点については……スタック的なものはないの?という点でしょうか。
これについては「バッグ」と呼ばれる(スタックのように仮想の)領域があります。ただしここで処理されるのは誘発型能力だけです。(総合ルール8.7.3.)
カードのプレイや起動型能力はそのつど解決され、誘発はその後にチェックする形のよう(総合ルール内では、少なくともアクションのプレイについては項番6.3.4.にそう明記されています)。
MtG民的に要注意なのが複数のプレイヤーのコントロールする能力が同時に誘発した場合、処理は必ずアクティブプレイヤーが優先であること(総合ルール8.7.5.)。
要するに、先入後出が基本のスタックと異なり、バッグは先入先出が基本です。「各プレイヤーの領域は、デッキ、手札、場、インクウェル、捨て札、バッグである」と総合ルール内用語集に記載のある通り、おそらく「各プレイヤーが自分のバッグを持ち、アクティブプレイヤーから順にバッグを空にしていく」というイメージなのでしょう。(ちなみに以下画像の通り、バッグに関するルールには多人数戦の場合かなりややこしくなりそうなことが書いてあるのですが……それは後々、多人数戦編で書くかもしれません)
ロルカナって何?&ルールの確認は以上です。どこがざっくりだ。 では、ようやく構築済みデッキ対戦編に進みましょう。
◻️構築済みデッキ対戦編
第一弾の構築済みデッキは3種類あります。
そのうち、今回対戦に使ったのは以下の2デッキ。
ちなみに1デッキは定価2,178円(税込)。
ブースターパックが1つおまけについてきます。
◎ファーストインプレッション
デッキを眺めた印象として、まず4枚積みのカードがないことが気になります。特にレアリティがレア以上のカードはそれぞれ1枚積み、デッキの軸になる、4積みしたいカードも3枚しかなく、これを元に強化するときに方針がわかりやすいようにしているのだろうなと。
ただこのゲーム、構築済みデッキのカードは普通にパックからも排出されるので、構築済みを複数買おう!という感じではなく、(友達と遊ぶくらいなら)普通に強めのコモンアンコモンから集めてじわじわ強化していけそう。
カード自体の印象は、はじめに書いた通り各情報が見やすい配置なのは良いところ。一方で国産TCGと比較するとちょっと裁断が粗いような印象も。コレクター気質の方は結構気になりそうかも。
付属のクイックスタートガイドの最終ページにはプレイ指針。裏表紙にはターンの構成早見表があるので、基本はここを読みながらプレイを進めることになりそうです。
◎プレイ中に思ったことや出た声
・【朗報】MtG民の誰もが「いつ使うんだよ」と思っていたバンドル付属のクソデカスピンダウンライフカウンター、ロルカナのロア管理に最適。
・どの色もコモンの1コストは2/2バニラが標準。そのせいで2コスト以上の意志力2がだいぶ脆く感じるし、意志力が奇数のキャラが強く感じる。
・《手練》あるじゃん!
・ゴーレムもいるじゃん(ライバルズ話)
・実質《桜族の長老》もいる。
・(構築済みデッキだからということはあるだろうけど)手札が増えない。マジで増えない。MtGのリミテッドよりハンド枯れる。
・とか言ってたら殴られただけで手札が増える奴もいる。この構築済みを改造するならこういうカードから4積みにしていきたい。
・構築済みのデッキパワーでも10ターン前後での決着となった。重すぎずちょうどいいゲームレンジという印象。
◎ゲーム後に考えたこと
・行動としてはクエストの方がチャレンジより強い(というかチャレンジだけしていても勝たない)ので、ゲーム中いかにクエストしているキャラクター、ターンを多くできるか、を考えたプレイングができると良さそう。特にクエストを「相手にチャレンジさせるため」に行えると強い。
ただこれはあくまで理想であって、優位を安定させるのは難しい。ゲームエンドまでに引ける枚数がかなり限られているのもあり、そもそも構築の段階でこのことをどのくらい意識できているかがかなり重要と思われる。
・インクにならないカードは他に書いてあることが強くても体感かなり弱い。手札が枯れやすいから各ターンのトップからのドローの受けを広くしたいのに「今使えない/使ってもそんなに強くないが、インクにもできないカード」が手札に居座られるのは厳しい。
・まくるカードが少ないため、一旦差が開くと逆転が厳しいように思う。ただ、これは構築済みデッキでの対戦ゆえコントロール側にも全除去がなく、ランプ側にもアド源が足りておらず、というような、デッキ構築段階でのパワー不足起因に思える。
・後半に引いた軽量キャラクターもロア値さえあれば次ターンの勝利点に繋がるため、トップ勝負になりがちな一方で接戦であるほど許容できるトップが多い。攻撃力とロア値が別に設定されていることがここで活きており、良いバランスに感じた。
◎まとめ
総じて、初心者に優しいシンプルなルールで、テンポよく楽しくプレイできる、軽量〜中量級のバランスの取れたカードゲームというのが初見の印象でした。
MtGのインスタントタイミングの空中戦に慣れている人にはもちろん物足りない面があると思いますが、リミテッドのような細かいアドのやり取りを好むプレイヤーにはかなり楽しく遊べるのでは。高マナレシオのバニラクリーチャーが役割を持てていることもリミテッダーに親和的と言えるところに思えます。
また、「アクション・歌」カードがインスタントとは違う形でゲームテンポを撹乱してくるところがあったりと、見た目よりは工夫のしがいがあるというか、勘所で選択肢がちゃんと用意されており、単調なゲームにはならなかったように思えました。
似たタイプのマナシステムを持つであろう、デュエマプレイヤーとかの意見を聞いてみたい気もしますね。多分デュエマよりは全体的に穏やかなゲームだと思うので、そのあたりがどう思われるか、という感じ。
そういうことで言うと、似たルールも多い割には「これならマジックやってればいいかな」という感じにはあまりならなかったのが意外といえば意外かもしれない。
これが何に起因しているかと考えると、やはり戦闘と勝利点獲得が競合するアクションであり、カードの戦闘能力と勝利点獲得能力も別に設けられていることだと思います。ちょっとボードゲームっぽいと感じる理由でもありそう。
特に、ロア値の幅が攻撃力の幅より狭く設定されているのがポイントで、低コスト帯のカードと高コスト帯のカードでロア獲得能力には戦闘能力程の差が出にくいのが秀逸。
このゲームの独自性はおそらくここに集約されていて、クエストとチャレンジという選択肢のどちらを取るかを考えるのが、ゲームをしていて一番楽しいところだと感じられました。戦闘という行為の価値が相対的に高くないのは、ディズニーのゲームとしてのフレーバー面でもよく出来ていると言えるのかも。
そんなわけで、ゆるMtGプレイヤーによるディズニー・ロルカナ体験記、いかがでしたでしょうか。少しでも誰かの参考になったなら幸いです。
また、よろしかったらMtGの記事も見てやってください。直近のものは「ラヴニカ・クルーエディションのレビュー」とかいうニッチな記事にはなってしまうのですが(いや、でもこれもめちゃくちゃ出来のいい重量級ゲームに仕上がってて、是非とも全MtG民にプレイしてほしい最高のゲームなんですよ……!)騙されたと思って読んでくれると喜びます。
では、それがロルカナになるかマジックになるかは未定ですが、また次の記事でお会いいたしましょう。