モラハラ対策会議(被害者編)とんとん拍子に駆け抜けるのはちょっと待って
モラハラにまつわる双方の視点から
モラルハラスメント(モラハラ)についてはこのnoteでも過去に何度か取り上げてきたのですが、改めて被害者側・加害者側双方の視点での前後編の記事を書くことにしました。前編は被害者の視点から書いております。
過去記事と同じく「モラハラ夫と食洗機 ~弁護士が教える15の離婚事例と戦い方~」堀井亜生(著) , ゆむい(著・まんが)(小学館)を参考資料としております。
運命の人に出会ったと思ってしまう罠
「モラハラ夫と食洗機」で弁護士の堀井氏が書いている通り、モラハラ気質の男性と結婚した女性は、マッチングアプリや結婚相談所で出会ってから「とんとん拍子」に結婚まで進んだ事例が多いとのことです。この事実は残念ながら婚活の場の弱点がはっきり表れていると感じます。
「決まる時になったらとんとん拍子に進んでいく」
というのは事業者側が好んで使う表現であり、結局は人と人との相性なので実際にその通りではあるのですが、とんとん拍子が訪れるまでの苦しさといざ訪れた時の嬉しさゆえに、判断が誤っていたとしても気づかず一直線に進んでしまう傾向があります。
通常、人間関係というのは長い付き合いの中で、良い面も悪い面も数多く見たうえで徐々に信頼を築いていきます。一方で婚活の場は長くとも3ヶ月ほどで先に進むか終わらせるかの決断を求められますし、目に見えない無数のライバルにお相手を持っていかれる可能性は常にあります。
こうしたゲームのルールと、お相手をじっくり見極める心構えとの両立はとても難しく、結局うわべは魅力的なモラハラ気質のお相手を選んでしまい失敗することがある。これは事業者側にとっても悩ましいところです。
Webアプリで「モラハラではない人」を見極める方法はあるか
結婚相談所で使われているWebシステムもマッチングアプリと同様の仕組みであり、それを使って出てくるお相手は、単に数字とタグが検索条件に該当しただけです。理想のお相手を見つける役に立たないというわけではないのですが、偏ったフィルタがかかるので本当に自分に合うお相手を見えなくしている可能性もあります。
ではどうすれば良いのか。極論ですが、検索条件は居住地と年齢程度の最小限にとどめた上で、あとはひたすら自己紹介文と仲人からの紹介文を読み解いていけば、文章の中からにじみ出るお相手の人柄を多少なりとも見極められるかもしれません。現代の基準ではずいぶん非効率なやり方ではありますが。
「中身が良い人」を探してみたけど見つからない
外見やステータスが魅力的な悪い人に引っかかるより、一見魅力に欠けていても本当に良い人を見つけて、その人が洗練されていくのを期待した方が良い、というのは私が再三述べているところですが、魅力的に見えない人に実際会ってみてもやはり魅力が無かった、「中身が良い人」なんて見つからない、という意見もよく聞きます。
そんなことはない、いわゆる「ハイスペック」という偶像とは違って確実に存在するはずだと思ったのですが、そういう人は検索では見つけにくい上に、見る目のある人が見つけたら確実に埋まるので、案外いないも同然に見えるのかも知れません。そして中身が良い人だけにキャンセル待ちも望み薄です。
だったら打つ手無しか、というところではありますが、本当に良い人というのはお相手に対してだけではなく自分の担当の仲人も大切にしますので、確実に仲人のお気に入りになっているはずです。
よって、自分自身が仲人と良好な関係になった上で、仲人から厳選されたお相手を紹介してもらうのが得策ではないでしょうか。自分自身が「中身が良い人」と認められる作戦です。