会社×婚活④ 自宅に閉じ込められた生活からの脱出
自宅の中で静かに病む人々
2020年に発令された一回目の緊急事態宣言による「おうち時間」。実に多くの業種が営業不能になり、人々は不要不急の外出を禁じられ、それまで当たり前に会っていた人たちともインターネット越しでしか顔を合わせられない異常事態となりました。
在宅勤務への転換が可能な職種は、失業を免れた上に安全に仕事を続けられるのは良いけど、ずっと自宅の机でパソコンに向かっている日々。Web会議で会話はできますが、データの容量を抑える為にカメラは基本OFFにしているので、画面越しですら同僚の顔を見ることは無くなりました。他部署に所属している人たちに関してはもはや存在すらわかりません。
孤独な独り暮らしの人々にとって、社内恋愛の機会を奪われただけでなく、これでは正気を保つことすら難しくなりました。
孤独に狂った人たちの中には、オンライン飲み会などで突然下半身を露出するなどの奇行に走った人も実際にいて、たびたびニュースになりました。
緊急事態宣言下の婚活市場
緊急事態宣言により外出が大幅に制限された中で、今まで「一生独身の方が自由で良い」と思っていた人たちが、孤独に耐えきれず婚活をはじめたという話はよく聞きました。
一方で、この情勢で業務ができず収入が激減した、あるいは失業したので、婚活を続ける余裕が無くなり退場していく人が続出しているという話も聞こえてきました。
会社が在宅勤務に切り替えたのと同様に、婚活業界も対面でのお見合いに替わるものとして、Web会議システムを使ったオンラインお見合いやオンライン婚活パーティーを導入していきました。
外出できない状況を解決する手段として非常に効果的でしたし、移動の手間が省ける、お茶代がかからないなどの利点もあります。ですが決して好評とは言えませんでした。
初対面の異性の人となりを見極めるのは、対面であっても非常に難しいのに、オンラインの画面越しとなるとより一層難しい。小さな画面越しに見える姿と、マイクとスピーカーを通じた声だけでは情報が少なすぎるのです。
在宅勤務が定着したのに比べて、「オンライン飲み会」と「オンラインお見合い」はあまり受け入れられず、既に廃れてしまった気がします。
オンラインセミナーは便利
一方、在宅勤務と同時にすっかり定着したのが「オンラインセミナー」です。これはとても良い変化だと思います。
今までは、興味のあるセミナーに参加したいと思っても開催地はたいてい東京などの都市部で、たとえ行ける距離だったとしても時間の都合をつけるのは簡単ではありませんでした。
Web会議を使ったオンラインセミナーでは、全国各地の自宅やコワーキングスペースで受講が可能ですし、時間が合わなくても録画されたアーカイブを後で再生し視聴することもできるようになりました。
メタバースが定着した頃には
さらに時代が進んで、今はまだ発展途上のメタバースが定着した頃には、生身の交流が全く無くても孤独を感じずにいられる人々が多くなっているかも知れません。
(会社×婚活 完)