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モラハラ対策会議(加害者編)過去の自分をいいかげん許してあげよう


モラハラ加害者の視点から

参考文献:「モラハラ夫と食洗機 ~弁護士が教える15の離婚事例と戦い方~」堀井亜生(著) , ゆむい(著・まんが)(小学館)

 モラハラについては被害者側の視点から語られるのが常で、加害者側の視点から語られているものは見たことがありません。状況を客観的に表すのは被害者側でないと無理なのはわかります。だいいち加害者は自分が正しいことをしていると思っており、モラハラの自覚は全く無いのでしょうから。

 ですがここで、かつてモラハラ加害者の傾向があったと自覚している私は、あえて加害者の視点から傾向と対策について語るのを試みます。

モラハラはアレルギー反応

 私は、モラハラの根本原因は「コンプレックスを刺激された時の過剰反応」と解釈しています。精神面でのアレルギー反応のようなものかと。

 そんな人たちにとって出会いのシステムはとても危険です。学歴や容姿、年収など、自分が負い目を感じている要素そのものが露骨に評価基準として載せられ、ふるいにかけられていきます。人と会ってコンプレックスに触れられるのもストレス、お断りの理由にされるのもストレスで、結婚相談所の場合はしまいには担当の仲人とケンカして辞めていったりします。

 一方で、前述の「モラハラ夫と食洗機」に出てくる男性たちはモラハラ"夫"なわけですから、いちおうはそれを乗り越えて結婚できているわけです。それなのに自ら家庭を壊してしまうのはなぜ?コンプレックスを克服できないまま結婚した(結婚できてしまった)のか?という疑問が沸きます。

身近な人間に攻撃を向けるのは悲惨

 モラハラの加害者は何かしらコンプレックスの原因があり、その怒りやいら立ちを、身近で弱い相手に攻撃を向けてしまうのではないかと思います。そのため家族やパートナーが犠牲ぎせいになります。

 自分の子に理にかなっていない教育を押し付けるというのはいかにも、自分の叶わなかった夢を子に託そうとして間違った方向に向かってしまっているような気がします。

 それほど本人には深い負い目や執着しゅうちゃくがあったとしても、果たしてそれは他者から見て気にするべきことなのか。少なくとも自分と結婚することを選んだ人は何も気にしていなかったのに、自分が勝手に気にしてモラハラになったせいで、どうでもいいことにはならなくなったのではないか。これはとても悲惨なことです。

相手がどうでもいいと思うなら本当にどうでもいい

 私自身がモラハラの発作を抑えるために心がけたのは、先に触れたとおり、相手が何も気にしていないなら自分も気にしないでおこう、ということでした。

 例えば、私は過去に重度の皮膚病を患った傷跡が身体中に残っているのを気にしていたのですが、他の人から見るとあんがい目に入っていませんでした。ある程度親しくなって距離感が近くなると目につくようになるのですが、その段階になると傷跡なんて別に「確かにあるな」と思うだけだそうです。

 あとは学歴もかつては負い目でしたが、分野が違えど技術職の人たちにとっては学歴はあまり重要ではないという考えの人が多いです。むしろ他業種からは、IT技術を扱っているというだけで知識人だと見られます。逆にとまどいますけど。

過去よりも今

 もう一つ重要なのは、お相手から自分を受け入れてもらえるのにただ甘えるのではなく、自分もお相手を受け入れる懐の深さを持つことです。

 自身の恋愛経験が乏しい人にとって、特に気にするのが、お相手の過去の異性関係でしょう。知らなければまだ良かったのだけど知ってしまった以上は気になるというのはあります。

 過去の相手が何者だったとしても、今のお相手が自分なら「自分に順番が回ってきた」くらいに考えてそのことを素直に喜べば良いと思います。

 お相手の過去の恋人あるいは配偶者がろくでもない人ばかりだった、ということもあるでしょう。気になるかも知れませんが、ここで自分がモラハラ行為を行ったら、自分もお相手の「ろくでもない」恋愛遍歴に加えられて終わりです。

 自分は唯一この人を大事にする最後のお相手になるという強い意志を持てれば、自分の中のモラハラ気質を抑えることができるのではないでしょうか。私自身そうありたいと今でも思っています。