
『微酔なひととき』
友と乾杯する
今日も1日頑張った
ビールを手にすると酔う前から気持ちが高揚し
上手くいったことも失敗したことも
些細なことのように感じ始めるから不思議だ
ちょうど良く酔いがまわった頃
集う人々の気持ちはより昂り
愚痴ったり ばか笑いしたり
愉しいひとときを刻む
ふと、帰宅後
どんな話をしていたのか思い出せない
いいのだ
たわいもなくとるに足らない話なのだから
その場限りの由無しごと
一見 無駄に感じる会話や意味のないような時間が
日常を心地よいものにすることもある
あの会話と高揚した気持ちは時間とともに
ビールの泡のようにはじけて消えてしまうだろう
ただその余韻だけが脳の片隅で鎮座し
それを大切にしながら私は今日を生きてゆく
次の乾杯のために