自分は、
ひとが何に触れたときにどういう感情が動くかにとにかく興味がある
(そしてそれは、「ひとの感情を自分が動かし」たい、ということではない)
んだけど、
もっと正確にいうと、ひとが何に感情が動くかに興味がある、という自分の感情に興味があるんだとおもう。
だからたとえば、(というよりこれは自分と同じかそれ以上の男性はけっこうそうなのかもしれないけど、)
いわゆる「若い女性(アイドルやミュージシャン、もちろん一般人でもいいけど)」を見るとき、まず何に魅力を感じるかというと、その子が見ているであろう景色に何を感じているか、であって、その感情を「その子を通して」自分が感じる、ということをよくしている気がする。
ただそれは、自分がその子になりたいとか、自分が若いころを懐かしみたいとか、摩耗した感性を補完しようとしているとかではなく、その子を通して何かを感じようとしているその行為やその感情も全部ひっくるめて楽しんでいるんじゃないかとおもう。
()で書いたことだけど、たぶんエンタメにかかわるひとはむしろこれ(「ひとの感情を動かしたい」)が動機としてある人のほうが向いているんだとおもうけど、いま書いたような理由でそこは興味がなくむしろその興味を満たす手段としてはなかなか合致しないので、いつも満たされない気分でいる。
歳をとると、なのか、いまいる自分の環境や関係性がじつはその場限りでしかないことを知るほど、なのかはわからないけど、自分ではどうでもいいとおもっているけどほかの人が大事にしているから大事にしていること、や、自分が大事だとおもっていたことすら、どうでもよくなってくる。
そのかわり、自分が大事だとおもっているけどあまりに極端だったり、人に受け入れてもらえないだろうなとおもったりしていたことが、やっぱり自分にとって大事だったんだな、と確信せざるを得ない状況に追い込まれてしまう。それが何か、というのは人に説明しづらい、というか、その場ごとに立ち現れてくるものなので自分でも常につかみかねている。
みたいな感情もあるということです。