人気No.1のアナウンサーにしつこくされて困ってる?
これまた少し古くて5年ほど前の話なのですが、ネットサギの記事を書いていてふと思い出しました。
俺だけに見せる素顔
ある日、仕事が終わって駅で電車を待っている時に、一緒にいた同僚が、手に持ったスマホを掲げてこんなことを言ってきました。
「なあ、FテレビのアナウンサーでK藤っておるやろ?」
「えーっと…。ああ、確か、朝の情報番組に出てる人やっけ?観とらんけどな。」
その頃、すでにテレビをほとんど観なくなっていた僕でも、当時の女性アナウンサーの中でトップクラスの人気を誇っていたK藤さんのことはさすがに知っていました。
「あのK藤から俺のところに、毎日何件もメールが送られてきてて。」
「はぁ?何を言い出すかと思えば。そいつはいったいどこのK藤やねん?」
「せやからFテレビのK藤A子やって言ってるやんけ。あいつ、クールに見せてるけど、カメラの回ってないところでは案外弱い一面もあるんやで。」
「なんやこいつ、気持ち悪い。お前が彼女の何を知っとんねん。」
「ほんまやっちゅうねん。このメールを見てみい!」
打ち明けられた悩み
同僚が見せてきたスマホには確かに、「K藤A子」を名乗る人物からのメールが表示されていました。メールアドレスが明らかに使い捨てのような怪しいものなのはいったん置いておくとして、本文を見てみると…。
これまた、しょうもない迷惑メール…。おっさんが無理に若い女性のふりをしたような文面。それよりいくら何でもK部氏に失礼でしょ。
「最初は無視してたんやけど、ええかげんしつこいから、受信拒否しちゃおっかなーって。グチを聞いて欲しかったら直接会いにこいっちゅうねん、なあ?」
迷惑メールでアナウンサーと疑似恋愛を楽しむ男…。相手にするのが心底めんどくさいと思ったのですが、仕方ないので最後まで付き合ってやろうと、僕は抑揚のない口調でこう言いました。
「エエやん、モテモテやん。しかしお前からK藤A子をふるとは、何てひどい男や。」
すると同僚は薄ら笑いを浮かべてこう言い放ちました。
「いやあ、K藤もイイ女やとは思うで?せやけどここまでされると、ちょっと重いかなーって。」
言葉を失いました。