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39歳で、子宮頸がんが見つかった。

私のことをよく知っている皆さんには、驚かせてしまうかと思いますが、ひとつお知らせです。

実は、年末に子宮体がんの告知(術後に子宮頸部線がん)をうけ、1月末に子宮全摘、卵巣卵管、リンパ節郭清の手術をしました。

2人に1人ががんになる時代、いつかはがんになるとは思ってはいましたが、「まさか、わたしに、今、がんが見つかる」とはもちろん予想していませんでした。

なぜ、noteに書こうと思ったか

実はコロナ禍の検診控えで、定期検診の間隔が空いていました。「そろそろ行かないと、でも、予約も手間だし、仕事も忙しいし、検査はちょっと痛いし、、」と。

ただ、今回、「検診行かねば」と3年ぶりに行ったのは、仕事でお世話になっている方に、乳がんが見つかったからでした。その方には、病気のことを伝えて頂き、本当に感謝しています。

こうしてnoteで、伝えようと思ったのは、自分の経験を伝えることで、20代~40代のみなさんに、検診に行って欲しいからです。

子宮頸がんになる女性の約16%が20~30代。特に 子宮頸がんは無症状で、検診で発見するより他に方法がないと言われます。私も、自覚症状は全くありませんでした。

私は子宮を全摘しましたが、初期の子宮頸がんの場合は、妊よう性温存治療といって、子宮を残すことも選択できます。

早期発見が大事。
自治体でのクーポンが使える地域も多いです。
ぜひ、検診へ。

そして、もうひとつ、noteで公開しようと思ったのが、「職場に病名を伝えるかどうか」は、とても迷ったことでした。
感謝とともに、伝える側の葛藤も含めて、記録に残しておきます。

がんが見つかるまで

10月頃、自治体の検診結果が郵送で届き、要精密検査の記載がありました。
以前も同じような結果だったので「また引っかかったかぁ、、めんどうだなぁ」って思っていました。

11月、地元の産婦人科で再検査をした後、大きい病院でみてもらったほうがいいということになり、総合病院へ。

そして12月、詳しい検査を重ねた結果、初期の子宮体がんの告知をうけました。同時に子宮摘出を告げられました。
さすがに動揺して、診察室で涙がとまりませんでした。パートナーが横に居てくれて、背中をさすってくれたことを覚えています。

そして、1月に子宮全摘、卵巣卵管、リンパ節郭清の手術のため、10日間の入院含め、約1ヶ月の休養を頂き、今週から仕事に復帰しました。

仕事への影響~誰にどこまで伝えるか~

告知されたあと、最初に気になったのは、誰にどう伝えるのか?でした。

年度末に向けて、抱えているいくつかの仕事がありました。 忙しい年末。普通に仕事をしていたとはいえ、告知を受けた2週間はやはり精神的に不安定だったんだと思います。仕事中、ふと手を止めると「がんになったんだ」ということが頭によぎります。

でも、複数のプロジェクトが進行しているので、連絡は引っ切り無しにきます(汗)
自覚症状はないので、身体は元気なのですが、少しずつ、気持ちの余裕がなくなっていました。入院していても連絡ができないわけじゃない。でも、、、

結局、いまの状況を伝えるほうが楽になると考え、仕事で関わる方には病気のことを伝えようと年末に決めました。

手術・入院で約1ヶ月は休むとして、術後の病理検査の結果をみて、追加の放射線や抗がん剤治療をするか決めましょうと。抗がん剤治療が始まったら、半年間ぐらい休む可能性があります。
どこまで仕事に影響がでるか分からないタイミングで、誰にどこまで伝えるのかは非常に悩みました。

また、ショックをうける人もいるかもしれません。
どんな言葉を使えばいいのか、伝える前には何度もメモを書き直しました。がんという言葉を伏せたほうがいいかも、と思ったこともありました。

結局、病名とスケジュールが未定なことなど、事実をそのまま伝えました。そして、20代~30代の若手には「検診に行ってね」と添えて。

みんなからは、「伝えてくれてありがとう」「何かできることがあれば言ってください」「実は自分の母親も、、」とあたたかいメッセージを頂きました。
返信に時間がかかった人もいたと思います。それでも、受け止めようとしてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

直接、言葉で伝えたのは定例会議の場でした。冷静に伝えたかったのですが、思いが溢れてみんなの前で涙が止まりませんでした。

がんに対する正しい知識を得ること

テレビや漫画のがん患者の様子は、末期のケースを取り扱うことが多く、抗がん剤の強い吐き気の様子や、死のイメージを連想させます。告知された直後に仕事をやめてしまう「びっくり離職」が2割というのも、少し分かるような気もしました。

