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「レンタル彼女(あるいは彼氏)」はもっと普及しても良いと思う

「レンタル彼女」というサービス業

 「レンタル彼女」というサービスはマンガやドラマの設定で出てくる架空のサービス業ではなく実在します。ただし事業者数はそれほど多くなく、ネットで検索しても関西圏では10件も無いくらいでした。認知度も低いし、知っていても利用するには抵抗があるという人も多いのが現状なのでしょう。

 サービスの概要はだいたい想像していた通りで、お相手の女性を選んでデートの日時と計画を事前に伝え、契約が成立したら実際にデートができるというサービスです。料金は稼働時間あたりの基本料金と、指名料、出張費。一部オプションもあり。これとは別で本人と「彼女」二人分の飲食・入場料などのデート費用は客側の支払い。手つなぎと腕組みまではできるけどそれ以上のスキンシップは禁止。こんな感じのようです。

試算してみた

 試しに「コイカノ」というサービスで試算してみました。

 基本料金はレギュラーランクで2時間12,000円。指名料は初回無料で2回目以降は2,000円。交通費は出発地と同一府県内で2,000円。レストランでのデートとして、食事代が一人あたり4,000円とすれば、お相手の女性のためにかけるお金はだいたい2時間で20,000円程度でしょうか。
(お客自身の交通費・飲食代などは除いた金額)

 これを高いと見るか安いと見るか。個人的には悪くない金額だと思います。知り合って仲良くなる過程とか全て省略して、自分の好みの女性と、自分がこうしたいというデートができるのですから。

 ただしそれは、自分の年齢や可処分所得をふまえてそう思うのであって、ここに載っている女性たちと同年代の20代の男性たちにとっては手が出しにくい気もします。

 なお、関西だけにUSJの年間パスポートを持っている女性は多いらしく、該当する人にはプロフィール欄に「USJ年間パスポート所持」と明記されています。USJは入場料だけで高額なのでこれはお得かもしれません。

補足

どうしても周りの目は気になる

 費用面を考えると利用者は30代半ば以降の中年層が多いと推測するのですが、このサービスは一緒におでかけするのが目的である以上、やはり人目が気になるのが一番の弱点になるかと思います。

 同僚などの知人に会う可能性も常にあるし、知らない人でも
 「あれはパパ活だな」
 と指を指されたりします。知らない人にどう思われようが放っておけば良いのですが割り切るのも案外難しいです。

 本当ならこの手の恋人レンタル業は、異性とのコミュニケーションに関する課題や要望に幅広く対応できる気がします。

 恋愛経験が乏しいまま大人になった人の練習相手、セクハラ扱いされず若い異性と交流したい、特定のパートナーは望まないが寂しい時だけ一緒にいて欲しい等…。

 現状でそれを阻んでいるのはやはり、「性を取引する不健全な行い」という世間一般のぼやっとした偏見と、周囲の目が気になる見込み客(利用客にはなれていない)の心理的抵抗ではないかと推測します。性的行為は含まれないと強調してもかえって、「本当はしているんでしょう?」とか、「含まれないならなおさら、わざわざ大金を支払う理由がわからん」などと言われることも多いでしょう。

いっそ逆手に取った商法はいかがか?

 ならばいっそのこと、「異性慣れしていない人の練習台」という需要に着目し、かつ「出会いの場にサクラがいる疑惑」を逆手に取って、恋人レンタルサービスは結婚相談所連盟やマッチングアプリと提携してみてはいかがでしょうか。

 なかなか成立しない、成立してもその先の関係がうまくいかない、うまくいかないことばかりで疲れた、という人たちに、オプションとしてレンタル恋人が癒しと練習台を提供するサービス。あえて交際成立もしくはマッチング成立した体ではじめるというのはいかがでしょうか。

 レンタル恋人との交流で何らかの学びを得られる機会は多いと思いますし、利用者が増えて一般化すれば偏見も減ると思います。

 一方で、理想と現実がかけ離れていることを思い知り、現実に戻って来られない人もいると思いますが、それがその人自身の幸せなら良いと思います。