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“空いてるよ!!!!”おじさんへの感謝と思うこと
タイトルをご覧になって“???”と感じられた方がほとんどだと思う。【名前もお年も存じ上げない=通りすがりの人】、に当たると思うけど、心の中でいつも有り難く、感謝している50代位の男性(=“空いてるよ!!!!おじさん”)がいる。
私の事情
私には精神疾患がありその症状の1つで動悸など感じると脱力発作が起き立ってられず倒れてしまうという現象が起こる。
ずっと抵抗があり利用してこなかったヘルプマークを、心配する親の懇願もあり去年の夏位から外出時にバッグに付けるようになった。
特に電車利用時、週1-2のペースで片道1時間程度利用する際は必ず付けて行く。
何かが起こるかもしれない人間、という自己表示のため。
会社員時代から電車に乗る際は空いている優先席を好んで立っていた。
持病がわかってからも30代のうちは大丈夫だったけど、40代に入り会社を退職してからは体力がとみに落ち、満員電車に1時間弱立って乗車することが苦痛になった…
以前は定期があったのでグリーン車を気軽に利用出来していたが、無職な上、自宅はJRのみのエリア、しかも長距離…なので交通費だけでも高くてグリーン車を利用し難くなった。
今は普通車の決まった車両(地元の駅のエスカレーター近くの優先席)を利用することが多い。
おじさんとの出会い
“空いてるよ!!!”おじさんにはじめて出会ったのはヘルプマークをつけ始めた去年の夏のこと。物凄いインパクトで忘れることが出来ない。
病院から帰宅する際、池袋か新宿から高崎線に入る湘南新宿ラインを利用するが、1時間に1-2本しかない上にラッシュ時はホームが埋まるほど利用客で並んでおり、基本座れることはないしこちらも座れると思っていない。
去年の7月のある日、池袋で行列の最後尾からギリギリで乗車しようとしたら、突然、“空いてるよ!!!!”と男性の声が。おじさんはメチャ混みの中、乗車口迄来てくれてご自分のバッグをおいて席をキープして私に席を譲ってくれたのだ。
驚いた。とにかく驚いた。“大丈夫です”とお伝えしたものの“もう降りるから”と先方も譲らず…
超超ラッシュの中、有り難く1時間弱着席して帰宅する事が出来た。まったく思いがけないことで大変有り難く、男性が下車する際に再度お礼を言いたかったが、物凄い混雑で何処にいらっしゃるかも見つけられず…
湘南新宿ラインの高崎行きは本数が少ない為利用する時間が被る事が恐らく数回あり、“空いてるよ!!!”おじさんには、その後も池袋で何回か席を譲って頂いた。乗車口迄来て下さるか、優先席の方に入ったら席を譲って下さったのも恐らく同じ方だと思う。
新宿から乗車した際に一般席の前に立った時も、優先席の方からわざわざ来て“空いてるよ!!!”と声を掛けて席を譲って下さったのも恐らく同じ方と思う。本当に申し訳なく思うが、社内が混みすぎてて顔を憶える事が出来ず不確かだけど…
こんな善意の塊のような方がいらっしゃるんだな、まだこの世の中捨てたものじゃないんだなと。とっても嬉しく心が温かくなった。
帰宅時間が変わってしまったのでもうお会いすることは出来ないと思うけど、今も、その男性は優先席を必要とする方に、座席を譲っているはず。
マークに気が付いて譲って下さったので、ご自身も何かしらの理由があって優先席をご利用になっていると思う。
私も体力があった頃は、座席が必要な方に席を譲るタイプだった。でも意外と、譲った方がいいかどうかの判断をするのは難しい。年寄り扱いをするなと気分を害される方、次で降りるから…という方もいらしたし、私自身が今よりぽっちゃりだった頃は妊婦さんと勘違いされて気まずいこともあった(苦笑)
ヘルプマークを付けることへの葛藤と思い
ヘルプマークを付けて、優先席の方に行くのはズルいのかなと思い悩むこともある。でもだからといって座席を譲って貰えることが当たり前、とは当然考えていない。
(以前、譲って貰えるのが当然と思って駅員さんにクレームされてる方を見て驚いた)
ヘルプマークや妊婦マークを持ってるから譲ってもらえるのが当然、と考えるのはそれは違うと思う。どうしても着席したい場合は、相応の対価(=グリーン車料金)を払ったり、工夫(ex.空いている駅まで戻る)すべきだと私は考える。グリーン車、座席確保出来なかったらキャンセルも出来るし。
普通席でも他人に席を譲る人は譲るし、優先席でも譲らない人は絶対に譲らない。私の場合、悩んだ末にマークを付けて乗車するのは、【車内でぶっ倒れる⇒緊急ボタンを押される⇒遅延を招く⇒そのほうが多くの方の迷惑になる】ということをここ数年でたくさん迷惑を被って身を以て学んできたので。なので一応、電車を利用する際は自己主張?の為に付けている。
おじさんへの感謝
昔と比べて少し弱者になってしまった私だけど、それでも自分より席を必要とされる方には、体調と相談して席をお譲りしたいと、“空いてるよ!!!”おじさんの出逢いのお陰で思えるようになった、その気持ちを思いだせた。
おじさんのお陰で安全に帰れたことが幾度となくあった。この感謝の気持ちをお伝え出来ないのがとにかく残念で仕方ないけれど、おじさんの善行を忘れることなく、私自身が自分に出来る小さなことを出来る人間でありたいという気付きを再び得られて、おじさんには感謝の気持ちでいっぱいです。