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抱き合うとオキシトシンで満たされる


身体が触れ合うということ

 これは当サロンでも仕事で何度か交流のあったカウンセラーの先生が仰っていたことなのですが、俗に言う夫婦間の「セックスレス」というのは、その言葉が直接的に示す性行為だけを指すのではなく、例えば抱擁ほうようなど、愛情表現としての身体のふれあいが何も無い状態を指すそうです。

 私はそれを聞いてとても感銘を受けたのを覚えています。性欲とかそういうだけの話ではなく、いたわりや親愛を示す行為が有るか無いかなのだと。

幸せホルモン「オキシトシン」

 よく言われるのが、抱き合ったり身体が触れ合うことでオキシトシンという名の幸せホルモンが分泌されるということです。なので身体が触れ合うことで心のつながりも強くなるというのはよくわかります。

 「セックスレス」という言葉が独り歩きすると夫婦にはプレッシャーだと思います。子供が産まれたらそれどころじゃなくなる、という人も多いでしょうし、歳を取ったら肉体的にも精神的にも抵抗があると思います。そうではなく、単に親愛を示す「ふれあい」で良いのだということはもっと広く伝わって欲しいと思います。

急ぎすぎる男たち

 世の中、まだ知り合ってからまだ数回しか会っていない、あるいは初対面の場合であっても、デートした女性と手をつないだり抱きしめたりしてくる男性は多いとよく聞きます。マッチングアプリなるものが普及したことで男性たちのそういう行動も目立つようになった気がします。

 そんな彼らはもしかしたら本能的にオキシトシンを求めており、相手の女性もまたオキシトシンが分泌されて一気に親密になれるのではないかと期待しているのかもしれません。単に性欲が先走ったのかも知れませんが。

 そうだとしても、いきなりそんなことをしたらたいていの女性に対しては逆効果です。このへんの男女の感覚の違いは悲しいほど開きがあり、女性の心が高まっていく頃には男性はしびれを切らして他の相手を探しに行ってしまった、というのもよく聞きます。

 だからこそ、お金を出したら誰かに抱きしめてもらえるサービスが太古から存在するのでしょうね。

それができる人

 「誰かに抱きしめてもらえるサービス」で思い出しました。

 先日、知人の勤めるガールズバーに寄ってみた、という記事を書いたのですが、この時、隣のテーブルにいた小柄な女性がおそらく相当な「売れっ子」だったと思うのです。

 区切りの時間が来て、男性がここで延長せず帰ろうとしたのでしょう。その女性はお客の男性に、

「え~、さみしい。」

 と甘えたような少し哀しげな声を出して、男性に寄りかかるようにして抱きついていました。しかもしばらくそのままでいたので、あれでは男性も立ち上がれないでしょう。(物理的にも心理的にも)

 さすが、なんのためらいもなく即座にああいうことができる子が、この世界で勝ち残っていけるのだろう。見た目は小動物だがあれは擬態で、実は宗右衛門町の食物連鎖の上位なのだろうと。テーブルに載っている空のシャンパンの瓶を見ながらそう思いました。

 私は身体は大きいけど実は臆病な草食動物なので、あの手の強者には警戒して近づきません。接触する前に逃げます。そうして今まで何とか破滅せずに済みました。