  私の両親は、複数のがんサバイバーですが、元気に働いています。医療の進化で、実際、多くの方ががんと共に生き、仕事と治療の両立をされています。

 なのに、いざ当事者になると冷静に受け止めきれず、ネットの情報や体験談をみたり、悪い方向に考えてしまいます。また、当事者が前向きに治療しよう!というときに、周りのほうがネガティブだとしんどさを感じることも、、、。

がんに対する正しい知識を持つことは、当事者だけでなく家族や企業側も必要だと思います。

▼参考リンク

入院中に考えていたこと

さて、私ですが、パートナーや家族、娘に伝え、そして仕事関係のみなさんにも仕事を引き継ぎ、安心して手術に向かうことができました。

たくさんの方が気にかけてくださり、御守りもたくさん!!!!!!!頂きました。

たくさんのお守り

入院前には「待っているからね」「あとのことは任せてね」といったメッセージにとても励まされました。

また、がんのことを考えたくない時間もあれば、しっかり受け止めたいという時間もありました。

そんなときは、子宮頸がんや子宮がんの漫画を読みまくりましたし、たまたま見つけた対話サービスを利用したり、インターネットの患者コミュニティや、がん相談支援センターものぞいてみたりみました。掲示板コミュニティでは、顔が見えていなくても、がんを経験したという共通のつながりに救われることもありました。

入院中、いろんなことを考えていました。

今までの私、よく頑張ったなと。
「働き過ぎだよ」と言われることもありましたが、島根にUターンして13年、地域や教育に関わる仕事や素敵なみなさんとの出会いに、とても充実している日々を過ごしています。

ただ今回、がんになったのは「今のやり方では、身体が持たないよ」と教えてくれたんだと思っています。平均寿命まで、あと40年以上って、、そこまで、私健康に生きられるんだろうか、と。

つい仕事が楽しくて詰め込みがちですし、自分が無理することで、乗り切ってきたこともたくさんあります。

肩が凝ったな、足が浮腫むな、また偏頭痛、、誰にでもある、と思ったちょっとした不調、そんなもんだろうってそのままにしていました。

食べるものや生活習慣、仕事への向き合い方、自分との向き合い方を見直していく。

元の生活に戻るのではなく、新しい暮らしを考えたいと、感じています。


術後1ヶ月のいまの体調

さすがに術後1週間は、痛みもしびれもあり思うように動けませんでしたが、人間の回復力はすごいです。今では、日常生活は問題なく、少しずつ仕事を始めています。

ちなみに、術後の確定診断で、リンパ節転移はなく今回、放射線治療はしませんでした。ただ初期の初期かと思っていたら、Ⅱ期の一歩手前でした。数年間は特に再発リスクがあるので、今後、経過観察を続けます。

がんの受け止め方は「個別性が高い」と言われます。同じがんでも、ショックの度合いや、手術の痛みや精神的なものも人によって全く違います。

なので、いま、自分がどんな症状なのかは、言葉にして伝えないと相手には伝わらない。

自分がどうしてほしいのか、周囲が悟ってくれるわけではないので、伝える側の工夫もいると思います。

私の場合は、骨盤リンパ節郭清をしているので、後遺症のリンパ浮腫はやはり怖いです。長時間の立ちっぱなしや座りっぱなし、疲れをためないようにするなど、身体のケアが必須です。また、更年期症状が出るので、ホルモン療法を始めています。

復帰をゴールとせず、通過点だと思うように、と看護師さんにアドバイスをもらいました。
特別な配慮はいらないですが、疲れを感じるとき、はやめにヘルプをだしていきたいと思います。

最後に

改めて、パートナーや家族、MYTURNやてごねっとや、地域・教育魅力化プラットフォームやプロジェクトを共にするみなさん、今回の突然の休養をあたたかく受け止めて頂き、本当にありがとうございました。

そして、私が公表したことで「実は家族以外には伝えていないんだけど、私もがんになってね、、それが、ステージがかなり進行していて」と連絡を頂くこともありました。頂いたひとつひとつの言葉をしっかり噛み締めています。

もし、周りの方で特に20~30代のAYA世代の方で、検診で不安に思うことや、がんの治療、職場との関わりなど、少し体験談を聞きたいなと思ったら、わたしに直接メッセージください。相談支援センターや患者会、相談先など、情報提供ができることもあるかもしれません。

「30代でがんになる」という経験は、自ら望んだ経験では決してありませんが、この経験をしたのには何かしらの意味があると感じています。

私は病気になったからこそ、働く意味をもう一度考えるようになりました。

自分にできることは限られますが、
誰かの役にたちたいと思う気持ちが
私の支えになっています。
それが勝手な思い込みだとしても。


最後に。
私より、しんどい治療をされている人、
不安な日々を過ごされている人、
闘病中の多くの方に、
心穏やかな日が来ることをお祈りしています。

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