「イイ男」ではない「いいひと」をどうにか救いたい
性格が悪いのではなく考えが及んでいない
婚活で、女性の側からお断りされてしまう場合、やや強引にまとめると
「女性に対する気遣いが足りないと感じた」
という理由がとても多いと感じます。
だけどこの場合、女性に対して要求するばかりで自分のことは見えていない、本当の意味で気遣いの無い男性なのか。もしくは気遣っているそぶりは見せるのだけど、どこか的外れなことをしてしまっている不器用な男性なのか。両者は全く別ものと考えて欲しいと僕は考えています。
上記のうち、前者は即刻お断りで良いと思います。だけど後者は、磨けば光る可能性があるので長い目でお付き合いしていただきたいです。
「そこまでしてあげられるほど期待しているわけでもない。」
というならやむを得ないので、お断りする際に、どこが足りなかったのかオブラートに包んで仲人に知らせてあげて欲しいです。
結婚相談所に入会する「普通に善良な男性」というのは、人格は善良であっても恋愛経験は乏しい人が多いのが現実です。
身体は健康な素人が空手家と殴り合ってもかなわないのと同じように、優しい男性が女性を気遣っているつもりでも、女性からしたら的外れなのはある意味、「そりゃあそうだろうな」と思います。想像力が及ばない部分が多いのです。
例1:合流後にさまよう
デートの場所は、女性が住んでいるところから無理なく来られる地域を、男性から指定してきました。そこまでは良いです。
だけど合流した後で、これから食事する店を決めておらず、
「僕、この辺は馴染みがないので土地勘が無くて。さて、どこに行きましょうかね。」
などと言い出します。あるいはお店は決めていて予約も入れているけど、そこまで行く道順がわからず迷子になり、予約の時間に遅れてしまいます。
恥をかかないように早目に来て道順を調べておくか、あるいは道に迷うくらいなら、この地域に土地勘が無いことを女性に正直に言って、場所決めの段階で相談した方が良かったのではないでしょうか。
例2:遠慮なく食べて下さい
幸いにも、選んだレストランの料理はどれも美味しくいただけました。お皿が全て空になったところで男性は再びメニューを広げます。
「さて、デザートは何にします?イタリアンレストランですし、ティラミスとか美味しそうじゃないですかね。」
女性は困ったように微笑みながら首を振って、遠慮がちに言います。
「いえ、私は結構です。ちょっと食べすぎちゃったかも。お腹いっぱいで…。」
「そうですか?遠慮しなくて良いのに。ほら、甘い物は別腹って言うじゃないですか。」
「ええっ…。確かに美味しそうなんですけど、甘い物は太るし…。」
男性は優しく微笑んでこう言います。
「大丈夫。そんなこと、僕は気にしませんから。」
女性は耐えきれず中座してトイレに向かいます。彼の大らかさもわからないわけではないのですが、あんたの彼女になったわけでもなければ、あんたが気にしなくても自分で気になるんじゃ!と怒鳴りつけてしまうのをこらえるのに必至でした。
例3:屋外で歩かせすぎる
この日は屋外のデート。二人で緑地公園を散歩しています。
緑のある風景を楽しみながらも、男性は、女性を退屈させないようにと色々な話をして、彼女が笑っているか、それとも興味無さそうにしているか常に顔色をうかがっています。
だけど女性はそんなことより、ヒールを履いた足元が痛くて仕方ありません。第一、緑地公園を歩くと事前に知らせてくれていたらスカートにヒールではなく、パンツにスニーカーで来たのに。
「あ、すみません、僕の仕事の話なんて、退屈でしたよね…。」
ふだん営業回りで足が丈夫な男性は涼しい顔をしていました。足元はランニングシューズ。
「いえ、そうじゃなくて、足が痛くて…。カフェでもファミレスでも良いから、涼しいところで座って、何か飲みましょうよ…!」
穏やかに言ったつもりが、声にいら立ちがにじみ出ていました。
悲しいことに言われないと気づかない
残念なことに、彼らが女性側から交際終了を告げられた場合、男性は
「何がいけなかったのだろう…。」
と落ち込みながらも自分の行動を振り返りますが、たいていの場合、自力で答えを見つけるのは困難です。
なので女性は、お断りするならお断りで仕方ないのですが、ある程度オブラートに包んだ形で理由を伝えてあげて欲しいです。
そして、このような事態になるのを少しでも避けるべく、仲人やカウンセラーは、会員にある程度の特訓をしてあげてから実戦に送り出す必要があるかと思っています。
「婚活の場には良い人がいない」と言う声もよく聞きますが、良い人がいないのではなく、良い人に成れていないのだと思います。畑を耕しましょう。
あとはできれば、女性も男性も減点法でお相手を見ずに、ご自身の仲人を経由して意見は通していただきながら、改善がみられるか長期的に見極めていただきたいです。貴方だけの「良い人」が実はそこにいるのかも知れません。