既婚者でも話は聞いて欲しくないですか?
夫婦カウンセラーはなぜか身近な存在ではない
結婚したいと望んでいる独身の方は多くおられ、我々のような結婚相談所という業種もすっかり定着して、私たち婚活カウンセラーという仕事も今や広く認知されています。
一方で、夫婦のお悩みカウンセラーという立場のお仕事は、ドラマでは昔からたびたび目にするものの、どういうわけか現実世界では身近に感じる存在ではありません。
同業者との会話でもときどき話題になるのですが、婚活カウンセラーはそろそろ、既婚者の方々の相談も受けても良いのではないかと思います。
むしろ既婚者の方が、家庭を持っていて責任が大きくなっている分、悩みも深いはずです。しかし同時にプライバシーの問題も大きくなるので、話す相手は慎重に選ばなければなりません。
特に専業主婦は交友関係が狭まるので、誰にも話せないストレスを抱えやすいでしょう。
我が母と相棒
ごく身近な例として我が母の話を。
うちの母は仕事を引退してもう10年以上経ちますが、今も私の実家で、同居している孫(妹の息子)の世話をしながら元気に暮らしています。
ですが孫は可愛いだけではなく手もかかりますし、遠出など滅多になく家の周辺を行き来する日々。加えて高齢による身体の衰えも無視できず、鬱屈した気持ちが溜まっているように見えました。
そこで私は、アロマセラピストでもある我が代表の有希さんに、うちの母にアロマトリートメントの施術をしてもらえないかと頼みました。有希さんは快諾してくれましたが、母は大阪市内まで出てくるのを億劫に感じたようで、最初はあまり乗り気ではありませんでした。
それでも私が、アロマトリートメントとはこういう感じだと詳しく説明するうちにだんだん興味が出て来たらしく、私は実家の最寄り駅で母と合流し、サロンへと連れて行きました。
そうして実際に施術してもらったところ、リフレッシュ効果は予想以上でした。施術による肌のトリートメントと香りのリラックス効果もさることながら、施術の間、心の中に溜め込んでいたことを全部話せたことがとても大きかったようです。
有希さんは息子(私)にとっては相棒でも、母にとっては何の利害関係も無い、自分の娘と同じ年ごろの女性であり、かつての自分と同じ「働く母親」です。そして婚活カウンセラーです。思っていることをぶちまけるには最適の相手だったのです。
そうか、身体の衰えを気にしていたようだったからアロマトリートメントをと思ったのだけど、他人との会話の方が効果があったのか。
私は自分の考えの浅さを恥じると共に、連れて来て本当に良かったと思ったものでした。
既婚者はサロンで本音を話そう
結局、今も昔も変わらず、ストレス解消に最も効果的なのは「人に話すこと」なのだと思います。そういう意味で、いわゆる「井戸端会議」も心の健康には役立っているのかも知れません。ただしご近所様には守秘義務などという考え方が無いので言いふらされる危険性が極めて高いです。
昔に比べて離婚率が上がったのは、自力で安定した収入を得られる女性が増えたことも大きく影響していると思いますが、ご近所や会社での人間関係が希薄になり、話せる相手がどこにもいなくなった人たちが、辛い気持ちを溜め込みがちになったのも一因ではないかと私は考えています。
なので、夫婦のお悩みカウンセラーが身近にいない、もしくはカウンセリングとなるとちょっと気後れする、だけど誰かに話を聞いて欲しい、という方々は、美容院やマッサージ、アロマトリートメントなどのサロンを有効活用してみてはいかがでしょうか。
一回いくらで気軽に利用できて、それなりに長い時間がかかり、受けている間は存分に会話ができる。そして話を聞く方は言いふらす相手もいません。理想的です。
カウンセラーという名前は付かなくても、カウンセラーの役割を果たしてくれる人は探せば身近にいます。一人で抱え込まず、うまく利用して心の健康を保って下さい。
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